コミュニケーション能力を高めるにはたくさんの要素が必要です。経営コンサルタントとして学んだこと・経験したこと・日々の業務で感じることなど「コミュニケーション能力」に関する情報を中心に配信しています。皆さまの未来に少しでも貢献できれば幸いです!

コミュニケーションスキル, コミュニケーションの仕組み化

高市早苗さんに学ぶコミュニケーション能力のポイント 〜間違った問いに正しく答えない重要性〜

今回は、高市早苗さんに学ぶコミュニケーション能力ということで、書かせていただきます。

このブログでは、こういう切り口ってあまりないですよね。

たまにはいいでしょ!?(笑)

自由民主党総裁選挙を前に、日本人として候補者に関心を持って色々と調べる中で高市早苗さんに関するYouTubeを見つけたのですが、そこでコミュニケーション能力として学べる内容がありましたので、シェアさせていただきます。

過去の動画なのですが、ある記者が高市早苗さんに対して「弱者に対してどのように思っているか?」と質問をしていました。

その時に、過去のことを引き合いに出して、次のように話していました。

 

「社会保障を考える文脈であなたは次のようなことをおっしゃっています。さもしい顔をしてもらえるものはもらおうとか・・・。弱者のふりをして、少しでも得をしようと・・・。そんな国民ばかりいたら日本は滅びると。困窮する国民をどういう目で見ていらっしゃるのか?まず確認させてください」

 

この質問をされた方の口調は、少し強いものでした。

さらに「この発言について、弱者への視点が欠けている不安、批判の声があるが、どう受け止めているかを聞かせてください」と続けました。

「今さらなんでそんな過去のことを言うの?」と思いましたが、この質問を受けた高市早苗さんは次のように返答しました。

詳しい動画は、こちらになります。

コミュニケーション能力という観点で、時系列でご紹介します。

①その発言は「生活保護の不正受給が非常に多かったという問題にどう取り組むかと答えたものであった」と伝えます。

→ここで、記者の質問が正しくないことを伝えています。

つまり「間違った問い」であるという前提条件を伝えています。

 

②現在も新型コロナウイルスで痛んでいる事業者の皆さまへの支給に対して、色々な方法で生活保護の不正受給があったことを伝えます。

→ここで、再度記者の質問が正しくないことを伝えています。

ここでも「間違った問い」であるという前提条件を伝えています。

 

つまり「弱者」がどうこうということではなく「不正受給」が発言の中心にあることを伝え、議論がすり替わらないように釘をさします。

 

③このような生活保護費は、皆さんの税金であり、福祉は公正で公平であるべきだと伝えます。

→まさに「間違った問い」に正しく答えていません。

 

④その後、育児支援や子どもの貧困対策や教育支援について伝えます。

→弱者というテーマを持ちながら、ご自身の考え方を伝えていきます。

 

⑤過去の発言に対することも含めて「これが私です」と伝え、さらに「私は私なりの信念を持って、政策を発信し、実行してきた」と付け加えました。

→正々堂々としたスタンスを発信しました。

 (さらに、記者の重箱の隅をほじくるような質問に対する警告をスマートに発信したと私は思っています)

 

もし、この時「間違った問いに正しく答える」としたら、次のようになります。

 

★間違った問い

「社会保障を考える文脈であなたは次のようなことをおっしゃっています。さもしい顔をしてもらえるものはもらおうとか・・・。弱者のふりをして、少しでも得をしようと。そんな国民ばかりいたら日本は滅びると。困窮する国民をどういう目で見ていらっしゃるのか?まず確認させてください」

 

★間違った問いに正しく答えようとすると次のような言い方になります

誤解を招くような言い方で、すみませんでした。

しかし、あなたが言われたような、弱者への視点が欠けているというような趣旨は全くございません。

 

ちなみにこんな答え方をしてしまうと、記者はどのような反応を示すでしょうか?

 

★追加の間違った問い

政治家として、誤解を招くような言い方をすること自体が、おかしいんじゃないでしょうか?

困窮する国民を批判するような思いはないと言っても、心のどこかにそんな思いがあるから、誤解を招いてしまうのではないでしょうか?

 

などという、本質とはずれた議論になり、かつ非難されるような立場になってしまう可能性もあります。

こんなやり取りって、見たことありますよね!?(笑)

このように高市早苗さんのやり取りから「間違った問いに正しく答えない」ことの重要性とコミュニケーション能力の大切さを学ばせていただきました。

「間違った問い」に関して興味のある方は、ぜひこちら「交渉力の基本 〜間違った問いを見極める〜」もご覧ください。