コミュニケーション能力を高めるにはたくさんの要素が必要です。経営コンサルタントとして学んだこと・経験したこと・日々の業務で感じることなど「コミュニケーション能力」に関する情報を中心に配信しています。皆さまの未来に少しでも貢献できれば幸いです!

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言葉選びの大切さ 〜コミュニケーション能力を高めるためには〜

「言葉選び」ってとても大切だし、難しいですよね。

そんな風に感じることは、ありませんか?

私は日本人で、英語が少ししか話せませんが、英語圏の人は日本人と同じように「言葉選び」に悩むのかなと思うことがあります。

なぜならば「私」という言葉を英語で表すと「I」となりますが、日本語だとどうでしょうか?

色々な言い方で表すことができます。

  • ワタシ
  • ワタクシ
  • ボク
  • オレ
  • オイラ(笑)
  • ワシ(笑)
  • ウチ
  • ジブン

たかが「私」でもこれだけの言い方があります。

だから日本語において「言葉選び」は、とても大切なのです。

目次       

  • 心が見える言葉選び
  • 言葉選びの怖さ
  • 言葉選びの素晴らしさ
  • 言葉選びの訓練

心が見える言葉選び  

「言葉選び」を通して、心が見えます。

例えば高圧的な態度を取る人がいたら、どのような心が見えるでしょうか?

例えば、次のような言葉選びです。

  • テメェ〜
  • あの連中
  • こいつら・・・

人によってはその場を和ませるためであったり、笑いを取るために使う人もいるでしょうが、一方では力関係で会話を無理矢理進めたいと思っている人もいるでしょう。

もし後者のような人であれば、あまり魅力を感じませんよね。

また誰かがミスをした時に、問いかける「言葉選び」によっても、心が見えます。

ある人は・・・

「なんでこんなミスをしてるんだ。こんなミスをするなんてありえないぞ。何を考えているんだ!」

一方である人は・・・

「こんなミスは今までの君では考えにくいんだけど、何か困ったことがあったのか?」

どちらが良い選択かはその場の状況によって変わってきますが、ここで大切なことは「言葉選び」によって伝わり方が全く変わるということです。

言葉選びの怖さ    

過去に「言葉選び」の怖さを感じることがありました。

これは、経営コンサルタントを本業としている時のことです。

ある企業のサポートをすることになり、その時に契約を取ったKくんが、そこの企業の社員に今までの経緯とこれからの計画を説明する機会がありました。

そこで彼は、次のようなことを話しました。

 

人間には2通りのタイプがあります。

それは目標を持って周りを動かすタイプと、目標を持たずに周りに動かされるタイプの2つです。

皆さんはどちらを選ばれますか?

 

この時にKくんが伝えたかったことは「目標を持って生きることの大切さ」です。

しかし結果的にKくんは、そこの社員から猛反発を受けて出入り禁止になってしまったのです。

なぜだと思いますか?

それは「目標を持たずに周りに動かされる」という言葉が、猛反発の原因となったのです。

そこの会社は、建設業を営んでいる会社で、その仕事のほとんどは、公共工事でした。

つまり依頼された仕事を納期を守って終えることが彼らのプライドであり、自ら目標を持つということは出来にくい仕事だったのです。

結果的にその「言葉選び」のミスによって、Kくんは彼らのプライドを傷つけることになってしまったのです。

言葉選びの素晴らしさ 

一方でこの「言葉選び」は素晴らしいなぁと思ったことがあります。

それは日テレの藤井アナウンサーの次のような言葉です。

これはコロナ禍で色々な意見がある中で、1年遅れで2021年に東京オリンピックがいよいよ開幕するという時のコメントです。

 

この後、東京オリンピックが始まります。

みなさんはどんな想いでしょうか。

感染拡大が不安でしょうか。

大会前のトラブルに怒りを感じているでしょうか。

「せっかくやるなら応援しましょう」というつもりはありません。

ただ、この大会に純粋な想いを、努力を注ぎ込んできた人がいます。

その人たちへのリスペクトだけは忘れたくありません。

大変残念ですが離れたところから一生懸命応援します。

この後、開会式です。

 

この「言葉選び」って、素晴らしくないですか?

私は、感動してしまいました。

東京オリンピックの開幕を前に「オリンピックはやっぱりやったほうがいい」という人もいましたが、世論の多くは「コロナの感染拡大リスクが大きいから、やめたほうがいい」という意見でした。

そんな中、藤井アナウンサーはどちらの意見の人に対しても共感する言葉を選びメッセージを発したのです。

言葉選びの訓練    

そんな素敵な「言葉選び」ができるようになるためには、どうしたらいいのでしょうか?

正解は私も分かりませんが、やはり多くの言葉に触れることが大切ではないでしょうか。

そのために簡単にできることは、本を読むことです。

新聞でも雑誌でも良いと思いますが、言葉を知らないと選ぶ言葉が乏しいのです。

もしそのような時は「言葉を選ぶ」ことよりも「言葉を知る」ことの方が課題なのです。

そしてさらに上手に「言葉選び」ができるようになるためには、言葉のアウトプットも大切です。

本を書いたり、ブログを書いたり、日記でもいいと思いますが、藤井アナウンサーは日記をお勧めしていました。

アウトプットをすると「言葉選び」が間違いなく上達します。

そしてアウトプットをすると、自分自身の未熟さを痛感することで、ますますインプットの必要性を感じるのです。

こんな相乗効果でもっともっと上手に「言葉選び」をしたいと思う、今日この頃です(笑)

言葉遣いに関しては、こちら「伝える技術の基本 〜言葉遣い編〜」もぜひご覧ください。

また、言葉を紡ぐ文章に興味のある方は、ぜひこちら「あなたの文章はなぜ読みにくいのか?」をご覧ください。