会社で人間関係を良くするために「飲みニケーション」なんていう言葉がありますが、今となっては死語かもしれませんね。
会社の人と飲みに行くくらいなら、プライベートを大切にしたいという考え方は決しておかしくはありませんが、会社の位置づけが低くなっているとすれば、それは少し寂しい気がします。
だって、人生において仕事が占める時間はとても多いですから。
また人によっては入社して間もないのに、自分のやりたいことをやるために、数年後には退職することを目標にしている人もいると聞きます。
そんな気持ちで入社するなら、入社せずに自分のやりたいことに最初からチャレンジしたほうがいいんじゃないって思ったりもします。
そんな背景もあるせいか、ビジネスにおいては昔と比べて雑談がしにくい時代かもしれませんが、いつの時代でも雑談は大切なのです。
そんなことを、ここではご紹介します。
目次
- 雑談の小さな成果
- 雑談のチカラ
- 雑談の成立条件
雑談の小さな成果
先日ある経営者(A社長)に、ある2人が電話をしました。
その経営者とは200名の社員を抱える社長で、当然忙しい方であり秘書もいるので、通常は直接連絡をとることはできないのですが、この事例に出てくる2人は直接携帯に電話ができる人でした。
ちなみにこの別会社の2人の役職は、社長(B社長)と部長(C部長)でした。
ビジネスにおいて役職というのは意味があり、営業マンであれば、その役職に応じて対応が変わる人もいます。
だからそんな役職は、相手が敬意を払う理由になるのです。
B社長とC部長は共に久しぶりの電話でしたが、B社長が電話した時は次のような感じでした。
B社長:お久しぶりです。今よろしいでしょうか?
A社長:はい、もちろん大丈夫です。
B社長:実は・・・。
相手に敬意を払った失礼のない対応です。
このような関係があることが、ビジネスにおいては大切なのです。
一方でC部長が電話した時は、次のような感じでした。
C部長:お久しぶりです。お元気ですか?
A社長:お久しぶりです。一応元気は元気なのですが、実はこの前ぎっくり腰をやっちゃって少し参っています(笑)
C部長:大丈夫ですか?
A社長:ありがとうございます。でもおかげさまで、やっと7割くらい回復してきた感じです。
C部長:それはよかったです。実は・・・。
この2人の違いは何でしょうか?
それは、普段から雑談をしているかしていないかなのです。
雑談のチカラ
先ほどは普段から雑談をしている小さな成果をご紹介しましたが、一方では「仕事には関係ないでしょう」というように感じる人もいるかもしれませんが、そんなことはないのです。
ちなみに、人と話すという行為にはステップがあります。
何も接点がないと、人と話すという行為は生まれませんので、最初のステップは「接点をつくる」ということになります。
ビジネスで言えば、アポ取りなどもそのような行為になります。
そしてその次のステップは「コミュニケーションを取る」さらに「本音を知る」と続きます。
ビジネスにおいては、どのステップも大切になりますが、3つ目の「本音を知る」というところで壁を感じている人が多いようです。
そんな時に、そのステップを上がるサポートをしてくれるのが雑談なのです。
雑談とは、会話を続けるということではなく、相手の心を開かせる大切な行為だと捉えると、見方が変わってくるかもしれません。
雑談の成立条件
ビジネスにおいて雑談は大切なのですが、誰とでもできるわけではありません。
こんな時に大切なことは、雑談の成立条件を知ることです。
つまり、雑談における課題を知ることなのです。
ここでは、基本となる2つのポイントをご紹介します。
①人の承認欲求を理解する
人は自分のことを誰かに分かってほしい、共感してほしいという承認欲求があります。
だから、人は誰かに話したいし、気持ちを伝えたいのです。
人は、こんな欲求を持っている生き物なのです。
子どもの「聞いて聞いて〜」や「見て見て〜」という姿を想像すれば納得ですよね。
詳しくは、こちら「マズローの5段階欲求を踏まえた伝える力」をご覧ください。
②安心安全な場を創る
自分のことを分かってほしいと思っていても、それを相手に伝えることで何かリスクがあるかもしれないと思うと、人は相手に話しません。
例えば「怒られる」や「損をする」や「嫌われる」などです。
これはビジネスに限らず、家族や友人関係でも同様のことです。
このような雑談の成立条件を理解してコミュニケーションをとると、相手の本音を知ることができますし、ビジネスにおいてより深い話ができるようになるのです。
ビジネスにおいては、表面上の言葉には真のニーズはなく、深い話ができることで本当に困っていることが見えてくるのです。
だって、信用できない人にペラペラと困っていることを話すって、なんか抵抗ありますよね!