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日常における数字力の鍛え方 〜店舗売上を考える〜

私は20代で経営コンサルタントを志して、数字と向き合う大切さを知ることができました。

どのように数字と向き合ったかといえば、決算書や月次試算表の入力などに始まり、収益分析では大項目から掘り下げ、細かい数字を凝視しながら、何が問題で何が課題で、何をすれば良いかを日々考えていました。

それも1社ではなく複数の会社を同時に考えるので(しかも重大な責任を負って)、そりゃ〜おかげさまで成長させていただきましたし、私の財産となっていて、この頃に関わっていただいた方には、今でもこれからも感謝の気持ちでいっぱいです。

経営コンサルタントは人気職種であるので、当時のこの会社では、必死に食らいついて成長するか、早期にリタイヤするかのどちらかで、その間は存在しないという働き方でした。

毎日が刺激的で時間があっという間に過ぎ、未熟な私として入社当時必死に食らいついていこうという日々だったと記憶しています。

そんな時に、よく先輩から言われたり、仲間と行っていたやりとりがこちらです。

「このお店って売上はいくらかな!?」

それでは、日常における数字力の鍛え方をご紹介します。

目次         

  • 美容室の売上
  • 仮説思考が重要
  • 居酒屋の売上

美容室の売上     

生活する中で、色々なお店に行くと思いますが、そんな時に「このお店って売上はいくらかな!?」と考える癖がつくと、自然と数字力が鍛えられます。

ここではより基本的なことを共有できるように、ある主婦が1人で運営している美容室を考えてみましょう。

まず、美容室の売上に影響を与える数字は何でしょうか?

それは客数と客単価です。

客数 :お客様の数

客単価:お客様が1回で支払う金額

つまり1日にどれだけのお客様が来て、1人当たりいくら支払うかを考えると、1日の売上が予測できるのです。

 

例えば客数が5人で、客単価が5,000円だとしたら、その日の売上は25,000円になります。

決して難しくありませんよね。

仮説思考が重要    

それでは、先程の美容室の1ヶ月の売上はいくらになるでしょうか?

1ヶ月で考えると、曜日などは客数に影響があるかもしれません。

こんな時に大切なことは、仮説思考です。

仮説思考」とは簡単に言うと、自分なりに「こうなりそうだ」と先を見通して仮説を立て、それを検証していく思考法です。

そして「仮説」とは、まだ十分に情報がそろっていない段階や、分析が済んでいない段階で持つ仮の答えのことです。

ここでは、次のような仮説を立てます。

次の図のような仮説を立てると、月間の売上は約70万円になります。

 

 

では、利益はどうなるでしょうか?

ここでも仮説思考が大切です。

売上から引かれるものには、どのようなものがあるでしょうか?

家賃:地域によって異なります。自宅と並列している店舗などは、この費用が不要になります。(もちろん自宅の建築費は高くなると思いますが・・・)

材料費:シャンプーやトリートメントをはじめとして売上に連動して必要となる材料。

水道光熱費:水道や電気代。

広告宣伝費:広告費用やホームページの維持費など。

消耗品・雑費:その他もろもろ。

このようなことを踏まえて、次のような仮説を立てることができます。

 

 

この利益の中から、奥様のお給料や所得税・住民税・国民年金・健康保険・生命保険料などを支払い、さらに借入金がある時には返済を行っていくことになります。

このようなことを考え、仮説思考の習慣を持つことができると、数字力がどんどん向上していきます。

居酒屋の売上     

先ほどは美容室の事例でしたが、居酒屋だとどうでしょうか?

基本的な考え方は同じですが、少し応用が入ってきますので、それをご紹介します。

売上=客数×客単価」のベースは一緒ですが、居酒屋の場合は、もう少し掘り下げて考える必要があります。

 

客数

・時間帯によって変わってきます。

基本的に、お昼と夜以外にお客様はやって来ません。

 

・お店の規模によって変わってきます。

当然お店が大きい方が客数は増える可能性がありますが、それだけ経費もかかってきます。

お店の規模としての目安は座席です。

仮に座席が40席だとしたら、お昼はその席が何回いっぱいになるのでしょうか?

そしてそれが何回入れ替わるでしょうか?(何回転するのでしょうか?)

 

客単価

・時間帯によって変わってきます。

ランチ目当てのお昼と、お酒もセットで楽しみたい夜では、客単価は全く変わってきます。

さらにお昼と夜では、注文する量も品数も変わってきます。

 

・季節によって変わってきます。

年度末や年末のように、イベントが多い時期には、滞在時間と共に、客単価も変わってきます。

ランチが1人1,000円だったとしても、歓送迎会で1人当たりの会費が1,000円ということはないですよね。

 

こんなことを考えながら居酒屋に行ってみてください。

気持ち良く美酒に酔いしれる前に、ほんの5分でも仮説思考の習慣がつくと、自然と数字力が鍛えられます。

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