個人的な感情ですが、私は「聞く力」とか「傾聴力」という言葉にフォーカスすることがあまり好きではありません。
コミュニケーション能力において「大切ではない」という意味ではなく「好きではない」のです。
では、なぜ好きではないかというと「聞く力」や「傾聴力」という力は、単体ではあまり意味がないからです。
その理由は「聞く力」は3つでセットになり、よりその力を発揮するからです。
目次
- 「聞く力」では不足
- 不足を埋める力
- 「聞く力」は3つ
「聞く力」では不足
「聞く力」が、単体では意味がない理由は、相手が話しかけてくれないと「聞く力」を発揮できないからです。
考えてみればイメージできると思いますが、例えば次のようなことです。
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Aさんという人が凄く「聞く力」があったとします。
しかし話し相手であるBさんが、一言も話してくれなかったらどうなるでしょうか?
もしくは「はい」とか「いいえ」のような返事しかしてくれなかったとしたらどうなるでしょうか?
そうするとAさんがいくら「聞く力」があったとしても、Bさんがもっと話してくれないとその力は発揮できないということです。
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つまり、一般的にいう「聞く力」とか「傾聴力」は、相手が話してきたことに対しての受け方の話で、その一例として、相槌、うなずき、ミラーリング、オウム返しといったキーワードが出てくるかと思います。
もちろんこういった「聞く力」とか「傾聴力」という知識や技術はコミュニケーション能力を高めるためには大切ですが、ここに出てきたキーワードは、相手が話しかけてくれないと発揮できないのです。
だから「聞く力」だけでは不足しているのです。
不足を埋める力
では、その不足している部分は何で補えば良いのでしょうか?
それは「聞く力」です。
「えっ、どういうこと?」って思いますよね。
日本語として、この答えが完全に間違っているというわけではないのですが、このように「聞く力」の定義が曖昧だと感じることがよくあります。
だからここでは、次のように定義をさせていただきます。
- 「訊く力」:問いかける力(Ask)
- 「聞く力」:聞き入れる力(Hear)
英語は得意ではありませんが、英語で表すと少し分かりやすくないですか?
Askとは「問いかける」ということであり、言い換えると「訊く力」となるのです。
そして「訊く力」とは、問いかけるだけでなく、相手に話をさせる力であり、コミュニケーション能力を高めるためには、とても大切な技術になります。
この大切な「訊く力」に触れることなく「聞く力」とか「傾聴力」という言葉にフォーカスすることが、私はどうしても好きになれないのです。
ご理解いただけますでしょうか?
だから「聞く力(Hear)」の前には「訊く力(Ask)」というステップがあるという理解が大切なのです。
「聞く力」は3つ
「聞く力(Hear)」の前には「訊く力(Ask)」というステップがあると先ほどご紹介しましたが、それ以外のステップはないのでしょうか?
実はもう1つのステップがあります。
それは「聴く力」です。
「聞く力」といっても3つの「きく力」があり、私は次のように定義しています。
- 「訊く力」(Ask):相手に問いかけて相手に話してもらう力
- 「聞く力」(Hear):相手が心地よく話すことをキャッチする力
- 「聴く力」(Listen):相手が思っていることを表に引き出す力
この3つをセットで意識すると、コミュニケーション能力が断然変わってきます。
ちなみに・・・
- 「訊く力」(Ask)があると、会話が生まれます。
- 「聞く力」(Hear)があると、会話が弾みます。
- 「聴く力」(Listen)があると、人間関係が構築できます。
このような「3つの力」を常に頭の中でイメージできると、コミュニケーション能力が向上するだけでなく、仕事においても大きな成果に繋がっていきます。
なぜならば、多くの仕事は人と関わることで成り立っているからです。
関わる人の数に業種による差はあるかと思いますが、全く人と関わることがないという仕事はないでしょう。
1人で黙々と行うシステムのような仕事でも、打ち合わせなどで人と関わることがあるでしょう。
「聞く力」と「聴く力」が受動的な技術である一方で「訊く力」は能動的な技術なのです。
もちろん、話し相手が何の問いかけもなく、どんどん話してくれる場合もありますが、そうでない場合もあります。
しかしどんな時でも、会話が弾み相手が気持ちよく前向きに話してくれ、こちらからの情報も受け取ってくれるような時を共有するために、3つの「きく力」が大切になってくるのです。
結果的に、この3つの「きく力」が、コミュニケーション能力を高めるためには大切なのです。
そして何よりもコミュニケーション能力が向上すると、人生が楽しくなるのです。
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