話す時の妙な説得力はなぜ生まれるのか? 〜メラビアンの法則とDくんに学ぶ〜

コミュニケーションスキル

分かりやすく話をしたい、相手に共感してもらいたい、相手に良い影響を与えたいなどなど、色々な思いを持って話をすると思いますが、それが「平凡」に伝わってしまうと、ただ時間が過ぎてしまい、もったいないことになってしまうかもしれません。

それどころか「話を聞いてくれない」というようなリアクションを相手からもらってしまうと、話をしていること自体が無意味になってしまうかもしれません。

ではそうならないために、どうしたら良いのでしょうか?

もちろん色々なことが必要になるでしょうし、人によって課題が違うかもしれません。

しかし、どんな人であっても「課題を体系的に捉える」ということが大切になってきます。

目次       

  • 人は言葉で反応しません
  • 話し方よりも見た目

人は言葉で反応しません

話をして相手に伝える上で、まず大切なことは「相手の立場に立って考える」ということです。

詳しくは、こちら「相手の立場に立って考える人と考えられない人」をご覧ください。

これはコミュニケーション能力においても、基本になります。

「相手の立場に立って考える」と色々な課題が解決できたり、解決に向けた糸口が見えやすくなってきます。

例えば、次のような場面を想像してみてください。

 

あなたが悩み事を考えながら、机に座っていたとします。

  • どうしたらいいんだろう
  • 困ったな〜
  • 誰かに助けて欲しい

このような気持ちでいる時に、いつも頼りにしている先輩が、後ろから「大丈夫か?何か困っていることがあるのか?」と話しかけてきたらどうでしょうか?

「ありがたい」と思う人もいるでしょうし、人によっては声をかけられて、その先輩と目を合わせるだけで涙を流す人もいるかもしれません。

このように相手の立場に立って考えて、声をかけることは、それだけでもとても価値のあることなのです。

では、次のような場面ではどうでしょうか?

 

同じように悩み事を抱えながら、公園のベンチに座っていたとします。

そこへ見知らぬ人がやってきて「大丈夫ですか?何か困っていることがあるんですか?」と話しかけてきたらどうでしょうか?

きっとほとんどの人は、仮に大丈夫じゃなかったとしても、口から出る言葉は「大丈夫です」となるのではないでしょうか。

それは、何故でしょうか?

ここから学ぶことは、いくら相手の立場に立って声をかけたとしても、ある程度の人間関係がないと、相手は心を開かないということです。

話し方よりも見た目

話をする際に「ある程度の人間関係がないと、相手は心を開かない」とご紹介しましたが、人の出会いには初対面という場面があります。

もちろん初対面では人間関係が成立していませんが、そんな時にはどんなことを意識すれば良いのでしょうか?

それは、ズバリ「見た目」です。

あなたは「メラビアンの法則」というものをご存知でしょうか?

メラビアンの法則とは、人と人がコミュニケーションを図る際、相手にどのような情報が影響を与えるかを整理した心理学の法則です。

その法則によると、3つの情報が次のような割合で相手に影響を与えるとのことです。

55%:視覚情報(見た目の情報)

38%:聴覚情報(口調や話のスピードなど)

 7%:言語情報(話の内容など)

上記の3つをそれぞれ英語表記した際の頭文字をとって「3Vの法則」といわれることもあります。

Visual:視覚情報

Vocal  :聴覚情報

Verbal:言語情報

端的にいえば、話の内容よりも「目や耳から入る情報の方が重要だ!」ということです。

だから話しかける際には、見た目の課題を疎かにしてはいけないのです。

話し方や話す内容をいくら考えても「見た目」で不合格をもらってしまうと、相手は心を開いてくれないのです。

ここで1つ、分かりやすい事例をご紹介します。

 

私の同僚にDくんという人がいるのですが、彼は話すことがあまり得意ではありません。

その中でも優先順位の高い課題は「ストーリー設計」です。

「ストーリー設計」については、こちらをご覧ください。


あなたの・・・コミュニケーション能力の課題が分かる本2: 話が分かりやすい人になる 「伝える力」をグングン伸ばす5つのステップ
 

 

多くの人がこの課題を持っていますが、このDくんは特にこの課題が解消できていないのです。

つまり話をしていても、支離滅裂になったり、何が言いたいのかよく分からないと思われてしまうのです。

しかし、人の前でプレゼンすると、彼の話には妙に説得力を感じるのです。

つまり、話の中身はよく分からないけど、何かやってくれそうだという雰囲気を感じるのです。

その理由は、ズバリ「見た目」なのです。

彼は身長が180センチあり、顔も小さく足も長く、いわゆるイケメンであり、スーツがとても似合います。

声にも安定感と張りがあり、何よりも顔の表情が爽やかなのです。

プレゼンにおいては、聞いている人と人間関係ができていない時が多いので、その「見た目」の印象が、相手に良い影響を与え、話し方や話の中身を超越して、話の説得力がアップするのです。

誰もがDくんのような容姿を兼ね備えているわけではありませんが、最低限の「見た目」を整え、話していくことが大切なのです。

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