あなたは、本を定期的に読みますか?
私は学生時代にほとんど本を読まずに生きてきましたが、20代で経営コンサルタントの世界に飛び込んでから変わりました。
それは何かというと、圧倒的な知識不足を痛感し、経営コンサルタントの仕事を続けるためには、何が何でもインプットをしなければいけないという恐怖感で本を読むようになりました。
本を読まない時に感じる罪悪感は、今でも変わりません。
しかし以前の100%紙媒体の本とは変わり、今では電子書籍で読むことが主流となっています。
そんな本ですが、私は人生で2冊だけ読んでいて、涙を流したことがあります。
ちなみに、その2冊とは「永遠の0」と「もし高校野球の女子マネージャーがトラッカーのマネジメントを読んだら」です。
このような本を読んで涙を流す理由は、感情移入してしまうからです。
そしてなぜ感情移入してしまうかというと、その本のストーリーに吸い込まれてしまうからです。
これは本に限らず、話し方においても同様です。
ここでは、話し方におけるストーリーの重要性をご紹介します。
目次
- ストーリーの魅力
- WHYの活用
- HOWの活用
★ストーリーの魅力
話し方でストーリーを感じると、聞き手は自分の耳を開いていきます。
なぜならば、言葉の前後に意味を感じ、話の理解が深まっていくからです。
話がすんなりと心に入ってくると、話を理解する労力が少なくてすみます。
逆にすんなりと入ってこないと、話を理解しようとすることに頭をフル回転させなくてはいけません。
そうすると、話を聞きながら、自分の考えを巡らすことができなくなってしまいます。
このような状況になると、聞き手は話の表面的なことしかキャッチできなくなり、話し手にしてみれば「伝えたいことが伝わらない」という結果になってしまう可能性が高まってしまうのです。
そうならないためにも、ストーリーを感じる話し方は、とても大切になってきます。
★WHYの活用
何かをする時に、引き出しを多く持っていることは大切です。
それは知識であり経験値であり、時には技術であるともいえるかもしれません。
話し方においてストーリーをつくることも、1つの技術であると捉えられると、それは得意不得意ではなく、身に付けられているかいないかという視点で考えられるようになります。
そこで、ストーリーを感じる話し方をするための、簡単な2つの技術をご紹介します。
ストーリーを感じる話し方において、1つ目の技術はWHYの活用です。
例えば、3人に感謝を伝えたいという場面があったとします。
できれば優越をつけたくない、さらにできればその中の1人に対しては、特に感謝を伝えたかったとします。
そんな時に、あなただったらどうしますか?
ここで、1つの事例をご紹介します。
・・・・・
今日は素敵なご縁をいただくことができ、お話をいただいたAさんには本当に感謝しております。
お忙しい中お越しいただき、ありがとうございました。
そんなAさんとは初対面でしたが、今回はBさんにAさんをご紹介いただきましたので、改めて感謝を申し上げます。
Bさんとは10年前にお会いして以来の久しぶりの再会でした。
そして、そんなBさんと再会するきっかけを作ってくださったのが誰なのかというと・・・Cさんなのです。
今回の企画の提案を考えた時に、すぐCさんに相談させていただきました。
するとすぐに、Bさんとのパイプをつくってくれました。
Cさんはいつも相談しやすい環境をつくってくれて、今回もCさんがいなければ実現しない企画でした。
本当にありがとうございました。
・・・・・
これは一例ではありますが、ストーリーを感じる話し方というと、こんなイメージです。
メモをする時には箇条書きも有効ですが、話す時にはもうひと工夫が必要なのです。
★HOWの活用
ストーリーを感じる話し方において、2つ目の技術はHOWの活用です。
先ほどご紹介した1つ目の技術は「なぜかというと〇〇で、さらになぜかというと〇〇です」というように、WHYの活用でした。
ここでご紹介するのは「どうしたらいいかというと〇〇で、さらにそれをするためにどうしたら良いかというと〇〇です」というようなイメージです。
ここでは少しビジネスとは離れますが、スポーツ(ゴルフ)の事例をご紹介します。
ゴルフをしている人は分かると思いますが、ビックリするくらいたくさんのレッスン方法や理論があります。
例えば・・・・・
- 体を開かないように打つ
- 腕ではなくクラブに仕事をさせる
- バックスイングでスウェーしない
- ダウンスイングで右肩を突っ込まないようにする
- 腕や手に力を入れない
仮に大切なポイントが100個あったとして、あなたは100個を意識してスイングができますか?
たとえ練習といっても、100個を意識するのは難しいのではないでしょうか。
しかし、次のように言われたらいかがでしょうか?
・・・・・
何よりも大切なのは、インパクトです。
極論当たる瞬間さえ良ければ、良いボールが打てるのです。
しかしインパクトだけを意識しても、良いインパクトは作れません。
では、どうしたら良いのでしょうか?
良いインパクトを作るためには、右サイドが残っているダウンスイングが必要です。
そのダウンスイングを作るためには、深いバックスイングが必要になります。
そのバックスイングを作るためには、下半身からリードするテークバックが必要になります。
そのテークバックを作るためには、懐を作りやすいアドレスが必要になります。
・・・・・
このように言われたら、どうでしょうか?
これがベストアンサーではないかもしれませんが、ストーリーを感じる話し方とはこんなイメージです。
このように、ストーリーを感じる話し方をすることで、相手は情報を理解しやすくなります。
そして情報を理解しやすくなるということは、聞き手はそれを踏まえて、自分の考えに思いを巡らせることができるようになるのです。
一言でいうと、話を聞くことが楽しくなるということです。
それが、ストーリーを感じる話し方の尊いところです。
伝え方については、ぜひこちらもご覧ください。
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