コミュニケーションにおいて「笑顔で話を聞くことが大切だ」という人が多くいます。
なぜ、そのように言う人が多いのでしょうか?
様々な理由がある中で、その中の1つには普段から「笑顔で話を聞くこと」の意識が薄いということがあるかもしれません。
ここでは、笑顔で話を聞くことの危険性についてご紹介します。
いつでも、笑顔で話を聞いていれば良いというわけではないのです。
目次
- 聞くことの重要性
- 笑顔の誤解
聞くことの重要性
まず「聞く」ことが「話す人」に対して、どのような影響を及ぼすのでしょうか?
人の前で話した経験がある人は分かると思いますが、ものすごく影響があります。
その影響とは、良くも悪くもどちらの場合もあります。
仮に20人の前で話す時に、もし全員が寝ていたらどうでしょうか?
もっと大げさにいうと、全員が反抗的な態度で睨んできたとしたらどうでしょうか?
きっと誰もが、話しにくいと感じるでしょう。
では逆に、みんなが笑顔だったらどうでしょうか?
きっと誰もが、話しやすいと感じるのではないでしょうか。
でも、ちょっと考えてみてください。
本当にそうでしょうか?
笑顔の誤解
笑顔といっても、色々なものがあります。
例えば、次のようなものです。
- 満面の笑顔(まんめんのえがお):顔いっぱいの笑顔
- にっこり笑顔:優しく微笑む笑顔
- とびきりの笑顔:最高に素敵な笑顔
- はじける笑顔:元気いっぱいの笑顔
- こぼれる笑顔:自然とあふれ出る笑顔
- 微笑(ほほえみ):静かに笑うこと
- 作り笑顔(つくりえがお):本心ではない笑顔
一般的には笑顔で話を聞くことは大切だと言われていますが、その一方でリスクもありますので、1つの事例をご紹介します。
私が経営コンサルタントを主業としていた頃に、ある会社の外国人社員数名とコミュニケーションを図る時がありました。
その時に、先輩から言われた言葉があります。
それは「よっぽどでない限り笑って聞くような顔はするな」という言葉でした。
「誠実な姿勢で聞くことを心がけ、むやみに歯を見せるな」と言われたのです。
言われた直後は、意味が分かりませんでしたが、その理由を聞くと次のようなことでした。
「日本語があまり分からない外国人が話している時に、もし笑って聞いている人がいたら、外国人によっては馬鹿にされているとか、日本語が下手だから笑われていると思う人がいるかもしれない」というものでした。
そういうリスクがあるから「よっぽどでない限り笑って聞くような顔はするな」と言われたのです。
実際に私が人の前で話している時に、特にウケを狙っていない場面なのに過剰に笑っている人がいて、不快な気持ちになった経験があります。
やはり聞く時にも話す時同様、相手の立場に立って考え行動することが大切なのです。
「相手の立場に立つ」という意味については、こちら「相手の立場に立って考える人と考えられない人」をご覧ください。
あのサッカーのスーパースターであるクリスティアーノ・ロナウドさんも、少年が一生懸命にポルトガル語で話している時に、笑っている記者が多くいる中で「なぜ笑うんだい?彼のポルトガル語は上手だよ。すごく上手だよ」と誠実に聞いている場面がありました。
きっとこの少年は、あのスーパースターの誠実に聞く姿勢を一生忘れないでしょう。
そのスーパースターの動画は、ぜひこちらをご覧ください。