突然ですが・・・
従業員満足度を上げるために、「些細な社員の不満」を無視していませんか?
もし無視していたら、それはもの凄〜く「いけないこと」というよりも「もったいないこと」です。
また、そんな些細なことがきっかけで会社を辞めるなんていうことが平気であるのが、現代の売り手市場の時代です。
人事担当者は常にアンテナを張っていないといけないですね。
ここでは、そんな「些細な社員の不満」を大切にした結果、従業員満足度アップに繋がった事例をご紹介します。
目次
- Hくんの些細な不満
- 企画の誕生
- ブレイクスルーのきっかけ
- 社員の本音が爆発
Hくんの些細な不満
それは、忙しい3月のある日の夕方でした。
仕事を終えて食堂でくつろいでいるHくんが、うなだれながら椅子に座っていました。そこへ経営企画室のSさんがやってきてHくんに話しかけました。
「なんか落ち込んでるようだけど、何かあったの?」と聞くと・・・
Hくんは、「実は今日は英会話教室に行く日だったんです。それが残業でいけなくなっちゃったので・・・。仕方ないんですけど、少しテンション下がっていました(笑)」と言いました。
Sさんが、「それだったらうちの会社に英語を話せる人がいるから、会社で教えてもらえばいいじゃない?」と聞くと・・・
Hくんは、「入社2年目でそんなことを僕は言えませんよ〜」と言いました。
Sさんが、「それだったら今日の夕方6時から英会話教室が会社であるよっていったら喜んで参加するの?」と聞くと・・・
Hくんは、「それはもちろん参加しますよ〜。行く手間も省けるし最高じゃないですか?」と言いました。
このように「残業で英会話教室に行けなくなっちゃたんです」の「些細な社員の不満」が従業員満足度アップのきっかけでした。
企画の誕生
不満は、社員やお客様の心の声であり、大変価値のある言葉なのです。
そしてこの「些細な社員の不満」が、10年以上も続く企画のきっかけとなったのです。
それが「社内勉強会」という企画です。
簡単にここまでの「社内勉強会」のストーリーをご紹介します。
■1年目
英語だけでなく、社内で先生役を他にできる講座があったら、一緒に呼びかけてみようということで初年度は・・・
- 「英語」
- 「エクセル」
- 「パワーポイント」
- 「社内のシステム」
に関する勉強会が開催されました。
参加費はもちろん0円です。そして講師も自発的な参加ということもあり、講師料も0円でした。
なかなか好評の1年目でしたが、その後この「社内勉強会」の企画は予期せぬ方向へ向かうのです。
ブレイクスルーのきっかけ
■2年目
「1人1人が学ぶ姿勢を持ち、学ぶ楽しさを実感し、会社に学ぶ風土をつくりたい」という目的で、2年目以降も社内勉強会を企画するようにしました。
そして2年目は事前に勉強したいことを、全社員にヒアリングするアンケートを実施しました。
すると、またまた社員の些細なコメントがブレイクスルーのきっかけとなったのです。
それは・・・「ヨガ」(笑)
ヨガを勉強したいと書いてきたのです。
当然社内に先生役はいません。もしやるのであれば、外部から先生を呼ばなければいけません。
そして、それを就業時間内にやるのはちょっと難しい。そんなことを考えSさんは迷っていました。
しかし社員の些細な気持ちを大切にしたいと思い、次のような条件を設けました。
- 参加費は、1人500円。(ワンコイン)
- 参加予定者が、10人以上いれば開催とする。
- 外部講師は、5,000円以上の講師料を払うことを前提に探す。
- 開催時間は、仕事が終わってから18時以降とする。
社員の些細な気持ちに対して、何もせずに無視することと、何か実現に向けて行動を起こすことでは、組織の仕組みづくりにおいて、雲泥の差があります。
実際にヨガを勉強したいという人は、全社員(70人)の社員の中で何人いたのでしょうか?なんと11名!!
正直男性が8割の社員構成比の中、このアンケートはビックリでした。
参加理由は次のように色々でした。
- 純粋に勉強したい。
- 行く手間がかからないから、参加してみたい。
- 全然わからない分野なので、1回だけでも経験してみたい。
- 単純に面白そう。
- 他の人と一緒なら受けてみたい。などなど・・・。
そんなこんなで大盛況の「ヨガ教室」を開催しました。
当日は、普段全社員が集まる会議室が、ヨガ教室に様変わりして、来ていただいた外部講師の方とも新たなご縁ができました。
社員の本音が爆発
■3年目以降
2年目同様、事前のアンケートでヒアリングをすると、色々な意見が出るわ出るわ(笑)
学びたいものがこんなにたくさんあるんだとビックリです。
例えば・・・。
- エクササイズ
- ペン字
- カメラ
- 筆遊び
- 水引き
- コーヒーの淹れ方
- SNS
- 心理学
- 栄養学
- メンタルトレーニング
- カラーコーディネート
- IoT・・・
■現在(11年目)
現在は11年目を迎えたこの社内勉強会ですが、今では外部講師はもちろん、お子様連れの外部参加者もいらっしゃったり、さらに私はこういうことができるのでぜひ講師をさせて欲しいという方まで・・・。