コミュニケーション能力を高めるにはたくさんの要素が必要です。経営コンサルタントとして学んだことや経験したことを中心に「コミュニケーション能力向上」に役立つ情報を(原則)毎週金曜日に配信しています。皆さまの未来に少しでも貢献できれば幸いです!

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交渉術の基本 / 間違った問いを見極める① 〜コミュニケーション能力を高めるには〜

コミュニケーション能力を高めるには、たくさんのことが必要です。

その中でも大切なことの1つが・・・。

「正しい問いに間違って答える」よりも「間違った問いに正しく答える」ほうが罪!!

だいたいこのことを話すと「なんのこっちゃ!?」と言われます。

でもこれは、コミュニケーション能力を高めるだけでなく、交渉においても大切なスキル(技術)なのです。

つまり、交渉術の基本なのです!!

質問に対して、間違って答えることはもちろん良くありませんが・・・。

それ以上に、「間違った問いに正しく答える」ことが良くないのです。

目次         

  • コミュニケーション能力
  • A社長の対応
  • B社長の対応
  • 問いは正しいのか?

コミュニケーション能力

まず「コミュニケーション能力」とは・・・

言葉にすると「他の人と意思疎通を上手に図る能力」となります。

コミュニケーション能力はたくさんのスキル(技術)で構成されていて、だからこそ奥が深いのです。

その中で「間違った問いに正しく答える」ことが、どれほどコミュニケーションを悪化させるかをご紹介します。

ぜひ想像しながら、読んでみてください。

仮にあなたが会社の経営者だとします。

そして今回のコロナウイルスのことでとても悩んでいて、知り合いの経営者に相談をしたとします。

その時に、次の2人(A社長とB社長)の対応について考えてみましょう。

A社長の対応     

あなた:今回のコロナウイルスは大変だね。

A社長:本当だよね。

あなた:正直困っちゃうよ。このコロナウイルスはいつまで続くのかな?

A社長:いつぐらいかな?夏くらいという人もいれば、1年後という人もいれば、3年くらいの覚悟が必要だという人もいるよね。

あなた:どうしたらいいのかな?

A社長:3年くらいの覚悟をもって頑張るしかないかな。

あなた:そうだよね。やっぱり長期戦だよね。

A社長:そうかもね。まぁお互いに頑張ろう。

B社長の対応     

あなた:今回のコロナウイルスは大変だね。

B社長:本当だよね。

あなた:正直困っちゃうよ。このコロナウイルスはいつまで続くのかな?

B社長:どうかね~、正直分からないね~(笑)実際のところ、一番困っていることは何なの?

あなた:そうだなぁ。やっぱり会社の存続はもちろんだけど、どうやって社員の給料を払い続けていくかということかな。

B社長:そうだよね。結局そこが一番だよね。それじゃ、雇用調整助成金は申請した?

あなた:あーなんとなく聞いたことはあるけど・・・。

B社長:申請してないの?

あなた:結局根本的な問題解決にはならないと思って、特に考えてないわ。

B社長:それはもちろん根本的な問題解決にはならないけど、社員の給料を保証した上で、会社の人件費も抑えられるし、困っているなら今すぐ申請したほうがいいよ。うちはもう申請したよ。

あなた:えっそうなの?会社の人件費も抑えられるの?

B社長:そりゃそうだよ~。社員に仕事を休んでもらってその分給料を下げますなんて、なかなかできないでしょ〜。

あなた:そりゃ〜できないよ〜。その時は最終手段だよね。

B社長:でしょ〜。でも雇用調整助成金は、休業の最大9割を助成してくれる制度だから、絶対に活用したほうがいいよ。

あなた:そうなんだ。じゃ〜すぐにやってみるよ。ありがとう。

B社長:こういうことの一つ一つの積み重ねが大切だから、お互いに頑張ろう。また何かあったら気軽に連絡して。

問いは正しいのか?  

  • 2人の社長の対応は、いかがだったでしょうか?
  • それぞれの会話は、どのように終わったのでしょうか?
  • あなたの悩みは、解決できたでしょうか?

A社長との会話の終わり方:3年くらいの覚悟をもって頑張ろう!

B社長との会話の終わり方:雇用調整助成金を活用してみよう!

結論からいうと、「コロナウイルスっていつまで続くのかな?」という問いの捉え方がポイントです。

あなたはコロナ禍を踏まえ会社の経営をどうしたらいいか悩んでいます。だからこのような質問をしたのです。

しかし、いつまで続くかは専門家でも分かりませんし、それについて真剣に考えて答えようとすることは、悩みの解決にはなりません。

  • つまりA社長は「間違った問いに正しく答える」ことをしてしまったのです。
  • しかしB社長は「間違った問いに正しく答える」ことはせず、正しい問いに対する答えを提供したのです。

その「正しい問い」とは「コロナウイルスっていつまで続くのか不安だけど、どうしたらいいのかな?」というものです。

このように、打ち合わせをしたり、商談をしている時に、「間違った問い」が何度も会話の中に生まれます。

話をそらしたいと思う人は、話題を変えようと「間違った問い」を意図的にする場合もあります。

コミュニケーション能力を高めるには、この「間違った問い」に気づく力が必要であり、それが交渉術の基本なのです。

ちなみにB社長は、途中から「問い」に答えるのではなく、「問う」側に変わっているのですが、気づきましたか?

交渉術の基本でもある「問いには問いで返す」です!!

興味のある方は、こちら「交渉術の仕組み化② / 問う技術の重要性」もぜひご覧ください。