良いファシリテーターはここが違う 〜クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを使い分ける〜

色々なスキル

先日、頑張り屋さんのYさんから相談をもらいました。

その相談とは「M課長とDさんがミーティングなどで話していると、途中で無言の時間が続くことがあるのですが、どうしたらいいでしょうか?」というものでした。

ちなみに、その時間とは、長い時は10分ぐらい続くこともあるし、何よりもその時間で何も生まれないことに対して、Yさんは悩んでいました。

ファシリテーターとしての立場にもあるようなYさんからこのような相談を受けたら、あなただったらどうしますか?

目次       

  • 相手の立場に立つ
  • 問いかける技術

相手の立場に立つ 

会議などで、無言の時間ってありますよね。

その場にいる人が、ものすごい集中力で頭をフル回転させている時などは、前向きなエネルギーに満ち溢れた無言の時間という場合もあるでしょうが、ほとんどの場合、無言の時間が続くと気まずい雰囲気になることが多いかと思います。

こんな時こそ、それぞれの立場に立った思考が大切になります。

そこで「この時のM課長と、Dさんはどのような気持ちだったのか」とYさんに聞くと、次のような返事が返ってきました。

「なぜか分からないのですが、よく2人は衝突するのです」

残念ながら、この発言は質問の答えになっていません。

分かりますよね!?(笑)

それでは改めて、客観的な視点で状況を振り返ってみましょう。

無言になる時間の前には、必ずM課長の次のような発言があります。

それは「自分ではどう思ってるの?」という発言です。

この時のM課長の気持ちは、次のようなものです。

  • なんで俺の気持ちが分からないんだ。
  • もし反対意見があるなら、自分で言えばいいじゃないか。
  • もし何も言わないのだったら、俺の言うことをしっかりやってほしい。

一方で、この時のDさんの気持ちは、次のようなものです。

  • どうせ自分の意見を言ったって、受け入れてくれないでしょう。
  • それに、自分がどう思うかは前にも言っていますよね。
  • だから、改めて言う必要はないでしょう。

つまり、お互いに相手を受け入れてないし、この場で新しいものを何か生み出そうとも思っていないのです。

問いかける技術  

では、どうしたらいいのでしょうか?

今回は、その場に同席している仲介役というかファシリテーターとしての役割もあるようなYさんからの相談ですので、Yさんに出来ることを考えましょう。

ちなみに、Yさんからは自分から改めて「どう思いますか?」とそれぞれに問いかけてみましょうか!?という提案がありましたが、これはNGです。

なぜだか分かりますか?

雰囲気が重くなっている時に、このようなオープンクエスチョンを投げかけると、さらに無言の時間が増えてしまうからです。

ここでまず大切なことは、無言の時間を減らすようにして、その場の雰囲気を変えることです。

だから問いかけ方はまず、クローズドクエスチョンを選択するのが賢明です。

まずはこの選択肢を持っているかどうかが、大切になります。

そしてそのクローズドクエスチョンも相手が「YES」と答えられるような問いかけが最適解になります。

例えば、次のような感じです。

  • この前の案件について、Dさんは〇〇のやり方を希望しているんですよね?
  • 今M課長が言われた内容だと、Dさんは前者のやり方で進めたいということですか?

このようなクローズドクエスチョンで、その場の空気を変えていきます。

そして「なるほどDさんの意見はそういうことなんですね。それについてM課長はいかがですか?」という流れのように、クローズドクエスチョンの後にオープンクエスチョンの出番がやってくるのです。

何かを伝えたい人にとっては、オープンクエスチョンは話し始めるきっかけになります。

このようにYさんとしては、クローズドクエスチョンからオープンクエスチョンの順番を意識しながら、2人の間に入る問いかけをすることで、無言の時間を解消する役目を果たすことができるのです。

これはファシリテーターとしても、とても重要な技術(スキル)になります。

さらに興味のある方は、こちらもぜひご覧ください。


会議やミーティングにおけるファシリテーションの技術が学べる本: コミュニケーション能力をビジネスに活かす コミュニケーション&ビジネス
 

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