どんなチームであろうと組織であろうと、そこには所属しているメンバーがいて、それぞれの役割があります。
サッカーであれば、11人全員がストライカーでゴールを目指しても、良いチームにはなりません。
攻めることを中心にする選手がいる中で、しっかりと守ってくる選手がいることで、初めてチームが成立するのです。
野球でもホームランバッターを9人揃えても良いチームはなりません。
様々な個性溢れる選手がいることで、相手を攻略する戦略がいくつも考えられるようになるわけですが、これは会社においても同じことが言えます。
会社には複数の部署があり、役職があります。
そのようなメンバーが、協力し合うからこそ、良い会社になっていくのですが、その中心にいるのは一般的には社長です。
だから、その社長の考えていることを理解することが、経営幹部において大切な要素なのです。
目次
- 経営幹部の絶対条件
- 幹部幹部の必要要素
経営幹部の絶対条件
これからお伝えすることは、私の経営コンサルタントとしての経験を踏まえた見解なので、正解という受け止め方ではなく、参考意見として受け取っていただければ幸いです。
まず社長は、一番会社のことを考えている人です。
代表取締役という役職からも分かる通り、責任感が社長を突き動かしています。
この「社長とは一番会社のことを考えている人」ということを理解して行動することが、経営幹部としての絶対条件です。
そして社長の中には、創業社長という唯一無二の存在がいます。
10年以上続いている会社の創業社長には特別な特徴があります。
それは「お客様の立場に立つ」というぶれない視点です。
詳しくは、こちら「相手の立場に立って考える人と考えられない人」をご覧ください。
その価値観が他の人と大きく違うので、他の人にしてみれば「なんでこんなことでそんなに怒られないといけないの!?」と疑問に思うような場面がやってきます。
これは私のクライアント先だった会社での出来事ですが、分かりやすい事例なので、ご紹介します。
ある社員がカバンを持っているお客様を、応接室に迎え入れました。
そしてそのお客様がカバンを床に置いた時に、創業社長の奥様が「こちらを使ってください」とカバンを置くマットを差し出したのです。
そしてお客様が「ありがとうございます」と言ってそのマットを使い、その後商談が終わり帰った後にあることが起きました。
そのあることとは・・・創業社長がその社員に向かって、激怒したのです。
注意ではなく、激怒です。
なぜそこまで怒ったのでしょうか?
一言で言うならば、許せなかったからです。
なぜここまでの感情が起きるのかというと、創業社長はお客様のありがたみを肌で感じているからです。
創業社長は、お客様がいないゼロの状態からスタートしているので、初めてのお客様を覚えています。
初めての入金を覚えていますし、お客様からのクレームを肝に銘じて忘れていません。
何よりも「お客様がいなければ商売が成り立たない」ことを身もって知っているのです。
だから創業社長から学ぶことは、とてつもなくたくさんあるのです。
経営幹部としては、この「お客様がいなければ、商売が成り立たない」という視点を持つことも絶対要素の1つなのです。
経営幹部の必要要素
先ほどは経営幹部の絶対要素をお伝えしましたが、それ以外に必要な要素としては、何があるでしょうか?
これを1つに絞ることは簡単ではありませんが、どんな業種でも1ついえる経営幹部としての必要要素が、コミュニケーション能力です。
まずは、対外的な必要性です。
経営幹部は、時には会社としての判断を下すこともありますし、経営判断をする社長に対して、取引先からの情報を正しく報告する義務もあります。
この時にコミュニケーション能力が不足していると、商談をうまく進めることができませんし、必要な情報を収集することもできません。
だから経営幹部には、コミュニケーション能力が必要なのです。
交渉力に関しては、ぜひこちらもご覧ください。
あなたの・・・コミュニケーション能力の課題が分かる本3: ビジネスシーンで使える「相手に喜ばれる交渉術」の5ステップ
そして、次に社内的なことに目を向けると、そこにもコミュニケーション能力の必要性があります。
上司には社長がいる一方で、部下もいるのが経営幹部です。
その間にいる役割として、社長のメッセージを的確に部下に伝える役目があります。
そこには相手の立場に立った「伝える力」が必要になります。
この時に「あるべき論」を伝えるだけでは、経営幹部としては不十分になります。
「あるべき論」を言うだけで、部下がやる気に満ち溢れて動いてくれるなら、こんな簡単なことはありませんが、現実はそんなに甘くはありません。
逆に部下の悩みや相談事を吸い上げるような「きく力」も大切になります。
役職に関係なく、人には感情があります。
その感情を知り、マネージメントし、前向きなエネルギーに変えていければ、その組織は強くなり成果を上げられるようになっていきます。