何かを伝えると時に、どのくらいの時間が適切でしょうか?
話を聞いていて「話が長いな〜」という時もあれば、それとは反対に「あっという間に終わっちゃった〜」という時もあるでしょう。
その違いとは何でしょうか?
一般的には「あっという間に終わっちゃった〜」という人のほうが、積極的な姿勢で聞いている時かもしれません。
今回は伝える力に関係する「適切な時間」をご紹介します。
目次
- 適切な時間とは
- 不適切な時間とは
- たった1つのポイント
適切な時間とは
ズバリ伝える力として「適切な時間」とはどのくらいでしょうか?
残念ながら、この質問だけで答えるのは難しいです(笑)
では、伝える力として「適切な時間」とは誰が決めるのでしょうか?
これは簡単に答えることができます。
それは間違いなく「話し手」ではなく「聞き手」が決めるものなのです。
なぜならば、伝える力の基本は「相手の目線に合わせること」だからです。
言葉遣いを相手の目線に合わせることなどは、とても分かりやすい例です。
詳しくはこちら「伝える技術の基本(言葉遣い編)」をご覧ください。
基本的には「時間」も同じです。
何かを伝える時に、相手が適切だと感じるような時間が、適切な時間なのです。
そして何かを伝える時に、この適切な時間を意識するだけで、伝える力が変わってくるのです。
不適切な時間とは
では逆に伝える力として、不適切な時間とはどのような時でしょうか?
この不適切な時間も、「話し手」ではなく「聞き手」が決めるものなのです。
この不適切な時間を、簡単にいうと「決められた時間を超過した」時の時間です。
一対一や少人数で話している場合では、相手が望む時間を大幅に超えて話をしてしまった時になりますし、講演などの一対多の場合では、あらかじめ決められた時間を超過してしまった時の時間になります。
一対多の場合でもう少し具体的にいうと、60分の講演時間をもらっていたにもかかわらず、70分話してしまうようなケースです。
人によっては「話が面白かったり盛り上がっていればいいんじゃない!?」という人もいますが、それはあくまで相手が決めることなのです。
一般的には予定を超えた時間は「あっという間に終わっちゃった〜」というよりは「長いな〜」と感じるほうが多いのです。
そうなると相手の聞く姿勢はどんどん崩れていき、何かを「伝える力」も薄れていくのです。
たった1つのポイント
そこで伝える力として、適切な時間をつくるための大切なポイントをご紹介します。
極めて当たり前ですので、ガッカリしないでください(笑)
それは・・・「与えられた時間を超過しない」ことです。
しかし「意味は分かりますが、いつも与えられた時間が決められているわけではありません」と思う人もいるでしょう。
その通りです!!
例えば「ちょっと相談をしていいですか?」と聞かれ、アドバイスを求められる時などは、そのアドバイスを伝えるために与えられる時間は決まっていませんよね。
そんな時は相手の立場に立って与えられた時間を想定し、その時間を超過しないことです。
相手が「このアドバイスは5分以内で話していただけますか?」などと言ってくることはほとんどないので、自分で相手の立場に立って考えるしかありません。
「相手の立場」については、こちら「相手の立場に立って考える人と考えられない人」をご覧ください。
もしも何かを伝える時に、毎回与えられた時間を超過していると、相手は相談をしなくなってきますので、気をつけましょう。
では最後に、講演の場合を考えてみましょう。
「講演後に質問を多くいただき、与えられた60分を超過して10分多く話してしまいました」
基本的に、これはNGです。
では、どうしても10分延長したいときには何か良い方法はないのでしょうか?
そんな時は、次のようなワンクッションを入れるだけでいいのです。
与えられた60分の中で、質問を受け付けます。
そしてその質問に答えるためには予定時間を超過してしまいますが、それでもいいかと了解を得てから10分多く話をします。
このやりとりがあることで、超過した10分は「相手が望んだ10分」になるのです。
根底に与えられた時間を守る姿勢を見せることで、伝わる力が弱くならないのです。
何かを伝える時には、相手にとっての適切な時間を意識することが大切なのです。
しかし上記のワンクッションを入れたとしても、いつも与えられた時間を超過して話している人は要注意です。
なぜならば、そんな人の話を聞く時には、聞き手が最初から「この人は予定時間を絶対オーバーするからな~長いからな〜」と感じて、途中から耳を塞いでしまうからです。
何かを伝える時に、相手が想定する時間を超過しないことで、伝える力がアップします。
毎日会うような人との間では、人間関係構築においても大切です。
毎日会うような人との間では、何かを相談する機会は1回限りということはほとんどないでしょう。
だから「また相談したい」という気持ちを持ってもらうことも、伝える力として必要なのです。
「伝える力」については、ぜひこちらもご覧ください。
あなたの・・・コミュニケーション能力の課題が分かる本2: 話が分かりやすい人になる 「伝える力」をグングン伸ばす5つのステップ