些細な会話や大勢の前で話す講演であったとしても、どちらの場面でも「話し始め」という時があります。
その「話し始め」で大切なことは、何でしょうか?
それは、ズバリ不合格をもらわないことです。
だから、最初からテンションを高く持って人と接することは悪いことではありませんが、必ずそのリスクを考えて話し始める必要があります。
このように「話し始め」で不合格をもらわないということを前提として、話す目的を考えることが大切になります。
何事も「価値は目的によって決まる」ように「話し始め」においても目的の理解が大切になります。
目次
- 「話し始め」の目的
- 相手が「耳を開く」時
- 「話し始め」の鉄板トーク
「話し始め」の目的
では、何かを伝えようと話す時に「話し始めの目的」とは、何でしょうか?
それは「相手の耳を開くこと」です。
なぜならば、相手が「聞きたくない」と思っていたら、その後どんなに良い話をしても、どんなに素晴らしい話し方で伝えても、相手には響かないからです。
だから「話し始め」においては、相手が「聞きたくない」と耳を塞いでしまわないようにする工夫が必要になってきます。
そう考えると「話し始め」において「相手の耳を開くこと」が大切だということがお分かりいただけるかと思います。
では、そのためにはどうしたら良いのでしょうか?
絶対的に必要なことは「相手と目線を合わせること」です。
ここで不合格をもらわないようにする大切な要素がいくつかありますが、詳しくはこちら「伝える技術(言葉遣い編)」をご覧ください。
相手が「耳を開く」時
それでは、具体的に「相手の耳を開く」ためにはどうしたら良いのでしょうか?
これは相手によって正解が変わってくる部分もあるので、基本的なことだけご紹介します。
笑わせる
人は笑顔になると、話している相手に親近感を抱くようになりますし、人間関係が縮まっていくきっかけにもなります。
その状態で心を閉ざしたり「耳を塞ぐ」ようなことはないでしょう。
喜ばせる
人は誰でも喜ぶと自然と笑顔になっていきますし、その状態で心を閉ざしたり「耳を塞ぐ」ようなことはないでしょう。
考えさせる
例えば「今からクイズを出します。そしてその後で、答えをそれぞれ聞いていきますので、よく聞いてください」と言われたら、適当に聞く人はいないでしょう。
驚かせる
自然と耳が塞がってしまう時って、例えば眠くなってしまう時などがあると思いますが、そこで何かに驚く場面があると、一時的に耳が開くことになります。
不安にさせる
例えば「この話を聞かないと損しちゃうかも」とか「この話を聞かないとヤバいかも」なんて思うと、自然と耳は開いていきます。
ちなみに、簡単な実例を紹介します。
この会社では、来客予定を事前に共有しているのですが、総務部の社員が朝礼で「三重県からわざわざお越しいただく○○株式会社」と紹介していました。
しかし、その後その上司がこれではその会社の偉大さが伝わらないということで、全社掲示板に次のような紹介文を書いていました。
「今日お越しいただくのは、創業明治7年で150年の歴史を持つ会社です。遥々三重県からお越しいただくのですが、本日来られる○○さんは、創業以来初の同族以外の社長になります。ぜひ自分の目で現場を見たいということで来られますので、いつも通りの元気な挨拶でお迎えしましょう」
この紹介文があるだけで、迎え入れる気持ちが全く変わってきますよね。
ここでご紹介した手段は、一例ではありますが、自分で「相手の耳を開く」という引き出しを持っておくことが大切なのです。
紹介の仕方のコツについては、こちら「ネットワークビジネスに学ぶ紹介する時のコツ」もぜひご覧ください。
「話し始め」の鉄板トーク
先ほど「話し始め」において複数の引き出しをご紹介しましたが、誰でも使える引き出しがあります。
それが話し方の「話し始め」の鉄板となる「共感トーク」です。
例えば、誰かに何かを言われた時に「あ〜そうそう」とか「私もそう思ってました〜」とか「この前同じことがありました〜」なんて反応するようなことがあると、自分の耳が開くと思いませんか?
人は話を聞く時に、他人事だと思って聞いていると、耳が塞がっていく可能性が増していきますが、目の前の話を自分事として聞くようになると、耳はどんどん開いていくものなのです。
では「どうやったら、目の前の人が自分事として話を聞いてくれるようになるのか!?」ということを考えた上で、話し始めることがとても大切なのです。
改めてお伝えしますが話をする時の「話し始めの目的」は「相手の耳を開く」ことです。
「伝え方」に興味のある人は、ぜひこちらもご覧ください。
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