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コミュニケーションスキル, 交渉力, コミュニケーションの仕組み化, 営業の仕組み化

提案する時のポイント 〜商品力だけでは足りない〜

「広告を出してみませんか?」

こうやって営業をされたら何て答えますか?

これだけでは、なかなか答えられませんよね。

何かを提案する時には、ポイントがあります。

商品の良さを伝えることも大切なのですが、その情報を相手が望んでいない場合もあります。

一生懸命商品の良さをアピールしても、相手が欲しい情報はその商品を「購入した後の○○○」なんていうギャップが発生することがよくあります。

目次         

  • はじめに
  • 商品力だけでは足りない
  • 提案のチカラ
  • さいごに

はじめに       

先ほどの「広告を出してみませんか?」を、どんな風に言い換えるとよいでしょうか?

例えば・・・、

  • 「30万円で広告を出しませんか?」
  • 「30万円でこのサイトに広告を出しませんか?」
  • 「30万円でこのサイトに1ヵ月間広告を出しませんか?」

このように言われたらどうでしょうか?

最初の「広告を出してみませんか?」よりは、はるかに答えやすくなっているかと思います。

しかしこれで「YES」または「NO」の返事が出来るかというと、これもまたちょっと難しいですね。

商品力だけでは足りない

ではさらに、どのような情報があったら良いのでしょうか?

例えば・・・、

「30万円の広告を出すと、50万円の儲けが見込めますが、いかがでしょうか?」

これだったらどうでしょうか?

まず最初に「本当に〜!?」っていう疑問が生まれますよね(笑)

こんなおいしい話あるかよ〜、ちょっと怪しくないか〜、そんな心の声が聞こえてきそうです。

しかし、もし本当だとしたら!?興味が湧きますよね!!

このように・・・

提案する時のポイントは、相手の興味をひくということです!!

そしてその「相手の興味」とは、商品(今回の事例でいえば広告内容)の魅力にだけ反応するわけではありません

なぜならばほとんどの場合、その魅力が100%伝わっていないからです。

だからこそ、営業や商談においては、商品の魅力(商品力)と共に提案の魅力(提案力)も必要になってくるのです。

つまり・・・営業においては、

商品力と提案力のどちらも必要なのです。

しかし、その比率が5:5である必要はありません。お互いに補い合って合計点が高くなるような営業を心がければいいのです。

言葉にすると当たり前のことですが・・・。

最後に事例を1つご紹介します。

提案のチカラ     

今回ご紹介する事例の商品は広告です。冒頭でもご説明したように、「広告を出してみませんか?」という内容です。

でもこの広告というものは、正直やってみないと分からない。過去に役員満場一致で出した広告が、1年間で反響がたったの1件なんていうこともありました。

だからこそ、その決断を促すために、提案が大切になってきます。

その提案は、「この広告を出したら、このくらいの儲けが見込めますよ~」という内容です。

提案する時のポイントは、相手がメリットをイメージできることです。

しかし、少し視点を変えると、こんな提案も可能という事例です。

———–

営業:「30万円で広告を出してみませんか?50万円の儲けが見込めると思いますが、約束はできません」

お客様:「えっ?わざわざ約束できませんって言われたら、やってみようって思わないですよ〜(笑)」

営業:「しかし、1つだけお約束できることがあります」

お客様:「えっ?何??」

営業:「それは、御社の商品を弊社の既存客に無料でご案内させていただくことです。ご案内できる法人様は約5,000社あります。そこでもし興味があるという場合はすぐにご紹介させていただきますが、いかがでしょうか?」

お客様:「それはもちろん嬉しいですよ。でも正直どれだけの反響があるものでしょうか?」

営業:「今までもこのようなケースは何回かありましたが、平均の反響率は約1%あります。例えば、さらに反響率を高めるために、特別なプランや価格をご用意していただくことは可能でしょうか?」

お客様:「へー結構反響率がいいんですね〜。では、50社くらいの反響があって、その半分が成約になったら25社ということですか?」

営業:「はい、そうです。成約率50%はお約束できませんが、平均単価が1万円だとしたら、25万円の売上ということになります。いかがでしょうか?」

お客様:「悪くないですね〜。それとは別に通常の広告も出してもらえるということですか?」

営業:「はい、おっしゃる通りです」

さいごに       

最初は、「広告を出してみませんか?」という「問い」だったのですが、いつしか「問い」の内容が変わっています。

そしてお客様は、後半の「問い」に対しての興味が増しています。

しかし、後半の問いに「YES」と返事をすると、必然的に最初の問いにも「YES」と返事をすることなります。

今回は広告掲載という話から、ビジネスマッチングの提案という流れでした。

あくまで事例ではありますが、今回のように同じ商品であっても、提案する内容や方法にひと工夫を入れることで、営業や商談の結果は劇的に変わっていきます

営業や商談において、いくら良い商品を扱っていても、それを説明で終わらせることなく、お客様の利益を創造できなければいけません。

新しい顧客に対して既存の顧客を紹介することは決して難しいことではありません。しかし双方の顧客のニーズを捉え、常にアンテナを張っていることがビジネスマッチングの成立条件になってきます。

そしてビジネスマッチングが成立したときには双方が喜ぶことになります。関わる人全員が喜べる提案なのです。

提案する時のポイントは「相手の興味をひくこと」と「相手がメリットをイメージできること」です。