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交渉力, 営業の仕組み化

クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンの使い分け 〜営業で問いかける時のコツ〜

選択肢がないと人は迷ってしまいますし「どうしたらいいんだろう?」と不安な気持ちになってしまいます。

時と場合によっては、それがパニックの原因になってしまうことがあるかもしれません。

だから選択肢を持つということはとても重要ですし、心の安定にも繋がっていくのです。

では逆に、選択肢がもの凄くたくさんあったらどうでしょうか?

その時には、たくさんの選択肢から1つを選ぶ決断力や判断力が求められます。

その力がないと、仮に選択肢がたくさんあっても不安になってしまうかもしれません。

そんな時には「自分の影響が及ぶ範囲に注力する」という視点が大切になってきますし、それが「前向きに考える」という私なりの定義です。

「前向き」というキーワードに興味のある方は、こちらもご覧ください。


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目次       

  • 名選手名監督にあらず
  • 選択肢はまず2つ
  • 使い方のセオリー

名選手名監督にあらず 

営業において「問いかける」ことはとても大切です。

その重要性を理解しておくことは、営業に携わる人としての絶対条件ともいえます。

そんな「問いかける」という行為においても、選択肢が大切になってきます。

その選択肢を自分なりに持っている人は、そうでない人と比べて迷うことは少なく、成果を上げられる人になる可能性が高いと言えるでしょう。

一方で、営業成績の良い営業マンから「そんな選択肢なんてあんまり考えたことがなく感覚でやっています」というコメントを聞くことがあります。

それは本音であり、素晴らしいことだと思います。

しかしその状態では、部下を持った時に、技術(スキル)を伝えることができません。

なぜならば、技術を言語化することができないからです。

スポーツの世界で「名選手名監督にあらず」という言葉がありますが、それに近いことかもしれません。

そんな「問いかける」という技術において、大切なことは目的の理解です。

これは何事にも通じることですが「何のために問いかけるのか?」という目的を考えて行動することが大切です。

選択肢はまず2つ   

営業において「問いかける」という行為が大切なのですが、その時にはどんな目的があるでしょうか?

例えば・・・

  • 良い人間関係を作りたい
  • 相手のニーズを知りたい
  • 相手の興味を探りたい
  • こちらの思いを伝えたい
  • 契約の意思を確認したい

 

このような複数の目的がある中で「問いかけ方」は大きく2通りです。

それがクローズドクエスチョンとオープンクエスチョンと言われるものです。

それを、簡単にご紹介します。

まず、クローズドクエスチョンです。

これは、YESもしくはNOで答えられるような、二者択一の「問いかけ方」になります。

この「問いかけ方」の特徴は、答えやすいということです。

だからこの「問いかけ方」を心がけて会話をすると、会話にリズムが生まれます。

しかしこの「問い方」が続くと、どうなるでしょうか?

想像してみてください。

いわゆる、質問攻めのような状態になってしまいますので、要注意です。

次に、オープンクエスチョンです。

これは、YESもしくはNOで答えられないような「問いかけ方」になります。

この「問いかけ方」の特徴は、話が広がっていくということです。

しかしこの「問いかけ方」が続くと、どうなるでしょうか?

想像してみてください。

関係性がない中で、いきなり「オープンクエスチョン」ばかりだと途中でいわゆる「し〜ん」という状況が訪れてしまいますので、要注意です。

使い方のセオリー   

この2つの問いかけ方においては、使い方のセオリーがあります。

それはクローズドクエスチョンからオープンクエスチョンへというセオリーです。

クローズドクエスチョンでは、相手が答えやすいという特徴がありますから、この特徴を利用して、会話のリズムを作っていきます。

そしてこの特徴を使い、相手がYESもしくはNOと答えることによって得られるメリットがもう1つあります。

それは相手が言葉を発することにより、心のガードを下げていくということです。

例えYESもしくはNOであっても、口から言葉を発することで、緊張が解け人間関係が縮まっていくのです。

クローズドクエスチョンを使い、相手の心のガードが下がっていき、そこに安心安全な場を感じることができると、人は感情を開示しても良いという気持ちになっていきます。

人には本来、承認欲求というものがあるので、自分の気持ちを分かって欲しいという欲求は誰にでも存在します。

そこで、オープンクエスチョンの出番がやってきます。

オープンクエスチョンには、自由に答えられるという特徴があります。

そうすると話が広がっていく可能性が高まり、相手の話す時間が増えていくようになります。

そうすると相手の情報を、より多く得られるようになっていくのです。

このことは、営業としてすごく嬉しいことですし、その後の会話や商談にも活かせる情報がたくさんあるのです。