経営幹部は何の目的で存在するのかというと、それは会社を良くするためです。
だからその会社(自分の所属している会社)がどんな会社であるか、どういうことをしようとしている会社なのか、どういうことを大切にしている会社なのか等を理解することが大切です。
経営幹部として、会社のことを理解していないと、会社を良くするための発言や行動ができず、自分なりに良いと思う方向に向かって振る舞ってしまうと、せっかく頑張っていても、会社に対する貢献度が低いものになってしまうかもしれません。
もしくは、会社にとって喜ばしくない結果に繋がってしまうかもしれません。
そうならないためにも、そしてさらに経営幹部の存在価値を高めるためにも、なぜ経営幹部が誕生するのかということを考えていくことが重要になります。
目次
- 経営幹部が誕生する理由
- 経営幹部の正解とは?
★経営幹部が誕生する理由
経営幹部は、会社を良くするという目的のために存在します。
では、なぜ経営幹部は誕生するのでしょうか?
それは、誰かがその役職をつくったからです。
ではそれは、誰がつくったのでしょうか?
決まりやルールが、あるからでしょうか?
いいえ、答えは簡単です。
それは、社長が経営幹部を任命したから、その役が誕生したのです。
経営幹部は、社長が任命しなければ誕生しないのです。
経営幹部を必要とするのか、誰にそのポジションを担ってもらうかなどを考えて、社長が任命するのです。
だからその任命した背景やその社長の気持ちを理解することが、経営幹部としてとても重要なのです。
中小企業において、その社歴がまだ浅い時に、初めて部長や役員が生まれた時に任命されたのであれば、社長の気持ちは分かりやすいかもしれません。
しかし、既にそのポスト(経営幹部の役職)があり、そこに自分があてがわれるような形で昇格した人であると、ひょっとしたら社長の意思を深く理解できないかもしれません。
そんな時に、アマゾンのサイトを覗いたり、本屋さんに行って「経営幹部に必要なこと」のようなタイトルを探し、客観的に「理想の経営幹部」を目指していく人もいるかもしれません。
それは決して間違いではありませんが、それよりも大切なことは、もっともっと目の前の出来事にあったりするのです。
今の時代では、ネットで検索をしたり、ChatGPTに「理想の経営幹部とは?」などと問いかけると、瞬時に答えが返ってきます。
その返ってきた内容が、あたかも「絶対に正解」というような風潮がありますが、これは見方を変えるととても怖いことです。
なぜならば、その会社のことを知らずに、さらにその役職を任命した社長の気持ちも知らない立場の人の情報がより価値のあるものだと捉えてしまう可能性があるからです。
役職や肩書における一般的な情報や定義は様々な手法で入手することができますが、経営幹部としての役目や役割を具体的に理解するためには、任命者である社長の気持ちを理解しなければいけないのです。
そのコミュニケーションなくして、経営幹部の役目を理解することはできないのです。
★経営幹部の正解とは?
中小企業における経営幹部としての正解は、WEB上にはありません。
なぜならば、中小企業においては経営幹部として求められる役割は、会社の数だけ違ったものがあるからです。
そのことを認識しておくことが、経営幹部として周囲の人とコミュニケーションが成立する前提条件になります。
その前提条件を踏まえた上で、どこの会社でも経営幹部として果たすべき5つの責任がありますので、ここでご紹介します。
①理念伝達責任
会社の考え方を組織に浸透させていく役割を、社長は担っています。
それが、組織における最重要項目ともいえます。
しかし社員数が増えてくると、1人ではその責任を果たすことができなくなってきます。
だから、経営幹部がその責任を担っていくことが必要になるのです。
②業績責任
会社は、利益なくして存続していくことはできません。
だから組織としての動きを業績に結びつけていく役割を、経営幹部は他の社員以上に担うことになります。
③業務改善責任
業績を上げるためには、日々の業務を見直す必要があります。
収益性を高め、コンプライアンスを高めていくために、経営幹部としての役割があります。
④部下育成責任
会社は、人なくして存在することはありませんし、人の成長なくして会社が発展していくこともありません。
責任を負う範囲において、自分の部下を育てていく責任が経営幹部にはあるのです。
⑤報告責任
会社において最終的な意思決定は、社長が担っています。
だから、その意思決定に必要な情報を社長に届ける役割が経営幹部にはあるのです。
このような5つの責任と共に、その会社の社長が求める経営幹部としての役割を認識することで、組織内における良好なそして効果的なコミュニケーションが成立していくのです。
「経営幹部が存在する理由」については、こちらをご覧ください。