先日、地域の経済連合会が主催する地元の留学生向けのイベントに参加してきました。
そのイベントの目的は、留学生に向けて地元でも優良企業があることを知ってもらい、さらに地方で働くことの意義や魅力を感じてもらい、優秀な人材が都会へ流出することを防ぎ、地域の活性化に繋げていくというものです。
このイベントに参加することで、優秀な留学生がたくさんいると感じると共に、そこで見たある企業のプレゼンがもったいないと感じたので、ここでシェアします。
シンプルなプレゼンのコツとは「相手と目線を合わせる」ということです。
では、このイベントで相手とは誰でしょうか?
今回は、地方で勉強している留学生です。
このイベントには、11か国の留学生が約70名参加していました。
では、その場にいる留学生の特徴はどのようなものでしょうか?
その1つには、日本語が完璧ではないという特徴があります。
だから、そのような相手だということを踏まえたプレゼンが重要になります。
それが、相手の立場に立った考え方であり、プレゼンのシンプルなコツです。
詳しくは、こちら「相手の立場に立って考える人と考えられない人」をご覧ください。
とある企業のプレゼンでは、この思考がなかったのでもったいないと感じたのです。
それを、3つの切り口でご紹介します。
①資料
きっとこの企業のプレゼン資料は、他の場面でも使用しているものだったと思います。
実際にその企業のホームページを見てみると、会社概要資料をダウンロードできるようになっており、翌日見てみると当日の資料とほぼ同じものでした。
それが、少し残念でした。
では、今回の相手の目線に合わせるとしたら、どうしたらよかったのでしょうか?
ポイントは、2つあります。
1つは、字数です。
字の量を減らすことによって「日本語を読む」という行為を減らすことができます。
さらに写真などを多くして、イメージしやすくするような工夫があったらよかったかもしれません。
もう1つは、言葉遣いです。
この企業のプレゼン資料は、明らかに日本人向けの資料でした。
だから、次のような日本語が書かれていました。
- 一斉教育
- 階層に応じた
- 含みを持った表現
このような言葉を、少し分かりやすくするだけで伝わり方も変わるのです。
②話し方
このプレゼンを聞く相手の日本語が完璧ではないということを前提に考えると、どのような話し方が良いのでしょうか?
これは、考えれば誰でも分かることです。
- 話すスピードは、早いよりも遅い方が良いでしょう。
- そして、声は小さいよりも大きい方が良いでしょう。
- また息つく間もなく話すよりも、途中で間があった方が良いでしょう。
このように適切ではない話し方を意識するだけで、伝わりやすいプレゼンになるでしょう。
③共感
相手の立場に立ってプレゼンを考えてみると、どんな状況が最悪でしょうか?
例えば、腹が立つ。
腹が立つと、多くの人の耳は塞がっていきますので、批判的なメッセージは気をつけなければいけません。
例えば、つまらないと感じる。
聞く人がつまらないと感じないために「話を聞いてみたい」と思えるようなプレゼンだと良いでしょう。
ではどうすれば「話を聞いてみたい」と思ってもらえるのでしょうか?
そこには「共感する」という場面があると効果的です。
では、今回の事例ではどうだったのでしょうか?
この企業のプレゼンでは、海外拠点があるということを紹介するスライドがありました。
しかしそのスライドには、拠点がある場所をプロットした世界地図が映し出されるだけで、細かい説明はありませんでした。
これは聞く人が留学生ということを踏まえると、とてももったいないことです。
もし、拠点のある国を国旗と共に紹介し、その国の素晴らしさを伝えたらどうでしょうか?
そして「この国の人はいますか?」と問いかけ、手を挙げてくれた人に「本当にあなたの国は素晴らしいですね。そして、ようこそ日本に来てくれました」と伝えたら、その人はその後の話を「つまらない」と思うことはないでしょう。
このようにプレゼンのコツとは、相手の立場に立って考えることであり、さらにちょっと工夫をするだけで、伝わり方が全く変わっていくのです。
「共感する伝え方」について興味のある人は、ぜひこちらもご覧ください。

