ビジネスにおける初対面では、問いかけることが大切になってきます。
これは口頭だけでなく、メールでも同じことが言えます。
この「問いかけ」があるだけで、成果が変わってきますが、この「問いかける」を「話しかける」ことと混同してしまっている人がいるので、簡単にご紹介します。
よくメールで「ご検討ください」というフレーズを見ますが、これが問いかけになっていない例です。
では問いかける場合には、どのように変えれば良いのでしょうか?
それはとても簡単で「ご検討ください」というフレーズを「いかがでしょうか?」に変えるだけでいいのです。
このように「?」を入れるだけで、メールにおいてはレスポンス(返信率)が変わってきます。
これは私の経験則で、とても実感していますので、今まで意識がそこまでなかった方はやってみてください。
目次
- トークの限界
- トークの代わり
- 2通りの使い方
トークの限界
ビジネスにおける初対面で「問いかける」ことが大切なのですが、過去に「いや〜自分は、この人には敵わないわ〜」と実感したことがあります。
それは経営コンサルタント時代に、初めて地方拠点の支社長を任された時の話です。
北陸の支社長を任された私ですが、その支社にいるメンバーは私以外に2人でした。
また、その2人のうちの1人は事務職をサポートしてくれるパートの人でした。
つまり、正社員が2人という状況でした。
そのような状況で、支社長としては、仕事も取って来なければならないですし、受注した仕事もこなしていかなければいけません。
お客様の立場に立って考えると、受注がスタートであり、その後が本番とも言えます。
当たり前ですが、受注とその後のどちらが大切ということはなく、どちらも大切なのです。
小規模拠点で働いたことがある人や、そこで○○長のような立場を経験したことがある人は共感してくれると思うのですが、自分のキャパシティーを超えるような経験ができると、人は確実に成長します。
しかし、キャパシティーを超えて耐えきれなくなってしまっては、自分自身が破綻してしまいます。
だからこそ、そんな時にサポートやアドバイスをしてくれる上司や先輩や仲間がいると、その存在を心からありがたく感じることができますし、ご縁は人生の宝なのです。
しかし、そんな体制で仕事をしていると、3名ではどうしても回らない時がやってきました。
そこで、私は本部に応援要請を出し、新規の営業に同行してもらうようにしました。
ここで同行してくれた人に対して、私は次のように思ったのです。
「この人には絶対に敵わない」
何が敵わないのかというと、ズバリ「トーク」です。
も~凄いのなんのって、相手の社長の心はつかむし、感化させてしまうし、何よりもその場でセミクロージングをして、口頭でオッケーをもらってしまったのです。
その時に提案していた経営コンサルタントのサービス単価は1,000万円以上するものでしたので、どれだけこのトークが凄いのかが分かっていただけるかと思います。
このようなことを経て「私はトークでは絶対に敵わない」と実感したのです。
「トーク」の代わり
仮に「トーク」で敵わなかったとしても、支社長として数字はつくらなければいけません。
そこで「トーク」を磨くか、それとも「トーク」の代わりに何かを考えるかの二者択一を考えました。
そして私は、即座に「トーク」の代わりとなる何かを考えました。
それが何かというと、ズバリ「資料」です。
どんな「資料」かというと、基本的にはA4用紙のペラ1枚です。
複数枚の資料を用意しておくこともありましたが、基本的にはペラ1枚です。
ありがたいことに、ビジネスの初対面においてトークで敵わない部分を、この資料が補ってくれるようになりました。
さらにその資料を使いながら色々創意工夫をしていくうちに、私の中では「トーク」を上回るような成果を感じるようになっていきました。
2通りの使い方
このように、絶対に敵わないと思った「トーク」でしたが「資料」を使うことで補うこともできましたし、私の中で1つの大きな武器ができました。
しかしここでも、資料をより効果的に活用するために、使い方の工夫があります。
大きく分けると「資料」の使い方は2通りあります。
1つ目の使い方は、事前に資料を準備して相手に見せながら話して、その上で提案をしていく方法です。
この使い方の利点は、きれいな資料を準備できるということです。
Excelでも良いし、PowerPointでも良いし、ビジネスにおける初対面である相手を事前に想像しながら、複数の資料を準備することができます。
例えば、このような資料です。
そして裏技ともいえるもう1つの使い方が、事前に資料は準備せずに、相手の目の前で真っ白な紙に書き出す方法です。
純粋にその場で感じたことや、頭の中で整理したことを書くこともありますし、事前に話の流れを想像し必要な資料を考え、初対面の前に練習をしておくこともあります。
この使い方は、相手との人間関係の距離を縮め、ビジネスにおける初対面においても信頼を勝ち取れる有効な方法だと感じています。
例えば、自分が思っていることを相手がその場でキャッチしてくれて、それを絵や図に表してくれ、それが納得する内容であったら、あなたをその目の前の人にどのような感情を抱きますか?
きっと、この人は自分のことを理解してくれていると感じ、時には一目置くような気持ちにもなるのではないでしょうか。
こんな時に、さらさらっと書けるようにするためには、普段から手書きで書く習慣づくりが必要です。
これはもう完全に「質より量」です。
例えば、このような資料です。
ひどいものもあるでしょ(笑)
でもさらさらって書く時は、こんな資料でもしっかりと伝えるサポートをしてくれるのです。
ここに提案を織り交ぜて「問い」を投げていくことができれば、ビジネスにおける初対面がその後の成果に繋がる可能性が一気に増していくのでおススメです!
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