2020年にコロナが流行りだしてから、あっという間にオンラインミーティングが当たり前になりましたね。
「それまでの出張は何だったのか?」と思いました。
今までの出張の移動費や宿泊費、移動にかかった時間、どれだけの経費削減に繋がったのかと思うと、ある意味で画期的なことかもしれません。
採用活動においても然りで、今はオンライン面接が当たり前になっています。
自宅にいながら、画面を見て面接を受けるということが珍しくありません。
極端に言えば、ズボンがパジャマであったとしても、真面目に面接が受けられてしまうのですが、たった数年でこれほど変わることが本当に凄いことです。
では、そんな時代に対話する価値とは、どのようなものがあるのでしょうか?
こんな時代だからこそ、対話する価値が大いにあると私は感じています。
先日、そんなことを実感した出来事があったので、ここでシェアさせていただきます。
その出来事とは、とある女性社員との面談です。
ちなみにこの時の面談は、業務にフォーカスするようなものではなく、ストレスを軽減することを目的としたものでした。
だから「内緒にしてほしいです」という背景があった時には「口外しない」というルールに基づいて行われる面談でした。
そんな面談の中で、その女性社員が、「先に1ついいですか?」と話しかけてくれました。
そこからの少しの沈黙の後で、涙を流し始めたのです。
そして、ハンカチで涙を啜る鼻を抑えながら、次のように話してくれたのです。
私にはモヤモヤして、どうしても処理できない感情があるんです。
それを上司に相談しようと思っても、今さら何を言っているんだと言われそうですし、もしここで相談をさせてもらったとしても、それが他の人に知れてしまったら、あいつは何を言っているんだと思われてしまいます。
でも、どうしても処理できないので、ここで話してもいいですか?
その内容は簡単にいうと、外部の人への報告の一部を上司が隠しているというような内容です。
法律に触れてはいないのですが、人として正しい行為ではありません。
そしてこの女性社員は、その外部機関との窓口を担っているので、嘘をついているという罪悪感、そしてそれにより新たな嘘が生まれてしまうという恐怖感に苛まれていたのです。
ここで涙を流すということは、それだけ誠実に仕事をしているという裏返しでもあり、一方でこの上司は不誠実なのです。
何事も悪いことをしたら素直に謝るという気持ちが大切ですが、ここでは対話する価値について共有します。
まず大前提として、対話する相手と信頼できる人間関係が成立していることがとても重要です。
なぜならば、人は信頼できない相手に対して心を開かないからです。
そのことを踏まえて、対話する価値を2つご紹介します。
1つ目は、言葉足らずでも大丈夫だという安心感です。
オンラインミーティングなどでは、伝えたいことが伝わるのだろうかという不安があります。
そのために、言葉や言葉遣いに気をつけるようになります。
メールのように文字だけで伝えようとする時には、なおさらですよね。
しかし対話する時には、そのような不安が軽減されます。
なぜならば、言葉以外にも感情を伝える手段が生まれるからです。
それは、聞く側の立場に立って考えると分かりやすいかもしれません。
対話において聞く側の立場に立つと、言葉以外にも相手の感情をキャッチすることができます。
それが表情であったり、仕草や口や手の動きであったり、声を高さや大きさであったり、様々なものがあります。
これにより人間は、五感で相手の感情を受け止めることができるのです。
2つ目は、相手に感情が伝えられるという安心感です。
言葉足らずでも大丈夫ということは、つまり言葉足らずでも気持ちが相手に伝えられるということになります。
信頼関係のある人と対話することで、仮に伝え方が悪かったとしても、相手には感情が伝わるのです。
先ほどの事例では「1ついいですか?」と言って、次の言葉までの間に見せる涙や表情、そして次の言葉が出てくるまでの空気感、目を合わせて話したいけど目を合わせられない中で、ハンカチで鼻を抑える手の動きを見て、十二分に感情が伝わってきました。
こんなことは、オンラインミーティングではなかなか生まれない場面です。
オンラインが当たり前になっている時代だからこそ、対話する価値があり、コミュニケーション能力が大切になってくるのです。
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