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フェデラー選手と国枝選手の素敵なエピソード

この前のウィンブルドンテニスの男子決勝を見ましたか?

王者ジョコビッチ選手(セルビア)と20歳のアルカラス選手(スペイン)の対決でしたが、久しぶりにじっくり見たその試合はとても素晴らしいものでした。

(睡魔に負けて最後までは見られなかったんですけどね・・・)

 

結果的には新王者が誕生したのですが、にわかテニスファンの私は正直アルカラス選手をこの試合まで知りませんでした。

ただスポーツ観戦は基本的に好きで、昔から不思議とウィンブルドンテニスの決勝は何となく寝る前に見ていたのです。

(時間帯が見やすいっていうこともあると思いますが・・・)

今回も何気なく途中から見始めたら、これが面白い。

特に第3セットの第5ゲームは、1つのゲームで25分以上かかるという白熱の試合でした。

この第5ゲームを取ったアルカラス選手がそのまま第3セットをとり、セットカウント2-1となり、そのまま勝つと思って私はここで就寝。

(この時点で1時過ぎでした・・・)

しかし翌朝結果を見ると、第4セットは、ジョコビッチ選手が取り返して、フルセットの末、アルカラス選手が優勝したのです。そんな素晴らしいテニスを見て、ふと思い出したことがあるので共有いたします。

それはフェデラー選手と国枝選手の素敵なエピソードです。

目次       

  • フェデラー選手の言葉
  • 固定概念を変える

フェデラー選手の言葉 

私が思い出したフェデラー選手と国枝選手のエピソードは、次のようなものです。

それは、日本人記者から質問を受けたときに出たものです。

 

ちなみにフェデラー選手とは、スイス・バーゼル出身の元男子プロテニス選手で、ATPツアーでシングルスで103勝、さらにダブルスでも8勝しているスター選手です。

グランドスラムの優勝回数は、歴代3位の20勝で、史上6人目のキャリア・グランドスラムも達成している選手です。

さらに、ウィンブルドンでは最多8回の優勝があり、2003年からは5連覇を達成し「芝の王者」としての呼び声も高い選手で、2022年に現役を引退しました。

 

話を元に戻すと、2007年に日本人記者がフェデラー選手に投げかけた質問は次のようなものです。

「なぜ日本のテニス界から世界的な選手が出てこないのか?」

 

確かにこの頃の日本男子テニス界には、世界的な選手がいない状況でした。

のちに世界ランキング4位まで上り詰める錦織選手も、ちょうどこの年にプロに転向したばかりでした。

 

周りにいた日本人記者も特にこの質問に対して疑問を抱くこともない中、フェデラー選手は次のように答えたのです。

「何を言ってるんだ君は!?日本には国枝がいるじゃないか!!」

 

ちなみに国枝選手とは、日本の元プロ車いすテニス選手で、グランドスラム車いす部門では、男子世界歴代最多となる計50回(シングルス28回、ダブルス22回)の優勝記録保持者です。

さらにパラリンピックでは、2004年のアテネ大会から2020年の東京大会まで連続で出場し、金メダルをシングルスで3個、ダブルスで1個獲得しています。

ちなみに、2023年1月22日に、世界ランキング1位のまま現役引退を表明し、同年3月3日、日本国政府は国枝選手に対して国民栄誉賞を授与することを閣議決定しました。

このフェデラー選手の答えを聞いて、私は感動しました。

一流プレイヤーであるフェデラー選手が、日本人の車いすテニスプレイヤーの名前を挙げてくれたのです。

ちなみに国枝選手が引退する時には「フェデラー選手がいたからこんなにもテニスが好きになった。一緒にプレーできたのは一生の宝物です」と、フェデラー選手に感謝のメッセージを送ったのです。

固定概念を変える   

では、私はなぜ感動したのでしょうか?

感動したことを言葉に表すのは難しいですが、敢えていうなら次のようなことです。

①愛国心をくすぐられたから

つまり、日本人記者がスイス人の一流選手に質問した時に、スイス人の一流選手であるフェデラー選手か、日本人記者が線引きをしていた外側にいた国枝選手の名前を挙げてくれたことが、とても誇らしかったですし、嬉しかったのです。

日本人記者が考える「テニス」という枠に国枝選手はいなかったのですが、フェデラー選手にとっては、尊敬に値する選手だったのです。

こういう感情を抱く時に、日本人を誇らしいと思いますし、自分は日本人であると実感します。

これはサッカーのワールドカップやオリンピックなどを見て応援している時にも感じられることです。

②優しい気持ちを感じたから

日本人記者が「なんで日本人はダメなのか?」と聞いている中で、フェデラー選手の答えを聞くと・・・

何を言っているんだ!素晴らしい日本人がいるじゃないか。ダメなんかじゃなく、素晴らしい日本人から学ぶことを考えてもいいんじゃないですか?」とアドバイスをしてくれているように感じました。

これはフェデラー選手が人格者であり、優しい心を持った人だからかもしれませんが、きっと国籍問わず、この答えを聞いた時に、誰もが温かく優しい気持ちになるのではないでしょうか。

このように、スポーツから学ぶことはたくさんありますが、それを掘り下げていくと、スポーツ以外の世界でも役立つことがたくさんあります。

そんな学びは、いつでも手の届くところに転がっているものであり、それに気づけるかどうかで成長スピードが変わってくるのだと思います。

フェデラー選手と国枝選手の素敵なエピソードに感謝です!

ちなみに、野球の野茂英雄投手の素敵なエピソードに興味のある方は、こちらをご覧ください。