「私は営業が苦手です」という人がよくいます。
そんな人に限って営業をやったことがないものです。
いわゆる「やらず嫌い」です。
そして「営業」という言葉に良いイメージを持っていないことが多いです。
今回のテーマは「営業におけるビジネスメール返信の基本」です。
メールの返信において、営業マインドが少しあるだけで結果が大きく変わってきます。
目次
- 営業のイメージ
- Yくんの事例
- Nさんの事例
- 5つの基本(メール返信編)
営業のイメージ
はじめに、営業とは「何かを売りつける」のではなく「相手に有益情報を届ける」行為です。
できる営業マンは「売りつける」などとは微塵も思っていません。
しかし営業経験のない人ほど「売りつける」というイメージを持っています。
それは1人の顧客として、出来の悪い営業マンから売りつけられた経験があるからでしょうか?
このイメージをどのように持つかで、営業成績が上がったり、モチベーションが変わったりしていきます。
営業とは「相手に有益情報を届ける」と定義すると、お客様にとても喜ばれる仕事なのです。
当たり前のことですが、相手が望んでいないのに、自分本位で情報を伝えていたら誰からも嫌われます。これは間違いありません(笑)
そんな事例を、ビジネスメール返信でご紹介します。
登場人物は2人、YくんとNさんです。
お客様からある要望をメールで受けての対応です。
業務的にYくんの意見を尊重しようと思いましたが、「どう対応する?」という問いを投げて、答えを確認したところ「これはダメだ」と思いNさんに対応してもらった経緯があります。
Yくんの事例
ではまず、Yくんが考えた対応は次のようなものでした。
お客様:このシステムに興味があるのですが、トライアルで使うことは可能ですか?
Yくん:はい可能です。では後ほどメールでそのサイトとログイン、パスワードをお送りします。
お客様:ありがとうございます。お待ちしております。
Yくん:また何かあれば遠慮なくお問合せください。
その後、Yくんが送ろうとしたメールのイメージは、要約すると次のような内容です。
システムのサイトはこちらのURLで、IDとパスワードはこちらです。
いかがでしょうか?
間違ってはいませんが「返事をした」だけです。
質問をされてその返事をしたので、決して間違ってはいません。
しかし「営業」という観点で見るとどうでしょうか?
先ほど、営業とは「相手に有益情報を届ける」と定義しました。
ではこの対応で、「有益情報度」は何%でしょうか?
0%ではないですが、100%でもないでしょう。
なぜならば、相手の要望に答えただけだからです。
Nさんの事例
では、実際に対応してくれたNさんは、どのようなメールを送ったのでしょうか?
お客様:このシステムに興味があるのですが、トライアルで使うことは可能ですか?
Nくん:興味を持っていただいてありがとうございます。2週間限定ですが、トライアルでご利用いただけます。
それでは、5分以内にトライアルサイトのURLとログイン、パスワードをお送りします。
そして最初は分からないことがあるかと思いますので、トライアルご利用時にお客様からよくいただくご質問とその回答をあわせてメールでお送りします。
他に何かご質問やご不明な点はありますか?
お客様:大丈夫です。ありがとうございます。
要約すると「相手に有益情報を届けました」
ちなみにこの対応後に、お客様は成約となりました。
このような事例はよくある光景です。
営業とは「何かを売りつける」のではなく「相手に有益情報を届ける」です。
今回のNさんの事例から、営業におけるビジネスメール返信のポイントをおさらいします。
5つの基本(メール返信編)
① 返事をする
質問をされているので、その答えを返すということです。
これがなければ話になりません。当たり前ですよね(笑)
② 共感する内容を記載する
相手が返事を見て読み進めたくなるような、首を縦についついふってしまうような内容です。
例えば・・・、
- スマホを落とした経験って誰でもありますよね!?
- 冬にどうしても布団から出られないことってありますよね!?
- 人間ってちょっとした些細なことで落ち込んだりしますよね!?
- 昭和が懐かしいって感じる時ってありますよね!?
- なんで日本語ってこんなに難しいのって思う時ってありますよね!?
③ 「問い」を投げかける
いつも言っていますがこれが重要です。同じ内容の文章であっても、「?」のマークが文中にあるかないかで、成果(反応)が変わってきます。
でも、これをやらない人が多いです。
例えば・・・
疑問文なし)お返事をいただければ幸いです。
疑問文あり)内容はいかがでしょうか?
これだけの違いです!!
④ 感情に訴えかける
人は感情で購入の判断をします。ではその後押しをする感情とはどのようなものでしょうか?
大きくは2つあります。
1つは欲望や願望であり、もう1つは恐怖や不安です。
⑤ 期限を設ける
「相手が決断をする」という行為の後押しをするために、期限を設けます。
決して急かすような必要はありません。
ただ、いついつまでにお返事をお待ちしておりますと言葉を入れるだけです。
上記の5つが難しかったとしても、簡単な習慣づくりとして、①と③を意識するだけでも最初は良いかと思います。
何事も課題が明確になると、前向きに取り組めるようになります。
つまり何をすれば良いかが分かり、それが自分にもできそうだとイメージできることが重要なのです。
そうすれば主体的にチャレンジができます。
主体的にチャレンジをすれば、経験値がアップし、それが自信に繋がっていきます。
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