あなたは、適応障害という病名を聞いたことがありますか?
その病名を調べてみると、次のように書かれています。
適応障害は、職場や家庭などの環境変化や特定のストレス要因により、心身に抑うつ気分、不安、不眠、イライラなどの症状が現れ、日常生活に支障をきたす疾患です。
ストレス原因から離れると症状は改善しやすいですが、放置するとうつ病へ移行するリスクもあるため、早期の休養と環境調整が重要です。
3週間ほど前「適応障害と診断されました」と部下から連絡が来ました。
その時に、医者からは1か月ぐらい休んだ方が良いと勧められたとのことでした。
ちなみに、社会保険労務士さんに相談をすると、医者は休んだほうがいいと勧めるだけであって、休まなければいけないというわけではない。
結局は「本人と話し合っていくことで、解決策を見つけることしかありません」と教えてくれました。
その診断がされてから丸3日が過ぎ、リモートで話せるようになった時に、本人と情報交換をすると、本人は仕事を続けていきたいと話してくれました。
まずは、いつものように話せる状態になったことが何よりも喜びでしたし、何とかこの状況を乗り越えていこうという気持ちでした。
とはいえ、何か自分(私)にも原因があるかもしれないと思いながら、適応障害と診断された部下とのあいだで、学びになったことをシェアします。
適応障害と診断されたYくんは、一言でいうと真面目な社員です。
ずるいことも悪いことをしない、素晴らしい性格である一方で、自分の言いたいことを上手に伝えられないという弱点もあります。
そんな中で、彼は通常業務以外で、とあるプロジェクトに参加していましたが、その中で、チャレンジングな課題を提示され、それに取り組む中で精神的なバランスを崩してしまいました。
「体調が悪いので休ませて欲しいです」と連絡があり、2日休んでいる間に、複数のグループチャットから自ら退出するという動きがありました。
おかしいなと思い、病院に行くことを勧めると、冒頭でご紹介したように、適応障害と診断されたのです。
それから3日が経ってリモートで話した時に、彼は仕事を続けていきたいと言ってくれましたが、精神的なコンディションが整っていないので、まずはストレスになっているところをケアしてから少しずつ回復を目指そうと提案しました。
そこで「ストレスの原因となっているそのプロジェクトを1回お休みしてはどうか?」と提案すると「以前このプロジェクトをやめるようなことがあったら、会社もやめなさい」と言われていて「自分からこのプロジェクトをやめるとは言えません」とのことです。
事実関係は分かりませんが、彼が精神的なバランスを崩してしまった原因は分かったので「こちらから社長には話をしておくから、安心しろ。当たり前だけど、会社を辞めるような必要もないし、社長にOKをもらうから一度プロジェクトを休もう」と話すと、彼は「ありがとうございます」と返事をしてくれました。
そして、そのことを社長に報告に行くと、次のような返事をくれました。
「プロジェクトを休むことは問題ないですが、彼の捉え方はおかしい。自分はプロジェクトを辞めたら会社も辞めろなんて言ってないよ」とのことでした。
そして「確かに彼は捉え方を間違ってしまうこともあるので、私から伝えておきます」と社長に伝え、そのことをYくんに伝えました。
すると、Yくんは「そういうことを言ってたんですか?自分が誤解して怒らせてしまったようでやばいですね。どうしたらいいでしょうか?」と返事が返ってきました。
なるほど、Yくんはこういう時に、このような捉え方をするんだということが理解できました。
そこでYくんに捉え方を一緒に考えようと提案し、次のようなことを話しました。
社長から言われて、確かにYくんの捉え方はおかしかったのかもしれない。
しかし、その過去は変わらないものということ。
さらに社長とYくんの間では、力関係があるということ。
だから、悪かったのはYくんということになってしまうかもしれない。
でも仮に、力関係が逆であれば「紛しい言い方をしないようにしてくれ」というコメントが出てくるかもしれない。
つまり、よく言われる「言った言わない」という話だということをまず共有しました。
だから、社長には「とりあえず、すみませんでしたと謝って、その上で自分にできることを考えれば良い」とYくんに伝えると、とても明るい笑顔を取り戻してくれました。
仮に何かを指摘されたら、自分の何がいけなかったのかと反省することは大切だし、必要なことですが、反省で終わってしまう人は、なかなか前向きになれません。
だから自分にできることに注力することが前向きな姿勢だし、そんな大切なことをYくんの適応障害という一連の出来事から再認識することができました。
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