営業のコツは分かれ道に気づく力と問いを立てる力

交渉力

システム会社が企業にシステムを導入する際には、様々な提案や営業活動が行われます。

これは、どの業界でも同じですよね。

その中で1つ、問いに答えるだけでは不足しているという事例をご紹介します。

それを言い換えると「問いを立てる力が営業のコツです」と言えるかもしれません。

まずは、次のやりとりをご覧ください。

営業:今回のシステム導入の上ではどんなことを期待していますか?

顧客:現在の課題として、拠点毎の管理ができていないので、そこができれば問題ありません。

営業:それ以外にも、期待されていることは何かありますか?

顧客:いえ、拠点毎の管理以外では特にないので、それができれば問題ありません。

あなたはこのやりとりを見て、どのように感じますか?

このやりとりを踏まえて、営業担当は上司に「拠点毎にシステムを導入してください」と依頼をしました。

これを受けて上司は「本当にそれでいいの?」と聞くと、営業担当からは「はい、問題ありません。お客様は、拠点毎の管理ができること以外は求めていないので大丈夫です」という返事が返ってきました。

ここに、営業のコツがあるのですが、それは気づく力です。

ちなみに、通常の提案であれば次のようなものになります。

企業にシステムを導入し、ロケーションを設定した上で、拠点毎の管理ができる仕組みをつくります。

しかし今回の提案は、ロケーションを設定する前に、拠点毎にシステムを導入するというものでした。

つまり営業のコツであり分かれ道となるものは「お客様が言っているのだから、このままで良し」とするのか、それとも「本当にこのままで良いのかと思い再度確認をする」という二者択一になります。

この分かれ道があるという気づき力が営業のコツとして大切なのですが、この時の上司は後者の選択をしました。

そして大切になるのが提案方法なのですが、相談を受ける中で私はメリットとデメリットを明確にすることが大切だと伝えました。

その時に作成した1枚の資料が、こちらになります。

その上で、次のように提案をしました。

拠点毎にシステムを導入するのではなく、システムを導入した上でロケーションを設定してみてはどうでしょうか?

するとお客様からは「えっ!?それってどういうことですか?」という返事が返ってきました。

そこで、次のように話を続けました。

それぞれのメリットとデメリットをまとめてみましたが、結論からいうとどちらの方法でもお客様が望まれる拠点毎の管理はできます。

しかし、導入後にロケーションを設定することで、各拠点の合計を集計し、分析することが簡単にできるようになります。

拠点毎の管理をした上で、企業としてのトータルの分析や対策を考えられる方が良くないですか?

すると、お客様からは「そりゃ〜そっちの方がいいですよ。でもこの前はそんな選択肢はなかったんですが、本当に大丈夫なんですか?」という返事が返ってきました。

ここでの営業のコツとして、大切なポイントが2つあります。

①お客様の言っていることを鵜呑みにせず、真の欲求を把握すること。

 詳しくは、こちら「御用聞きだけでは足りない理由はこちらです」をご覧ください。

②問いに答えるのではなく、問いを立てること。

 詳しくは、こちら「間違った問いに正しく答えるな」をご覧ください。

営業のコツとして、交渉力はとても大切になりますが、その根底にはコミュニケーション能力があります。

だからコミュニケーション能力を高めることができると、ビジネスは好転していくのです。

その上で、問いを立てる力を意識できるようになると、成果も変わっていくのです。

交渉力について興味のある方は、ぜひこちらもご覧ください。


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