上司と部下のコミュニケーションは、大切です。
「そんなこと言われなくても分かっとるわ〜」っていう、感じでしょうか?
上司の立場として部下のコミュニケーションを考える時には、そのコミュニケーションが成立していないことが原因で、部下が会社を辞めてしまう可能性があることを理解しておくことが大切です。
考えてみれば、当たり前のことです。
1日の時間は、誰に対しても24時間と平等に与えられています。
その中で、仕事に費やす時間が8時間だとすると、1日の3分の1は仕事で出会う人と接しているのです。
内勤の人であれば、1日の3分の1は、決まった人と時間を共にすることになるのです。
さらに睡眠や通勤にかかる時間が8時間あるとすると、実に1日の半分の時間は仕事に費やしているのです。
だから「仕事は仕事」と割り切って、我慢をして仕事をするのではなく、前向きに喜んで仕事ができるようになると人生が楽しくなることは、考えてみれば当たり前のことですね!!
目次
- 社内で出来ないことは
- すごい会社
社内で出来ないことは
私が経営コンサルタントとしての一歩を踏み出した時に、当時の先輩から言われた言葉があります。
それは「社内で出来ないことは社外でも出来ない」という言葉です。
これは「普段の行いが、お客様の前でも出るから、普段の行いを大切にしろ」という意味の言葉です。
これを最初に聞いた時に、ひねくれていた私は次のように思いました。
「社内ではそんなかたいことを言わないで、もっとリラックスさせてくださいよ〜」と。
しかし、今は「社内で出来ないことは社外でも出来ない」という言葉に、とても共感しています。
例えば「緊張する」という場面があったとします。
ここで、緊張しても良い成果をあげられる人には、良い準備をしているという共通点があります。
人前で行うプレゼンテーションであれば、何度も練習することで、成果に繋げられるだけでなく、本人の成長スピードも変わっていきます。
だから無理難題を突きつけられた時や、自分にはちょっと難しいなと感じるような出来事に遭遇した時は、成長のチャンスなのです。
しかし、そのような出来事に遭遇しなくても成長していく人もいます。
そのような人は、普段から努力をしている人です。
継続に勝るものはありませんし、まさに「継続は力なり」なのです。
だから普段の行いは、色々な場面で表に出てきますし「社内で出来ないことは社外でも出来ない」のです。
すごい会社
先ほどの「社内で出来ないことは社外でも出来ない」には、もう1つの意味があります。
それは、自分の軸を持つということです。
「何かあるから」とか「誰かに言われたから」という動機付けではなく、自分自身でモチベートする(セルフモチベート)ことが出来るようになるということです。
上司と部下のコミュニケーションにおいても「言われたからやる」だけでなく、そのコミュニケーションを通してお互いの人生に好影響を与えられると、仕事だけでなく、人生も楽しくなっていきますね。
そんなことを感じたエピソードを、ご紹介します。
それは、とある会社に訪問した時のことです。
その会社とは、とにかく「人が育つ」とか「人材教育が素晴らしい」と言われている会社です。
確かに社長の話を聞いても、共感することは多く、たくさん勉強になることがありました。
しかしひねくれた私ですので「そりゃ〜社長は良いことを言うよな〜。でもそれが浸透しているかどうかは分からないよね〜」などと思っていました。
するとありがたいことに、その後で新入社員の人に質問をする場面が訪れました。
これはチャンスだと思い、私は手を挙げて質問をさせていただきました。
ちなみにその時に答えてくれた人は、高卒で入社してまだ2ヶ月しか経っていない女性社員でした。
ちなみにこの時、私が投げかけた質問は、次のようなものでした。
「入社してから、最も嬉しかったことはなんですか?」
あなたが、このような質問されたらなんて答えますか?
もしくはこの女性社員は、どんな答えを返してきたと思いますか?
この時、この女性社員は次のように答え始めました。
「この前、友だちとファミレスに行ったんですけど〜・・・」
とても癒し系のおっとりとした社員さんでしたが、ひょっとしたら少し天然なところもあって、こっちの質問の意図が伝わっていないかな?なんて、この時は思ってしまいました(笑)
すると、彼女は次のように続けました。
「この前、友だちとファミレスに行ったんですけど、帰る時に店員さんが片付けやすいようにお皿を並べて帰れるようになったことが一番嬉しかったです」
これを聞いた瞬間は、まさに拍子抜けでした(笑)
しかし、その数秒後から少しずつ頭の中でコメントを整理していくうちに、私の中で衝撃と感動がこみ上げてきました。
入社してたった2ヶ月で、こんな答えが返ってくるって凄くないですか!?
素晴らしい感性を持った社員さんなのか、上司が素晴らしいのか、会社の風土がそうさせるのかは分かりません。
でも、この答えを聞いた時に受けた衝撃は今でも忘れません。
「社内で出来ないことは社外でも出来ない」という理解だけでなく、仕事と人生は連動するということを認識しました。
上司と部下のコミュニケーションが成立すると、その成果は仕事の枠を超える可能性があるということです。
そうなれば、仕事における目先の問題は些細な問題でしかなくなるのです。
しかし、上司と部下のコミュニケーションが欠如していると、些細な問題が大問題になってしまうのです。
コミュニケーション能力の基本については、ぜひこちらもご覧ください。