「社内で出来ないことは社外でも出来ない」
この言葉をどう思いますか?
この言葉は、経営コンサルタント時代に、ある先輩に言われた言葉です。
これはまさに行動の指針といえるものなのです。
もちろん言葉の通りの意味があるのですが、それ以外にも生き方にも通じる真の意味も存在するのです。
結局は社内だろうと社外だろうと、できる人はできちゃうのです!!
目次
- 以前の捉え方
- あいさつ
- 言葉遣い
- 真の意味
以前の捉え方
「社内で出来ないことは社外でも出来ない」
その時の私が思ったことは・・・、
「いやいやそんなことないでしょ~。お客様の前ではしっかりやりますから、普段からいちいちうるさく言わないでくださいよ〜」と。
当時も素直じゃなかったんです。ハイ、今日も反省です(笑)
でも、ひねくれついでにもう1つ心の声を・・・、
「だって、社内にいる時に、常にお客様が目の前にいるような気持ちで、仕事が出来ますか? 絶対に出来ないですよ~!!これって他の人も一緒だと思いますよ〜」と、当時はひねくれ癖が炸裂していました(笑)
しかし、時が経つにつれ、いろいろな人と会うにつれ、少しずつ仕事のレベルが上がっていくにつれ、今ではこのことをすごく実感します。
それが・・・、
「社内で出来ないことは社外でも出来ない」
あいさつ
例えば、あいさつです。
普段、小さい声で素っ気ない「あいさつ」をしている人が、お客様のところへ商談に行きます。
当然、商談を良い結果に結びつけたいので、気持ちの良い「あいさつ」を意識し、対話がスタートします。
しかし時が経つにつれ、意識すべきことは「あいさつ」ではなく、商談内容に変わっていきます。当然ですよね。
そして、無事に商談を終え手応えを感じて部屋を出ると、前方から先方の社員さんがこちらに向かって歩いてきました。
こんな時に、どのような対応の違いがあるでしょうか?
-
商談のスタート時と同じように、気持ちの良い挨拶をする。
-
目を合わせて無言で会釈をする。
-
相手の存在に気付かない。
このときの反応が普段の行動であり、社内でやっていることです。
言葉遣い
例えば、言葉遣いです。
普段、荒っぽい「言葉遣い」をしている人が、お客様のところへ商談に行きます。
お客様と初めて話すときは、当然「言葉遣い」に気をつけますし、いきなり荒っぽく話しだす人なんていませんよね(笑)
しかし、打ち合わせをしていく中で距離が縮まっていき緊張も和らいでいき、話しやすい雰囲気ができて、普段の「言葉遣い」が見え隠れしてきます。
すると、その後のお客様の反応にはどのような違いが生まれるでしょうか?
-
話せば話すほど、ますます感じの良い人だ。
-
ちょっと最初のイメージと違う人かも。
-
この人はもうダメだ。今後付き合いたくない。
このときの反応が普段の行動であり、社内でやっていることです。
人によって対応が違いすぎる人っていませんか?
そんな人は残念ながらきっと、社外と社内では違う態度をしている人です。
だから、お客様の前(社外)でしっかりできるように、普段(社内)からしっかりしましょうということです。
真の意味
しかししかし・・・、
この「社内で出来ないことは社外でも出来ない」という言葉は、そんな軽い言葉ではないのです。
ここまでの内容だったら、優秀な詐欺師はこう答えるのではないでしょうか?
「社内で出来なくても社外で完璧にやればいいんだし、それができるのが詐欺師だから大丈夫。その点に関しては、いつも腕を磨いているから任せておけ!」と。
「俺たちにとっては、こんな言葉は関係ない」と言われてしまうかもしれません。
しかし「社内で出来ないことは社外でも出来ない」という言葉の真意は、技術や訓練や習慣だけについての意味ではないのです。
もっとも大切なことは、自分自身の人生観です。
- 何を大切に生きるのか?
- 自分はどう生きたいのか?
- 何を目標として生きるのか?
などなど。
私が愛用しているフランクリンの手帳には、次のように書かれています。
あなたは、それを認識しているかいないかに関わらず、行動の基となる価値観を持っています。あなたの持つ価値観は、あなたの決定に影響を及ぼしています。
人間は軸を持つと、相手が誰であろうと関係なくなっていきます。
この人は偉いからこうしようとか、この人は弱いから適当にしようとか、そういう考え方はなくなっていきます。
- 自分は◇◇のように生きたいから、人に対してはこう接していこう。
- 自分は◇◇のように生きたいから、挨拶については◯◯を心がけよう。
- 自分は◇◇のように生きたいから、言葉遣いについては◯◯を心がけよう。
このような視野で考えられると、社内も社外も関係ありません。
つまり「社内で出来ないことは社外でも出来ない」の意味は・・・
社外(お客様の前)は特別だから、しっかりやろうということではありません。
また、社外(お客様の前)でしっかりと出来るようにするために、社内(日常)でもしっかりやろうというだけの意味でもありません。
社外(お客様の前)や社内(日常)という環境に捉われることなく、「自分の生き方や価値観を大切にしよう」という意味です。
まさに行動の指針であり、生き方や人生観に由来するのです。
言い方を変えれば、普段から自分の生き方や価値観を大切にしていない人は、環境や状況によって、その都度流されてしまうということです。
だから、普段から自分の軸を持って日々を大切に生きていこうということです。
それが出来れば、社内でも社外でも関係ありません。いちいち区別をする必要がありません。人によって差別をする必要もありません。
それが「社内で出来ないことは社外でも出来ない」の真意なのです。
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