物事を進めていく時に、権力を使うことがあると思います。
権力は強いです!!
例えば「こうしたいな~」と社員がぼやいていても何も変わりませんが、社長が「こうしていくぞ~」と声をかけると組織は動いていくものです。
そのくらい組織において、権力は大きな力を持っています。
しかし・・・、
「権力は腐敗する、絶対的権力は絶対に腐敗する」という言葉があります。
これは19世紀を生きたイギリスの思想家であるジョン・アクトン氏の言葉です。
そして・・・
中小企業において権力を使う時の注意点があります!!
会社においても権力の使い方は要注意です。
そこで事例を交えて、中小企業において権力を使う時の注意点をご紹介します。
目次
- 権力を使う
- 事例①
- 事例②
- 権力を使う時の配慮
権力を使う
人類の歴史は権力争いの歴史かもしれません。つまり覇権争いです。
- 17〜18世紀:黒海を通る海運料をもとに海洋貿易で栄えたオランダが、覇権を握っていました。
- 19〜20世紀:石炭を用いて蒸気機関車を活用したイギリスが、覇権を握っていました。
- 第二次大戦後:石油を用いた車を活用したアメリカが覇権を握り、ドルが基軸通貨になっていきました。
今後も世界の覇権争いは、尽きることがないでしょう。
しかしそれが世界全体のためなのか、自国だけのためなのかによって影響を与える色が変わっていきます。
だから権力を持った人の影響と責任は、重要なのです。
そして組織において、権力を持っている人は社長であり経営幹部の人たちです。
当然その人たちの影響も大きく、その人たちの権力の使い方は重要なのです。
そして、その使い方を間違えてしまうと大きな落とし穴が待っているのです。
事例①
広告を出しているA社と、その仕事を請け負っている広告代理店B社とのやりとりです。
つまりA社は、B社のお客様ということになります。
そしてA社がB社に対して、「対策をしてもらっているWebページを変更してほしい」と依頼をしました。
それに対してB社の返事は「契約書に記載していないのでそれはできません」というものでした。
するとA社の役員が「ルールは分かっているけどやってくれ。もしやってくれるなら来年も契約する。だけど契約してくれないと正直オレの首が危ないんだ!!」と言いました。
まさに「こっちがお客様だぞという権力」を使った手法です。
相手との間に確固たる力関係が成り立っていれば通用するかもしれませんが、基本的には恨みを買う行為で相手を見下したやり方です。
半沢直樹のドラマに出てくるシーンであれば面白いかもしれませんが、パートナーシップを築いていこうという考えの時にはあまりお勧めできません。
事例②
これは、ある会社の販売部と製造部に関するやりとりの事例です。
販売部の社員が、製造部にお願いをしたいことがありましたが、なかなか話がうまく進まず直属の上司に相談をしました。
ちなみに、こちらがこの事例に出てくる関係図になります。
B役員はA部長を含め他の上層部も参加する会議で、製造部に依頼したいことを議題に挙げ、販売部の提案に従うように促しました。
この役職という権力を使ったやり方で、結果的には製造部が従うことになりました。
しかし結果として、大きな溝をつくってしまいました。
それはA部長の自尊心の低下です。
ではどうしておけばよかったのでしょうか。
難しいことはありません。
B役員がA部長に対して、事前に相談すればよかったのです。
それは根回しという言葉になるかもしれませんが、上に立つ者として最低限の気遣いともいえるのです。
気遣いに関しては、こちら「気遣いができる人の共通点」もぜひご覧ください。
権力を使う時の配慮
「権力を使う」ということは、人に対して圧力をかけるということです。
圧力をかけて、自分の思い通りに進めていこうとする行為です。
「権力を使う」ということが、どれだけの基準で実行されているのかという社風によって、権力を使う時の配慮は変わってきます。
大企業と中小企業でも配慮は変わってきますし、20年前と今という時代背景でも、権力を使う時の配慮が変わってきます。
しかし、中小企業において権力を使う時の注意点については、配慮しておくべき3つのポイントをご紹介します。
- 人間関係を壊してしまう可能性がある。
- 誰かのプライドを傷つけてしまう可能性がある。
- もし上記の「1」もしくは「2」が起きてしまった時には、修復までに時間がかかってしまう可能性がある。
常に「正解を選択」するということは難しいでしょうが、賢者は最悪を想定しつつ前向きに生きるのです。
つまり権力を使う時に、起こりうる最悪のことをシミュレーションすることが必要です。
そして「権力は腐敗する、絶対的権力は絶対に腐敗する」という言葉も肝に銘じておく必要があります。
人間の心は、権力で簡単に支配できるようなシンプルなものではないからです。