プレゼンにおいては、その背景となる目的の理解がすごく大切です。
何事も、価値は目的によって決まるのです。
ではプレゼンにおける目的とは、どのようなものがあるのでしょうか?
例えば、次のようなものが一般的かと思います。
・情報を伝える
・説明をする
・提案をする
このようにプレゼンといっても、その都度都度で目的が変わるのです。
だからプレゼンの背景となる目的を正しく理解しておくことが、大切になってきます。
この目的を履き違えてしまうと、いくら様々な努力をしても、成果に繋がらなくなってしまいます。
目次
- 情熱的なプレゼン
- プレゼン前の失敗
情熱的なプレゼン
先日、ある会社のプレゼンを拝見する機会がありました。
そのプレゼンは社長本人が行い、とても気合いの入ったものでした。
なぜ気合いが入っていると感じたかというと、それは次のようなことがあったからです。
ハチマキを巻いて登場
もうびっくりです(笑)
誰が見ても、気合が入っていると感じる姿です。
ワイシャツを腕まくりして登場
この方は身長が180センチ以上あるのですが、そんな人が腕まくりをしたら、なおさら迫力が増して、気合いが伝わってきました。
プレゼンの前に大きく深呼吸
スポーツ選手とかでも、試合前に大きく深呼吸をする人がいると思いますが、まさにあの姿です。
発表する前に、見ている多くの人に聞こえるくらいの、大きな深呼吸をしてプレゼンを始めました。
まさに、気合い満点のスタートでした。
このような姿を想像すると、あなたにも気合いが入っているプレゼンの風景が伝わったかと思います。
そして、プレゼンの内容はどうだったかというと、気合いの入った姿そのままに勢いのあるものでした。
会社概要では、どれだけ多くの取引先があるかということを伝え、その中でも新工場の建設に関わる取り組みを発表されていました。
そこでは、新工場建設に伴う熱い思いと、その背景がよく伝わる内容でした。
さらに、新工場を建設したことで、社員のモチベーションが上がったり、社員同士のコミュニケーションが活発になったりと、その反響についても話していました。
ここまでのプレゼンの内容を聞いて、あなたはどのように感じましたか?
プレゼン前の失敗
結論からいうと、先程のプレゼンは良くないものでした。
なぜだと思いますか?
「プレゼンが熱すぎたから!?」とか
「気持ちが先走ってしまい、落ち着いて話せなかったから!?」とか
こんな風に思った人もいるかもしれませんが、そういうことではありませんでした。
プレゼンが良いか悪いかは、その背景にある目的に沿っているかによって決まります。
つまり今回ご紹介している事例のプレゼンは、目的に沿った内容ではなかったのです。
ではこの時のプレゼンの目的は、何だったのでしょうか?
なんでプレゼンをしたのかということですが、それは審査員から合格をもらうためでした。
ではどんな審査基準かというと、会社の取り組みの中で、他社でも真似できるようなものをプレゼンし、それが素晴らしい取り組みで、他社でも真似できるものであれば、それを表彰するというものだったのです。
それを踏まえて、先程のプレゼンを振り返ってみると、いかがでしょうか?
まず、伝えたい取り組みが何であったのかが分かりませんでした。
聞いている側にしてみると、焦点がぼやけている内容でした。
強いて言えば、新工場の建設かもしれませんが、これはなかなか簡単に他社が真似できるものではありません。
実際にこのプレゼンを聞き終わった後に残っている印象としては、多くの取引先を持った素晴らしい会社であるというものでした。
ちなみにプレゼンをした本人に聞いてみると、新工場の取り組みをアピールしたかったようです。
先ほども書いたように、もしそれが伝わったとしても、他社で簡単に真似できるものではないので、審査員から合格をもらうことはなかったでしょう。
つまりこのプレゼンは、残念ながらプレゼンをする前から、不合格が決まってしまっている内容だったのです。
このようにどんなに良い話し方をして素晴らしい資料を作っても、目的に沿ったプレゼンでないと成果は得られないのです。
だからこそプレゼンにおいては、その背景となる目的を正しく理解しておくことが大切なのです。
プレゼンテーションで、相手を寝かさないコツは、こちら「話し方のコツ 〜相手を寝かさない編〜」をご覧ください。