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色々なスキル, コミュニケーションの仕組み化

スキルの高いファシリテーターはユーモアの使い方も上手 〜「流れに乗って流れを変える」ことがセオリーなわけ〜

どんなミーティングであっても、参加メンバーに必ず温度差があります。

参加メンバーがみんな高いモチベーションでいることが理想かもしれませんが、なかなかそのようなミーティングはないかもしれません。

だから、ファシリテーターという存在に価値が生まれます。

ファシリテーターの大切な要素の1つは、参加メンバーの温度を知り、温度差を俯瞰できることです。

温度差があることが悪いことではありませんが、時にはその温度を上げたり、温度差を埋めていくことが大切な時もあります。

しかし、ミーティングに参加するメンバーの温度差を俯瞰できていないと、課題を認識することすらできません。

だからスキルが高いファシリテーターの特徴として、参加メンバーの温度差を俯瞰できるという要素があるのです。

目次       

  • 否定しない
  • 真面(マジ)より笑顔

否定しない      

それではファシリテーターとして、ミーティングに参加するメンバーの温度差を俯瞰できた後に、その温度差をどうやって埋めていけば良いのでしょうか?

つまり真剣に参加している人と、やや不真面目に参加している人が混同している状態をどうやって埋めていくかということです。

最終手段であり、底辺にあるものはファシリテーターの熱量です。

しかし熱量だけに頼ってしまうと、伝え方によってはリスクがあります。

なぜならば熱量を込めて自分の思いを伝えると、そのメッセージが「あるべき論」として伝わり、力関係によっては、周りの参加者が「否定されている」という受け止め方になってしまうことがあります。

その結果、不真面目さはなくなるかもしれませんが、受け身の姿勢になってしまい、参加メンバーが持っているアイディアが、その場に出なくなってしまうというリスクがやってきます。

それはもったいないですよね。

だからスキルの高いファシリテーターは、参加メンバーを否定しないのです。

真面(マジ)より笑顔 

ファシリテーターとして大切なことは、自分自身の熱量を発信することではなく、参加メンバーの熱量を引き出すことです。

その時に大切なキーワードは「流れに乗って流れを変える」です。

熱量を持って力ずくで流れを変えるというイメージではなく、参加メンバーが抵抗を感じることがないような流れの中で、ふと振り返ってみたら、流れが変わっているというようなイメージです。

だから、ファシリテーターとして大切なことは、まず流れに乗ることであり、その次に流れを変えるというステップがあると認識することです。

 

そんな事例を1つご紹介します。

このミーティングの参加メンバーは20名でしたが、当然のように参加メンバー間には温度差がありました。

そこに居合わせたファシリテーターは、その温度差を俯瞰していましたが、温度の低い参加メンバーの温度をどうやって上げるかを考えていました。

そこで彼は、次のような進め方をしました。

①「参加メンバーの考えを共有することが大切だ」という現状認識を伝え、参加メンバーから合意をもらいました。

参加メンバーも「そうだそうだ」と共感する内容であり、この行為がまさに「流れに乗った」というやり方です。

 

②次に1チーム4名のグループに分けて進行しました。

より意見が出やすい雰囲気づくりを行いました。

 

③そして10分間グループごとに話し合ってもらい、その後にグループの代表者に発表してもらいますと伝えました。

発表者は後ほどこちらで決めさせていただくので、まずはしっかり話し合ってください。

自分が発表者になるかもしれないという不安もあり、当事者意識はじわじわと上がっていく感じです。

まさに「流れが変わった」という感じです。

 

④話し合いが5分経過した時に「今から発表者を決めます」と伝えて、さらにその決め方は「じゃんけんをして勝った人です」と伝えました。

そうすると、各グループでは今までで一番ガヤガヤとし始めました。

多くの人の本音は「発表者になりたくない」というものでした。

いつもは「勝とう」と思って行うじゃんけんですが、それを「負けよう」と思ってやると意外に難しいものなのです。

やったことがない人は、ぜひやってみてください。

 

⑤発表者を決めて、残り5分間の話し合いが終わった後に、発表者の方に前に出てきてもらいました。

発表者は少し緊張し、聞く人はリラックスという状況です。

そして、ここでファシリテーターがユーモアを交えて、次のように言いました。

 

⑥時間の都合上、全員に発表していただく時間がなくなってしまったため、今からドラフト会議を行います。

発表者には、今から箱に入っている紙を1枚取っていただきます。

そして「当選マークが書いてある紙を選んだ人は笑顔で手を挙げてください」と言い、実施しました。

会場全体が笑顔に包まれましたが、最も笑顔だったのは、当選のマークが書いていない紙を引いた人であることはご想像できるかと思います。

そしてこの時のミーティングの雰囲気は想像ができると思いますが、全体の温度が高まり、温度差は縮まり、多くの人が笑顔になっていました。

発表する人は開き直るって苦笑いになり、それ以外の人は発表者を迎え入れるような、まさに聞く耳が開いている状況になりました。

 

スキルの高いファシリテーターは、ユーモアという武器を上手に使える人です。

ミーティングに参加するメンバー1人1人が真面目であることは大切ですが、ファシリテーターとしては、流れに乗って流れを変えることを意識しながら、参加メンバーの笑顔を引き出すことが大切なのです。

「流れに乗って流れを変える」については、ぜひこちら「ミーティングにおけるファシリテーターの存在価値」もご覧ください。