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ミーティングにおけるファシリテーターの存在価値

ミーティングにおいては、色々な目的がありますが、どんなミーティングであっても、一方通行の説明会のようなものでは良くないというのが通例ではないでしょうか。

そんなことは「頭じゃ分かっちゃいるけれど〜」と思いながらも、ついつい誰かが一方的に話してしまうようなミーティングを、あなたも体験したことがあるのではないでしょうか?

もしそこにファシリテーターがいるとしたら、そのような一方的な場面を変えていくことが、その人の役割かもしれません。

そして、そんな流れを変える時には、ファシリテーターが力を発揮しないと、そのミーティングがうまくいきません。

だからこそ、そこにファシリテーターとしての存在価値があるのです。

目次       

  • 風まかせはNG
  • 北風はNG
  • 流れに乗ってから変える

風まかせはNG    

ミーティング中に、ファシリテーターとして最もしてはいけないことは、責任放棄です。

いちいち言葉にすることではないかもしれませんが、当たり前のことですよね。

つまり、その場を「風まかせ」にしてしまうことはよくないということです。

ファシリテーターとは、その場を進行することよりも、ミーティングの参加メンバーから意見を引き出すことが大切だという風潮が強すぎると感じることがありますが、ファシリテーターとしての本来の役割を見失ってはいけません。

ファシリテーターの役割は「会議を円滑に進行する」ことです。

Webで検索してみると、次のように書いてあります。

具体的には「会議の進行役」として、司会者のような役割を果たし、会議に参加した人たちの意見を聞いて分かりやすくまとめていきます。

私は、ファシリテーターを「ミーティングを目的に沿ってコントロールし、成果をあげられるようにマネジメントする人」と捉えています。

確かにミーティング全体を見て、この時間は、参加者の意見を引き出すことを目的にする時間帯もあるでしょうが、ファシリテーターとしては、全体を見てその場をコントロールする責任があることを忘れてはいけません。

北風はNG      

ファシリテーターがその場を「風まかせ」にしてはいけないとしたら、どうしたら良いのでしょうか?

「北風と太陽」でいうところの、北風のような関わり方はどうでしょうか?

ちなみに「北風と太陽」とは、イソップ寓話の1つで次のようなお話です。

 

ある時、北風と太陽が力比べをしようとして、通りすがりの旅人の上着を脱がせることができるかという勝負をすることになりました。

まず、北風が力いっぱい吹いて、旅人の上着を吹き飛ばそうとしますが、寒さを嫌った旅人が上着をしっかり押さえてしまい、北風は旅人の服を脱がせることができませんでした。

その次に、太陽が燦燦と暖かな日差しを照りつけたところ、旅人は暑さに耐え切れず、今度は自分から上着を脱いでしまったというお話です。

 

もしファシリテーターが、北風のような振る舞いをすれば、次のようなことは実現できるかもしれません。

  • 思い通りの進め方ができる。
  • 思い通りの結末にできる。
  • 思い通りの決定事項を導ける。

仮にこのようなことが実現できたとしたら、ファシリテーターの本来の役目を果たしたことになるのでしょうか?

ファシリテーターの本来の役目とは「ミーティングを目的に沿ってコントロールし、成果をあげられるようにマネジメントする」ことです。

つまり、ファシリテーターが北風のような振る舞いをしても、その役目を果たすことにはならないのです。

流れに乗ってから変える

では、ファシリテーターが、そのミーティングの流れを変えたい時には、どうしたら良いのでしょうか?

「風まかせ」にすることもNGで「北風のような振る舞い」もNGだとすれば、先ほどの太陽のような手法で流れを変える為には、どのようなポイントがあるのでしょうか?

この時のポイントは「流れに乗って流れを変える」ことです。

ファシリテーターの「流れに乗る」という振る舞いとは、相手が次のように感じることです。

  • この人は、自分のことを肯定してくれているんだ。
  • この人は、自分の意見を尊重してくれているんだ。
  • この人は、自分のことを理解してくれているんだ。

ミーティングに参加している人が、ファシリテーターに対して、このような感情を抱くことが、ファシリテーターが流れに乗っているという状況です。

しかしファシリテーターが「流れに乗る」という目的は、流れに乗ることではなく、流れを変え良いミーティングに導くことです。

「流れに乗らずに流れを変える」ことは、言うべきことを言える人であれば出来ることかもしれませんが「流れに乗って流れを変える」からこそ、ファシリテーターとしての存在価値が生まれるのです。

ではどうやって流れに乗った後に、新しい流れを創っていけば良いのでしょうか?

ここからが、もう1つのポイントになりますが、そのコツは「問いかけ」になります。

詳しくは、こちら「ファシリテーターがミーティングでやってはいけないこと」をご覧ください。