経営コンサルタントを本業としている時に、戦前生まれの社長から相談を受けました。
その相談とは・・・。
「うちの息子(後継者)は、世の中の厳しさが分かっていない」
こんな時に必要なことが・・・。
世代間ギャップの楽しみ方!!
しかし、当時の私はまだそのスキルが備わっていませんでしたが・・・(笑)
目次
- 創業者からの相談
- 世代間ギャップ
- 世代の融合
- さいごに
創業者からの相談
先ほどの相談の続きです。
「うちの息子(後継者)は、世の中の厳しさが分かっていない。これから会社を背負っていく上でこのままでは・・・・・。私の頃は、戦後まもなくで・・・・・あたりは焼け野原で・・・・・。
あの頃は今と違って・・・・・食べ物も少なくものも不自由な時代だったので・・・・・今がどれほど恵まれているかを分かっていないし・・・・・。
とにかくあの頃は・・・・・ものがないから自分で考えるしかなかったし・・・・・。そうやって私の世代は考える力がついていったんだよ!!」
その時に私は仕事柄、厳しさを分かってほしいと願う社長の気持ちは、自分なりにしっかりとキャッチしました。
そして私の知らない時代を知っている方から聞くお話は、とても勉強になりますし、楽しいことです。
しかし、後継者世代の私は「あの頃の・・・」「あの時代の・・・」を強要されると、それは難しいなと思いました。
なぜでしょうか?
世代間ギャップ
それは・・・。
今は、焼け野原でもなければ、食べ物も不足していないし、ものにも恵まれた時代だからです。
実体験で感じたことと、想像して思うことには、到底埋めることのできない大きなギャップがあります。
それが世代間ギャップ(Generation gap)です。
そして・・・
- 「なんであの人は私の気持ちを分かってくれないのだろう? なんで(怒)?」
- 「なんであの人はあんな捉え方をするんだろう?なんで(怒)?」
- 「なんであの人はこの考え方を理解できないのだろう?なんで(怒)?」
なんて考えだしたら、負のスパイラルにまっしぐらです。
世代間では基本的に、考え方も価値観も違うのです。
世代間ギャップはあって当たり前なのです。
育った時代や環境が違うので、「違う」が当たり前です。
だからまずは「世代ごとに違うんだ」ということを前提に、コミュニケーションを図る必要があります。もちろん同じ世代でも基本的には同じです。
自分以外はみんな「違う」ということなのです。
世代の融合
そしてそれは何もおかしいことではなく、さらに大事なことは・・・。
世代間ギャップは、人生を豊かにしてくれるということです。
なぜでしょうか?
世代の違う人は、自分の知らないことを知っているからです。
例えば、私にとっては・・・。
年配の方とコミュニケーションを図ることで・・・
古き良き日本を教わることができます。もしかしたら自分が忘れかけている、日本人の誇りみたいなものを教えてもらうことがあるかもしれません。
日本を再建させ高度成長期を支えた、エネルギーのある時代を知るきっかけになるかもしれません。
逆に若い人とコミュニケーションを図ることで・・・
違う価値観をキャッチすることができます。
実際に、新しい視点だなと刺激をもらう時もあれば、同じ歳の頃に自分も同じことを考えていたと、過去を振り返る機会になることもあります。
世代に限らず、国籍が異なる人とコミュニケーションを図ることで・・・
考え方や価値観どころか、自分とは全く異なる境遇や、人生の土台となる文化や常識の違いを知ることができます。
これは楽しいですよ!!
一緒に働く企業が日本の会社であれば、日本人が日本の文化や常識を伝え、外国人がそれを理解し順応していく必要があります。
しかしそれだけではなく、外国人の長所にも目を向けることができれば、組織のイノベーションのチャンスに繋がるかもしれません。
さいごに
人は自分に持っていないものを持つ人に、憧れや魅力を感じます。
時によっては嫉妬心に繋がってしまう時もあるかもしれませんが(笑)
そして、そのような人と触れ合うことで、多くの気づきを得ることができます。
そんな生きる上でのヒントを与えてくれる人が、自分とは違う「世代」なのです。
世代間ギャップの楽しみ方は、「違う」ことへの好奇心です!!
だから次のように感じた時がチャンスです!
- 「なんであの人は私の気持ちを分かってくれないのだろう?」
- 「なんであの人はあんな捉え方をするんだろう?」
- 「なんであの人はこの考え方を理解できないのだろう?」
この時に「なんで(怒)?」で終わると負のスパイラルですが、「なんで(嬉)?」と捉えることができると、世代間ギャップの楽しみ方に繋がっていきます!
そんな「世代間ギャップ」のコミュニケーションが、お互いの人生を豊かにしてくれると考えたら、「世代」によって考え方も価値観も違うことなんて、オールウェルカムですね。