「指示待ちになるな」なんてことを言う上司や経営者がいるかと思います。
これは自主性を期待する言葉ですが、その前に「指示を正しくキャッチ」するということが重要なのです。
「指示を正しくキャッチ」するなんていうと、そんなこと当たり前でしょうという人がいますが、意外にできていない人も多いというのが私の印象です。
指示を出した人にしてみると、やってほしいことが伝わっていないことはとても寂しいことですし、その結果指示を受けた人は、指示をしてくれた人の信用を失ってしまうことになります。
ここでは、幹部失格とならないための考え方をご紹介します。
目次
- 内容を正しくキャッチ
- 相手の立場に立つ
- 相手の気持ちを知る
内容を正しくキャッチ
ちなみに「指示を正しくキャッチ」できてない人とは、どんな幹部でしょうか?
これができていない幹部には、2つのポイントがあるのでご紹介します。
最初のポイントは、純粋に言ったことを正しくキャッチしていないということです。
つまり「あれをやっておいて」と言われて「あれ」を正しく理解していないというパターンです。
言葉にすると「そんなことあるの〜!?」って思う人がいるかもしれませんが、意外にあるのです。
例えば「昨年の実績をグラフにしておいて」と言われて、売上と粗利と粗利率をグラフにしたら「いやいやそうじゃなくて、今はなんで客単価が下がったのかを知りたいから、これじゃダメでしょう」と言われてしまうようなパターンです。
これは指示を出す側にも問題があるんじゃないかと思う人もいるかもしれませんが、その考え方は幹部としてはNGです。
なぜならば、常に変えられるものは、自分と未来だからです。
残念ながら自分の力では、他人と過去を変えることはできないのです。
そして2つ目のポイントは、質問をしないことです。
わかりやすい例としては、期日の明確化です。
「あれをやっておいて」と言われて、翌日に「昨日お願いしたことはどうなった!?」と言われてしまうパターンです。
基本的に上司から「あれはどうなった!?」と言われてしまったら、幹部としてはアウトです。
つまり幹部失格です。
ここでも、具体的に指示をしてくれればいいじゃないかと思う人もいるかもしれませんが、その考え方はまたもやNGです。
大切なことなので、繰り返しますが・・・。
常に変えられるものは、自分と未来であり、残念ながら自分の力では、他人と過去を変えることはできないのです。
こんな時には指示を受けた際に「いつまでにやればいいですか?」とか「明日の10時まででも大丈夫ですか?」などと、質問をすることが大切なのです。
これはコミュニケーションの基本ですし、ものすごく大切なスキル(問う技術)なのです。
相手の立場に立つ
上司だろうが部下だろうが、相手とコミュニケーションを取る時に大切なことは「相手の立場に立つ」ということです。
これを分かりやすく説明する時に「相手のために考える」ことと「相手の立場に立って考える」ことの違いをご紹介することが多いですが、詳しくはこちら「相手の立場に立って考える人と考えられない人」をご覧ください。
相手の気持ちを知る
「相手の立場に立つ」習慣をつくることは、幹部に限らず人としてとても大切なことです。
相手が社長や役員という時もあれば、同僚や部下という時もあるでしょう。
さらにプライベートであれば、夫や妻、そして息子や娘という時もあるかもしれません。
そしてビジネスにおいて最も大切な相手の対象は、お客様です。
このお客様の立場に立つことができる人は、幹部としての条件を備えていると言えるでしょうが、これは十分条件ではなく必要条件にすぎません。
つまり幹部という立場であれば、相手がお客様であれ社長であれ、常に相手の立場に立つことができなかったら、幹部失格となってしまうのです。
では、もしその相手が「社長」であれば、相手は何を考えるのでしょうか?
社長はいつも、どんなことを考えている人でしょうか?
- 良い会社にしたい
- 良い組織をつくりたい
- 良い業績をあげたい
- お客様に喜ばれたい
- 社員にこの会社で働いて良かったと思ってもらいたい
こんな社長の気持ちを踏まえて、幹部としては「そのために何ができるか」を考えてはダメなのです。
大切なことは、それをやりたいのだけどうまくいっていない現状を踏まえ「社長は何に困っているのか?」その上で「自分には何ができるのか?」を考えることが大切なのです。
「その上で」という「相手の立場に立って考える」ことができないと、幹部失格となってしまうのです。
良かれと思って行動していても「社長は何に困っているのか?」という相手の立場に立って考えるステップがないと、幹部としての動きは不十分になってしまうのです。
「相手の立場に立つ」ことは、幹部としての必要条件ですが、コミュニケーションにおいても最も大切な技術(スキル)になります。
詳しくは、こちら「あなたのコミュニケーションの課題が分かるシリーズ」をご覧ください。