先日久しぶりに部下のYくんを連れて営業に行ってきました。
Yくんは誠実で真面目な青年ですが、弱点があります。
その弱点とは、対応できる人の幅が狭いということです。
つまり、苦手な人が多いということです。
ちなみに苦手ではない人に対しては、これでもかとまめな対応ができるのですが・・・。
この光景を、人によっては「人には得意な相手もいれば、そうでない時もあるから、仕方がないよ」という人がいますが、課題が明確になれば問題なく克服できるという見方もできます。
そんなYくんとの同行営業が終わった後に、彼が次のように質問してきました。
その質問とは・・・
「普段はあまり話さない社長なのですか、今日はあんなに話してくれたのでビックリしました。ちなみに、何か意識して対応していたことはあるんですか?」という内容でした。
実は、ここに対応できる人の幅を広げるヒントがあったのです。
そして、そのヒントがまさに「ビジネスにおける初対面で大切なコツ」なのです。
その質問に対する答えが「ビジネスにおける初対面で大切なコツ」のヒントになるのですが、Yくんがどれだけそのことを重要と感じてくれたかは正直分かりませんが、その事例をご紹介します。
目次
- 初対面で最高点は必要ない
- 相手の目線に合わせる
- 初対面では積極的にきく
初対面で最高点はいらない
ビジネスにおける初対面の会話で大切なコツは、不合格をもらわないことです。
決して最高点は必要ありませんが、不合格をもらってしまうと、取り返すのが難しくなってしまいます。
具体的にどうすれば良いかというと、第一印象を整えるということです。
例えばどういうことかというと、次のようなことです。
- 髪の毛をそれなりに整える
- ヒゲを剃る
- 笑顔を作る
- 乱れた服装をしない
- 汚い靴を履かないこと
などです。
いわゆるビジネスマナーです。
これは相手が異性であればなおさらのことですが、同性の相手であってもとても大切なことです。
ここで決して最高点は必要ありませんが、不合格をもらわないことが大切です。
第一印象の具体例については、こちら「コミュニケーションにおける第一印象の重要性」をご覧ください。
相手の目線に合わせる
先程のビジネスマナーについては、Yくんもできていたのですが、彼の課題はこの後でした。
2つ目のビジネスにおける初対面の会話で大切なコツは「相手の目線に合わせる」ということです。
では何を合わせるかというと、ズバリ全てです。
「え〜もう少し具体的に教えてくださ〜い」という声が聞こえてきそうなので、少しだけ例を挙げてみます。
- 言葉遣い
- 声の大きさ
- 話すスピード
- 間の取り方
- 仕草
などです。
Yくんは、相手が誰であろうと常に礼儀正しいのです。
これは決して悪いことではありませんが、人によっては礼儀正し過ぎるというネガティブな印象に繋がってしまうこともあるのです。
もし相手が礼儀正し過ぎると感じてしまうと、不快に感じることはありませんが、心のハードルを下げることはなくなってしまうかもしれません。
つまり、心を開かないということです。
具体的にこの時の事例では、次のようなことがありました。
- 先方社長は、通常「当社」というところを「うち」と言うので、私も「うち」と言いました。
- 先方社長は、通常「先日」というところを「この前」と言うので、私も「この前」と言いました。
- 先方社長は、通常「私」というところを「俺」と言うので、私も「僕」と言いました。
この時に「当社」や「先日」や「私」という言い方は、決して不正解ではありませんが、時には「うち」や「この前」や「僕」の言い方の方が良いこともあるのです。
初対面では積極的に聞く
そして3つ目のビジネスにおける初対面の会話で大切なコツは「積極的に聞く」ということです。
Yくんは間違いなく聞いているのですが、そのリアクションが小さいので、話し相手にしてみると「ひょっとしたら聞いていないのかもしれない」と思われてしまうのです。
そして何より、Yくん以外の人に向けて話をしている時に、Yくんはリアクションがないのです。
これだと、相手は話していても気持ちが乗ってきません。
つまり、心を開かないということです。
「積極的に聞く」という行為は、相手の「積極的に話す」という行為を促してくれるのです。
このように、ビジネスにおける初対面の会話で大切な3つのコツである「第一印象」と「相手の目線に合わせること」と「積極的に聞く」ことを意識するだけで、相手の口はどんどん開いていくのです。
ちなみにビジネスにおける初対面で「聞く姿勢」が最も大切だという人がいますが、それは必ずしも正解とは限りません。
なぜならば「聞く姿勢」とは、相手が話してくれないとその力を発揮できないからです。
だから先程の3つのコツが大切かというと、実はそれだけでは足りません。
何が足りないかというと、それは「問いかける力」というもう1つのコツになります。
これは、会話の基本にも通じることです。
会話は「お互いに話すこと」で成立しますが、言い方を変えればどちらかが話さないと会話はスタートしません。
だから、相手に口を開いてもらうために「問いかける力」が大切になるのです。
「問いかける力」については、こちら「ビジネスにおける初対面で大切な問いかける目的とは」もぜひご覧ください。