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あるべき論と数字の関係性 〜数字は嘘をつかない〜

仕事をする中で、もちろん仕事以外でも、何かを「良くしたい」という思いは誰でも共通に持っているものだと思います。

しかし昨今の様々な事件を見ると、妬みや恨みがあることで「悪くしたい」という人もいるようですが、どんな時であっても「人に迷惑をかけない」という一線を越えてはいけませんよね。

こんなことは小さい子どもの頃から教わっていることであり、人として基本的なことですが、改めて大切に守らなければいけないと思う今日このごろです。

そんな中仕事において、誰もが「良くしたい」と思い「あるべき論」を持って前向きに話し合おうとしてもうまくいかない時がありますが、そんな時に活躍してくれるのが「数字」なのです。

そんな事例を、ご紹介します。

目次         

  • あるべき論の弊害
  • 共通目的
  • 数字で解決

あるべき論の弊害   

誰もが共通に「良くしたい」という思いを持っていても、仕事では衝突することがありますが、それはどんな時でしょうか?

これは、あるリサイクルショップのお話です。

リサイクル品は新しく作るものではないので、お客様からリサイクル品を買い取る(仕入れる)という行為が必要になります。

まずはこの「買い取る(仕入れる)」という行為がないと商売が成り立ちません。

そんな時にいくらで売れるかを示すことができると、買い取らせていただく人のお役に立てるのですが、いくらで売れるかは正直分かりません。

しかし、予想はできます。

どうやって予想するかというと、過去のデータをもとに行うのです。

そこでこの時は過去のデータを分析して、売却を検討しているお客様にどのような有益な情報を届けたらいいかという話をしていました。

本当はこのデータを公開せずに利幅を確保したほうが儲かるのかもしれませんが、先を見た取り組みであり「問い合わせにただ答えることよりもはるかに良い取り組み」でしたが、話し合いは残念ながら揉めていました。

主な食い違いは、次のようなものでした。

  • お客様に情報提供をするには、今のデータでは大雑把すぎる。
  • 大雑把なデータを細かく調べるには、時間と手間がかかりすぎる。
  • 細かい情報をまとめていくには、システムの改善が必要だ。
  • システムを改善するには、お金と時間がかかりすぎる。
  • 一方で情報が細かすぎると、システム化が難しい。

だから細かい情報をもう少し大きい枠で作るべきだ。

この最後の「あるべき論」に関しては、みんなが納得でしたが、残念ながら解決には向かわない話し合いで終わっていました。

せっかくの話し合いも、解決に向かわなければ、何の意味もないのです。

なぜならば、社会で生きていくほとんどの人は、評論家ではなく当事者だからです。

共通目的       

こんな時に大切なことは、目的を理解することです。

そして、その目的とは各自のものではなく、共通の目的です。

組織づくりにおいて、この共通目的はとても大切です。

ちなみにアメリカの経営学者であるチェスター・バーナードさんが提唱した「組織の3要素」というものがありますが、それは次の3つです。

①共通目的(組織目的)

②協働意欲(貢献意欲)

③コミュニケーション

詳しくは、こちら「誰でも分かる 簡単 組織の3要素」をご覧ください。

では、この事例における共通目的とは何だったのでしょうか?

それを問いかけると、ある人は「正しく分析すること」と答えてくれましたが、残念ながらそれは目的ではなく手段であり、この事例における共通目的とは「お客様に喜んでいただけるようにお客様に得を与えること」です。

そのために、どんな情報を届けたら良いかという議論をしているのです。

このように共通目的を理解していないと、議論が間違った方向に行ってしまうのです。

数字で解決      

さらにこの議論で不足しているのは「数字」です。

どういうことかというと次のように「数字」を使えていないということです。

  • 大雑把なデータは、どれくらいあるのか?
  • データを細かく調べるには、どれくらいの時間がかかるのか?
  • システムを改善するには、どれくらいの費用がかかるのか?

例えばシステムの改善にかかる費用が、1万円の場合と1,000万円の場合では議題として取り上げられるかどうかは、全く変わってきますよね。

(もちろんこういった費用も絶対額ではなく、費用対効果で検証することが大前提ですが、ここでは割愛させていただきます)

ちなみにこの事例では、大雑把なデータが全体の12%でした。

つまり88%は、お客様に提供できる有益な情報だったのです。

このように「数字」にすると、いかに細部の話をしているかがすぐに分かります。

この時は、まさに「木を見て森を見ず」の状態でした。

だからまずは、88%の情報をどうやって届けるかを議論することが大切だったのです。

なぜならばこの議論の目的は「お客様に喜んでいただけるようにお客様に得を与えること」だからです。

このように目の前のことを「数字」で把握して「数字」で表してそれを共有するだけで、簡単に打開策が見えてくることもあるのです。