人に「ものが言える」経営幹部になるためには!?

コミュニケーションスキル

「人にものが言える」ということは、ビジネスにおいてとても大切なことです。

特に経営幹部として「人にものが言える」ということは、組織においてとても重要です。

何かを感じるという感性や、それを導き出す気づき力が大前提に大切ですが、それを内にとめてしまうと、組織への影響力は少ないものになってしまいます。

だから、自ら発信するというアウトプットが大切なのです。

トップである社長のアウトプットは、組織の方向性や、当たり前の基準を設定していく重要なメッセージになります。

それをサポートするのが経営幹部のアウトプットになるので、経営幹部は社長のメッセージを正しく理解することが重要になります。

では経営幹部は、社長に対して100%忠実に従えば良いのでしょうか?

結論から言うと、答えはNOです。

たとえ相手が社長であろうと「言うべきことを言う」ことが大切になりますが、これは簡単ではありません。

考えてみれば、誰でも分かりますよね。

だから経営幹部には、コミュニケーション能力が求められるのです。

つまり言い方が、大切なのです。

目次           

  • オリエンテーション
  • 言うべきことを言えるか?
  • 目的から逆算

オリエンテーション    

1泊2日の研修会があり、冒頭30分にオリエンテーションがあり、そこには15分間社長が挨拶をする時間がありました。

その15分で、社長は次のようなことをしたいと考えていました。

  • 会社のことを伝えたい
  • 今考えていることを伝えたい
  • これから目指していることを伝えたい

そしてそれを分かりやすく伝えるために、ある社員に資料作成の指示をしていました。

従順なその社員は社長の指示に忠実に従い、資料を作成していました。

しかし、社長から「あれもこれも伝えたい」ということが増えてきて、その社員はどういう資料を作成したら良いかが分からない状況に陥ってしまいました。

そこで1人の上司に相談したのですが、あなただったらどうしますか?

言うべきことを言えるか?

その上司の第一声は「社長はいつも話したい気持ちが抑えられないから困っちゃうな」というものでした。

つまり、その上司の心配事は、社長の話が15分の時間でおさまるかどうかということでした。

では、そうならないためにどうしたらいいのでしょうか?

直接、社長に言うことはできるでしょうか?

この時のこの上司は「そんなことはできない」という答えでした。

このような経験は、誰にでもあるのではないでしょうか?

あなたが経営幹部のポジションかどうかは分かりませんが、このような場合はどうしたら良いのでしょうか?

結論からいうと、社長に何かを伝えないとこの問題はクリアできません。

だから経営幹部には、コミュニケーション能力が必要なのです。

さらに、ここでは、コミュニケーション能力と共に「目的から逆算する」という思考が大切になります。

目的から逆算       

社長の「話したい」という時間は、オリエンテーションの中に含まれています。

では、そのオリエンテーションにはどのような目的があるのでしょうか

この目的を考えることがとても重要であり、その1つの事例として次のことを参考にしてください。

この研修の目的は、次の2つです。

  1. この会社が提供しているサービスの魅力を届けること
  2. そしてそのサービスを利用してもらうこと

では、その研修の目的を踏まえた中で、オリエンテーションの目的とは何でしょうか?

あなただったら、どのように考えますか?

ここでは、次の3つの目的を共有しました。

①場づくり

②サービスの素晴らしさを伝えること

③研修講師のティーアップ

その上で「社長に担っていただきたいことが、②のさわりの部分と③です」と伝えると、社長はすぐに理解してくれ、話す内容の打ち合わせに入ることができました。

特に③の意識を持ってもらうことで、何もかも話すという選択肢はなくなりました。

もし何もかも話してしまうと、その後に講師の話を聞いた受講者が「それはさっき社長から聞いた話だよね」となってしまいます。

しかし、社長が②のさわりを説明し「詳しいことは、この実績をつくってくれた立役者である、今回の講師役の〇〇から後ほど説明してもらうので、何でも聞いてください」と話したらどうでしょうか?

オリエンテーション後の研修が、モチベーションの高い場となり、研修後のサービス利用に繋がるイメージができるのではないでしょうか。

社長が嬉しいと思うことが、最初は「話したい欲求の実現」でしたが、この打ち合わせの後は「自社の利益向上に繋がること」となり、研修の目的を共有することができました。

「言うべきことを言う」ことは大切ですが、何も全て真正面から言う必要はないのです。

経営幹部として、目的から逆算して思考し相手に伝えることで、たとえ相手が社長であっても、相手を否定することなく「言うべきことを言う」ことができるようになるのです。

「伝える力」については、こちらをご覧ください。


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