会議やミーティングにおける価値は目的によって決まりますが、そこには絶対的な価値があります。
それは、なんだと思いますか?
その価値とは、複数の人が同じ場所に集うということです。
つまり1人で考える時間も大切ですが、その時には得られない価値が、会議やミーティングにはあるのです。
その価値を成果に繋げていく役割が、ファシリテーターにはあるのです。
そうやって考えると、ファシリテーターは、とても大切な存在なのです。
目次
- 複数の視点
- 30年以上前の話
- ファシリテーターの価値
複数の視点
私は今まで2つのペンネームで、合計17冊の本を出版していますが、いつも思うことがあります。
それは、推敲の大切さと難しさです。
本を書く時に私の場合は、書きたい内容と共に、その書いたことを届けたい相手を妄想します。
その後に、ストーリーを考え、それを絵でイメージし、それから下書きをして、最後に清書をしていきます。
もちろん清書の時には、誤字脱字がないか、言い回しにおかしいところはないか、読み手にとって読みにくい文章になっていないかなどをチェックします。
それから、いよいよ出版という流れです。
しかし出版をした後に読み返してみると、悲しいから悔しいかな、まだまだ手直しが必要な誤字脱字が複数ヵ所見つかってしまうのです。
お恥ずかしい話ですが、出版をした段階で100%誤字脱字がないということは、今まで1回もありませんでした。
しかし電子書籍の良いところは、出版した後でも手直しができることです。
このルールに甘えて良いのかどうかは分かりませんが、こんな時に出版社の存在をとても大きく感じたりします。
きっと出版社を通しての出版であれば、複数の人の目でチェックを繰り返すことで、出版時には100%バッチリという状態になるのだと思います。
このように1人の視点ではなく、複数の視点で見ると気づくことも多くあるのです。
だから、複数の人が集う会議やミーティングには、それだけで大きな価値があるのです。
30年以上前の話
今から30年以上前のことですが「ザ・カクテルバー」という商品がありました。
昭和のその時代を生きた方であれば、俳優の永瀬正敏さんが「愛だろ、愛っ。」と囁くテレビコマーシャルを覚えていらっしゃるかと思います。
これは大ヒットした商品なのですが、商品開発のことが書かれた本を後で読むと、次のようなことが書かれていました。
商品開発の会議では、瓶ではなく缶に入れたカクテルを販売しようと話をしていたそうです。
当時は、缶ビールなどが当たり前の時代になっていて、カクテルを缶に入れて販売することは自然の流れでした。
そこでいよいよ商品開発ならびに販売戦略の会議が大詰めとなってきた頃に、女性社員の雑談の中から次のような声が聞こえてきたそうです。
「私は缶を開けても一気に飲めないから、途中で蓋ができるようなものであったら嬉しいな〜」
「そうそう、私も同感!」
このような声を受けて、カクテルを缶ではなく瓶に入れる形で販売し、飲んでいる途中であっても蓋を閉めることができるようになったと、私が読んだ本では書いてありました。
これも複数の視点で考えたことで、生まれてきたアイディアかと思います。
そして、この女性社員の声を素直にキャッチして、検討するきっかけをつくられた方の行為がファインプレーですね!
ファシリテーターの価値
ファシリテーターの役割は「会議やミーティングを目的に沿ってコントロールし、成果をあげられるようにマネジメントすること」と私は定義をしています。
これは、司会進行役ではできない役割です。
だからファシリテーターは、多くの企業で重宝されるのです。
その役割と価値を、ファシリテーター自身が理解しておくことが重要です。
そんなファシリテーターという役割を、多くの人は他人から与えられる機会が多いのではないでしょうか。
会議やミーティングに参加するメンバーを見て、上司から「◯◯さん今度の会議でファシリよろしくね〜」なんて言われることが多いかもしれません。
そんな時に、私がよく見る光景があります。
それはファシリテーター自身が、その役割と価値を理解していないということです。
これは、とてももったいないことです。
言い方を変えると、頑張り方が分からないのに「とりあえずやってみます」と言っているようなものです。
「とりあえずやってみます」という行動力は大切ですが、複数の人が集う会議やミーティングでは、複数の人の貴重な時間を費やすことになります。
だから、ファシリテーターの「とりあえずやってみます」は罪なのです。
その罪を犯さないためにも、そして「ファシリテーションの技術」を学ぶ前に、まずはファシリテーターが、その役割と価値を理解することが大切なのです。
そして「ファシリテーションの技術」の根底には、コミュニケーション能力があることも忘れてはいけません。
このような理解と意識が「ファシリテーションの技術」を発揮する土台になるのです。
「ファシリテーションの技術」に興味のある人は、ぜひこちらもご覧ください。
会議やミーティングにおけるファシリテーションの技術が学べる本: コミュニケーション能力をビジネスに活かす コミュニケーション&ビジネス