ビジネスにおける初対面では、相手に「問いかける」ことが大切です。
自分から「話す」という意味ではなく、自分から相手に「問いかける」ことが大切なのです。
「話す」ことと「問いかける」ことでは、大きな違いがあります。
「話す」という行為は、一方的なコミュニケーションになりがちですが、「問いかける」という行為には、双方向の情報交換に繋がる可能性があります。
なぜならば「問いかける」ことには、相手の口を開かせたり、相手を笑わせたり、相手から問いかけてもらおうという目的があり、会話を促進する効果があるからです。
詳しくはこちら【ビジネスにおける初対面で大切な「問いかける」目的とは】をご覧ください。
では、どんな問いかけをしたら良いのでしょうか?
ビジネスにおける初対面において「相手が喜ぶ」ことを問いかけると、良い人間関係を築きやすい土壌をつくることができます。
目次
- 相手の好きに問いかける
- 相手の興味に問いかける
- 相手の不安に問いかける
相手の好きに問いかける
人間には、承認欲求というものがありますが、これは他者から尊敬されたい、認められたいと願う欲求です。
これは、人間の潜在欲求の1つですが、マズローさんが分かりやすく、人間の5段階欲求の1つとして紹介しています。
ちなみに5段階欲求とは・・・
①生理的欲求
②安全欲求
③社会的欲求
④承認欲求
⑤自己実現欲求 です。
詳しくはこちら「マズローの5段階欲求を踏まえた伝える力」をご覧ください。
では承認欲求があると、人間はどのような行動を起こすのでしょうか?
その分かりやすい例の1つが、子どもの「ママこれ見て〜」というものではないでしょうか。
しかし子どもだけでなく、大人でも同じような行為があります。
例えば、自分の好きな有名人を友だちに紹介して「凄いね〜」とか「素敵だね〜」などという言葉を期待するようなことがあると思います。
これってまさに「私の気持ちを分かってほし〜い」という承認欲求ですよね。
だから、ビジネスにおける初対面においても、相手が好きだと思っていることに問いかけて、相手に話す機会を与えることは、人間関係の構築においてとても大切なのです。
相手の興味に問いかける
ビジネスにおける初対面において、相手の「好き」に問いかけることは大切ですが、初対面では、相手の「好き」が分からないことがあります。
では、そんな時にはどうしたら良いのでしょうか?
そんな時には、相手の「興味」に問いかけることが大切です。
「いや〜そんなこと言っても初対面だと、相手の興味が何か分からないですよ〜」という人もいますが、そうとは限りません。
例えば初対面の相手が社長で、社長室に通していただいた時には、その部屋にゴルフバックがあったり、本棚があったり、写真が飾ってあったりしますが、そこに興味を持っていることを知るチャンスがあります。
では相手が社長ではなく一担当者であり、会議室に通された場合はどうでしょうか?
確かにそのような時には、目の前にいる人の興味が分かりにくいかもしれませんが、会社が大切にしていることや、取り組んでいることを知ることができます。
さらに言えば、その人と会う前に、その会社のホームページなどを見ることで、会社の興味を知ることができます。
仮に、相手の興味でなかったとしても、その人が勤めている会社の興味が、相手の興味と一致することもあるのです。
相手の不安に問いかける
「相手が喜ぶこと」というと、相手が「ポジティブに捉えていること」というイメージを持たれるかもしれませんが、仮に「ネガティブに捉えていること」でも「相手が喜ぶこと」に繋がることがあります。
それは、ズバリ不安です。
しかし、その時の問いかけ方として、相手の「不安を煽るような言い方」ではなく、相手の「不安を解消できるような言い方」が大切です。
人は、夢や希望がエネルギーになる時もありますが、逆に不安や恐怖が活力になることもあります。
つまり「これが欲しい」という願望ではなく「これを失いたくない」という欲求です。
例えば「この話を聞くと10万円を獲得できるチャンスがあります」というメッセージと「この話を聞かないと10万円を失う危険性があります」という問いかけでは、どちらが心に響きますか?
きっと半数以上の人が後者のメッセージに対して、より反応するのではないでしょうか?
「この本を読んだら新規顧客が100人獲得できます」というのもいいですが・・・「この本を読まなかったら既存客を100人失います」というほうが相手の心に刺さるかもしれません。
ビジネスにおける初対面においても、目の前の相手が抱えている不安や、その人が属している会社の課題を知る機会はたくさんあります。
そんな時にその不安を解消できるようなことに繋がる問いかけも、ビジネスにおける初対面では「相手が喜ぶこと」に繋がることもあるのです。
交渉に興味のある方は、こちら「相手に喜ばれる交渉術」もぜひご覧ください。