コミュニケーション能力を高めるにはたくさんの要素が必要です。経営コンサルタントとして学んだことや経験したことを中心に「コミュニケーション能力向上」に役立つ情報を(原則)毎週金曜日に配信しています。皆さまの未来に少しでも貢献できれば幸いです!

色々なスキル, コミュニケーションの仕組み化

正しく伝えることだけが「伝える力」ではない!!

突然ですが「伝える力」とは何でしょうか?

「はっ!?」と思う人も多いでしょう。

なぜならば「そんなことわざわざ言わなくても分かるでしょ〜」という声が聞こえてきそうだからです(笑)

では改めて「伝える力」を言葉にすると、どうでしょうか?

「伝える」という言葉について、念のため辞書を引いてみると、次のように書いてあります。

  • 言葉などで知らせる
  • 伝達する

「ほらみたことか〜」という声が聞こえてきそうです(笑)

しかしここで大切なことは「伝える力」とは「情報を正しく伝える力」ではなく「目的に沿って情報を届け、相手の感情や行動に好影響を与える力」であるということです。

目次         

  • 正しく伝えること
  • 伝える目的は?
  • 目的に沿ったストーリー

正しく伝えること   

ある会社の事例をご紹介します。

この会社では、会場にお客様をお招きして入札会を開催していました。

そしてその入札会では、札に手書きで価格を書くという方法で入札を行なっていました。

その後、その価格をその会社の社員さんが入力していたのですが、この業務がなかなか手間だったのです。

「じゃ〜直接お客様に入力してもらえればいいんじゃないの!?」という声が聞こえてきそうですが、それがなかなかそうはいきませんでした。

入力できるシステムはあったのですが、残念ながらお客様は使ってくれていなかったのです。

その課題に対して社員が素晴らしい改善活動を行ってくれたことに対して、その評価者が次のようなコメントをしました。

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現在運用している入札会で、素晴らしい改善活動があったのでご紹介します。

1つ目の素晴らしい活動は、システムをお客様の立場に立って変更したことです。

しかしそれをお客様に伝える時に、もう1つの工夫がありました。

その工夫が2つ目の素晴らしい活動なのですが、それはお客様への告知方法です。

ただ変更しますと言うだけではなく、1ヶ月後には代理入力を有料化にすることを伝え、その間に操作方法を教える相談ブースを設けたのです。

するとたった半月で、お客様全員が自分でシステムに入力するようになりました。

これにより年間600時間の削減になり、金額にすると年間1,200万円以上の成果となりました。

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伝える目的は?    

「伝える力」という観点では、先程の伝え方はどうだったのでしょうか?

本当に伝えたいことは、2つありました。

①2つの素晴らしい改善活動

②年間1,200万円の成果

正しく伝えるという意味では、合格点ではないでしょうか?

ちなみにこの時の「伝える目的」は何だったのでしょうか?

大体この問いを投げかけると「???」という顔になる人がほとんどです。

つまりほとんどの人は、伝えたいことを正しく伝えることを目的としているのです。

しかし、もし「伝える力」をもっと身に付けたいと思っているとしたら、伝える目的を考えることが大切です。

その時に2つのポイントがあります。

①他人の感情を表現する

自分の感情を表現することも大切ですが、他人(多くの場合はお客様)の感情を表現することで「伝える力」がアップします。

②メッセージを込める

メッセージが明確だと、結果的に「伝える力」がアップします。

そのためにも、どんなメッセージを伝えたいのかを明確にすることが大切です。

目的に沿ったストーリー

それでは先程の2つのポイントを踏まえて、冒頭の文章に少し手を加えてみます。

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この改善活動は当社に年間1,200万円の効果をもたらすものですので、ぜひしっかりと聞いてください。

(まずここで相手の耳をしっかりと開きます)

実は既にシステムはあったのですが、お客様が誰も使っていない現状がありました。

それはなぜだと思いますか?

(ここで問いを投げかけることで、相手の思考力を呼び起こします)

その理由は、お客様が使いにくいと感じていたからです。

そのお客様の不満に向き合うからこそ、お客様は喜んでくれているのです。

常に、相手の立場に立って考えることが大切なのです。

詳しくは、こちら「相手の立場に立って考える人と考えられない人」をご覧ください。

人間は一度楽を覚えると、なかなか習慣を変えにくいものであり、お客様は面倒臭いことは、やりたくないのです。

そんな中、果たしてお客様は自分で入力してくれるようになったのでしょうか?

なんと、お客様は手のひらを返したように、大喜びで率先して入力してくれたのです。

なぜならば手書きよりもはるかに楽で、さらに入力作業が楽しいと言ってくれたのです。

このように大切なことは、自社の利益を確保することだけでなく、お客様の喜びを創造することです。

最大の自己満足とは「相手に喜ばれる」ことなのです。

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このように考えると「伝える力」とは「情報を正しく伝える」ことだけではないのです。

「伝える力」とは「情報を正しく伝える力」ではなく「目的に沿って情報を届け、相手の感情や行動に好影響を与える力」なのです。