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コミュニケーションスキル, コミュニケーションの仕組み化

叱り方の必須条件 〜怒ると叱るの違い以上に大切なこと〜

怒ると叱るの違い

この2つの言葉の違いを説明しているサイトが多くありますが、確かにこの理解は重要です。

ちなみに・・・

怒るとは・・・

元々は「角が立つ」という言葉で表現されていた感情でした。

これは感情の角が立っている状態、つまり腹を立てている状態を示すものです。その後、感情が高まり、不満を爆発させる様子が「起こる」と表現するようになります。

一方で叱るとは・・・

目下の人の言動などがその場にそぐわなかった時や、あまりにも良くない行動をしている場合に、その事実を強くとがめることを意味します。

また、他人に迷惑をかけている場合などに、反省を促すために「叱る」場合もあります。

叱る側が感情を激しく動かしている状態ではないことが大切で、相手の行動を正すのが叱るという行為です。

叱っている側の言い分が常識的であり、一般的に正しいものであることも大切です。

このように「怒る」と「叱る」の違いを正しく理解することも大切ですが、それ以上に叱り方が重要です。

ここでは誰でも意識できる「叱り方のポイント」をご紹介します。

目次         

  • 叱られるMさん
  • 周囲に与える影響
  • 叱り方のコツ

叱られるMさん    

総務部で働くMさんは、事務の仕事をしていますが、よくミスをしてしまうのです。

そうはいっても、決して不真面目に仕事をしているわけではありません。

では、なぜミスをしてしまうのかというと、大きく2つのパターンがあります。

①忙しい時にミスをしてしまいます

忙しい時は誰でも不注意になってしまいますが、Mさんは特にこのような時に優先順位をつけて仕事ができなくなってしまうのです。

②目的を理解していない時にミスをしてしまいます

Mさんは、言われたことをやるという受け身のスタンスで仕事をしています。

幹部や管理職という立場であれば、このスタンスは改善する必要がありますが、Mさんのスタンスが決して悪いわけではありません。

しかし目的を理解していないと、せっかく真面目に業務をこなしても、求める成果に繋がらないこともあります。

そしてMさんに限らず、叱られた時には当然反省をします。

こんな時に屁理屈を言って、素直に叱られたことを受け入れられない人は、社会人失格であり、成長する人の必須条件(素直さ)を持っていないといえます。

これは一個人に視点を当てた課題認識ですが、組織やグループにおいてはどうでしょうか?

周囲に与える影響   

誰かが誰かを叱ることで、そこには静かな雰囲気が流れます。

想像すれば分かりますよね!?

だって誰かが叱られている時に、横でキャッキャキャッキャと、はしゃぐようなことは滅多にないかと思います。

さらに誰かが叱られていると、周りの人にも色々な感情が生まれます。

例えばこんな感じです。

  • 私も叱られないように大人しくしていよう
  • 私も叱られないように真面目に仕事をしよう
  • 叱られているあの人は可哀想だ

このように、誰かが誰かを叱ることで、その周りにいる人にも影響が及ぶのです。

そして多くの場合、少しシャキッとした静かな雰囲気になります。

これ自体は決して悪いことではありませんが、その後多くの人は自ら話そうとしなくなり、このようなことが続くと、大切なことが失われてしまうのです。

それは職場や会社にとても大切なユーモアです。

ちなみにユーモアとは「人の心を和ませるようなおかしみ。上品で、笑いを誘うしゃれ」だそうです!!

叱り方のコツ     

仕事をしていて、叱ったり叱られたりすることは当然あります。

しかしそのことによってユーモアが失われてしまうと、職場の雰囲気や組織力は低下してしまいます。

では仮に「叱る」という行為があったとしても、ユーモアが失われないためにはどのようにしたら良いのでしょうか?

その時に1つだけ意識することが、叱った後の叱られた人の一言です。

叱られた人が最後に言う言葉が「どうもすみませんでした」なのか「ありがとうございます」なのかによって、その場の雰囲気が変わっていきます。

では叱られた人が最後に「ありがとうございます」と言うようにするためには、どのような叱り方が良いのでしょうか?

完璧な正解は相手によって変わりますが、少なくとも次の3つのエッセンスを入れることで実現できます。

①課題を与える

自分には何が足りなくて、そのために何をすれば良いかを理解させることです。

ヒントを与える

良くなるためのきっかけを、与えてあげることです。

③エールを送る

いつでも君の味方だと伝えることです。

この3つを意識すると、たとえ叱ったとしても「ありがとうございます」という終わり方になります。

敢えてこのようなことを言わずに「考えさせる」ことを優先しているという人がたまにいますが、それはある一定のレベルを超えた人に通用することです。

このように相手のレベルを見誤ると、大変です。

そして先ほどご紹介した3つのエッセンスを入れた叱り方を意識するだけで、叱られた本人の表情も、職場の雰囲気も全く変わっていくのです。

コミュニケーション能力の基本については、こちら「あなたの・・・コミュニケーションの課題が変わる本シリーズ」をご覧ください。