この素晴らしい会社は、私がベンチマークしている会社です。
なんでベンチマークしてるかって!?
それは「理念が浸透した会社」だからです。
組織の共通目的(組織目的)、理念浸透、ベクトルの統一などの言葉が当てはまる素晴らしい会社です。
組織の仕組み化においても、たくさんのヒントがあり、私も人事に携わる人間として相談させていただいたり、何度か訪問しています。
事例と共に、この素晴らしい会社を少しご紹介します。
目次
- 誰にとってのいい会社?
- 事例①
- 事例②
- さいごに
誰にとってのいい会社?
組織においては、社内のベクトルを同じ方向に向けるために、様々な取り組みや仕組み化が必要です。
経営理念、経営ビジョン、社是、経営方針など様々な言葉を使って、形の見えにくい未来に向かって目指すべき姿を映し出していきます。
そこには言葉が存在し、その意味を共有することで、ベクトルが1つに向いていきます。
では、ここの素晴らしい会社ではどのような言葉を使っているのでしょうか?
ここの会社では「いい会社をつくりましょう。−たくましく そして やさしく−」という社是を掲げ、常にそこにベクトルが向くように組織を構築しています。
それでは誰にとって「いい会社」なのでしょうか?
まずはそこで働く「社員にとって」です。
人生で寝ている時間を除くと、大半は会社の時間だから、働く人がいいと思える会社をつくりましょうと呼びかけているそうです。
そして地域貢献も重んじ、毎年業務量の変動があっても、地元の高校から一定量の雇用をしているそうです。
そして今では地元の人からも一目置かれる会社になり、そこで働く社員は「自分の会社はいい会社である」と誇りを持っている会社です。
ここまでは、なかなか素晴らしい会社だなぁ〜という印象かもしれませんが、ここからがもっと素晴らしいんです。
事例①
まずは・・・、ほとんどの会社で存在する業績目標が、この会社にはありません。
実際には、昨年よりも少しでも上回っていこうという大枠の業績目標は浸透しているそうですが、あまり重視していません。
多くの会社では、共通目的(組織目的)を共有し、そこにベクトルを合わせたいのですが、目的だけでは曖昧な状況があります。
そこで共通目的(組織目的)の実現に向けた共通目標(業績目標)にもベクトルを向ける会社が多く存在します。
私の所属する会社もまさにそうです。あらかじめ言っておきますが、これは全く悪いことではありません。
しかしこの素晴らしい会社では、その必要がないくらい、共通目的である社是の「いい会社をつくりましょう。−たくましく そして やさしく−」が浸透しています。
理念が浸透した素晴らしい会社なのです!!
例えば・・・。
改善提案制度を運用しているそうですが、会長は全ての意見に対して「YES」の方針だそうです。
例えば・・・。
過去に「生ける花をもう少しお金を出して素敵な花に変えましょう」とか、「使っている食器を陶器に変えましょう」などの声があったそうです。
その時に改善提案の運用担当者は、そんなものにそこまでお金を使う必要があるのか、と悩んでいて会長に相談したところ・・・、
「そんなもの・・・すぐやれ!」
と一喝されたそうです。
そのことを振り返る運用担当者は、「不思議と、買って欲しいというものを全て受け入れていくと、買って欲しいものがなくなるし、買ってもらったものも大切にするようになる」と話していました。
会長はいつも、「社員の声を反映して雰囲気を変えるんだ」と話されているようで、色々なことを言いやすい雰囲気が構築されています。
事例②
またある時は・・・。
2011年の東日本大震災の時に、全国的に節電をしようと働きかけがあったと思います。
この会社でも同様に、エアコン温度に制限を設けること(○○度以下に冷房を設定しないなど)で、少しでも節電に貢献しようと提案した人がいたそうです。それを聞いた会長は・・・、
「バカか!?」
と言ったそうです。
その理由は・・・。
それをすることが、社員にとって居心地の良い働きやすい職場環境に繋がらないからとのことです。
しかし、当然ですが東日本大震災なんて関係ないなんてことはありません。
その場で3,000万円をかけて、より電気を必要としない新しい空調に変えたそうです。
そのほうが設備投資はかかっても、節電になるということです。
私がよく相談させていただく人事担当者は入社30年近くになるそうですが、会長から「買うな」とか、「ケチる」とか、「省エネ」といったことを1回も言われたことがないそうです。
とにかく「いい会社をつくりましょう。−たくましく そして やさしく−」という共通目的(組織目的)が明確になっており、それが浸透している素晴らしい会社です。
さいごに
何のために、うちの会社は世の中に存在しているのか?
だから、うちの会社は〇〇をしていくんだ!
だから、うちの会社は◻︎◻︎を大切にしていくんだ!
このように定性的な未来を共有し、そのためには何が必要なのかを未来から逆算で考えます。
そしてその線上に定量的な目標がリンクすると全社員のベクトルが同じ方向を向き、推進力にも加速度がついていくのが、組織の仕組み化です。
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