営業において「成約」というゴールの前にあるのがクロージングですが、さらにその手前にあるのがセミクロージングです。
このことを、頭の中で「図」として理解しておくことが大切です。
例えば、このような図です。
「図」で理解しておくと、目の前の様々な課題をクリアしやすくなっていきます。
なぜかというと、それは課題を整理し、理解しやすくなるからです。
その「図」の大切さを踏まえた上で、営業活動の大取りを務めるクロージングの価値を考えてみましょう。
目次
- 見える景色を変える
- クロージングの価値
見える景色を変える
営業においてセミクロージングとクロージングを、階段のようなイメージで捉えている人が多いかと思います。
例えば、次のようなイメージでしょうか?
このステップの途中がセミクロージングで、一番上にある「成約」の前の最後のステップがクロージングというイメージです。
このように「図」で理解することは大切ですが、どのような「図」で捉えるかも重要です。
ちなみに、この「図」でクロージングが「未成約」になってしまうと、その段階で「ジエンド(the end)」になってしまいます。
では、そうならないようにするためには、どうしたら良いのでしょうか?
その時に、仮に次のような「図」を頭に描いていたらどうでしょうか?
クロージングして、仮に「未成約」になったとしても、その瞬間に「情報の再確認」のステップに進むと最初から理解していると、捉え方は変わってくるかもしれません。
ちなみに「未成約」後の「情報の再確認」のステップでは、次のようなチェックが必要です。
①「〇〇したい」や「〇〇を得たい」という夢や願望の情報は、正しいものなのか?
相手の夢や願望を、正しく理解できているかの確認です。
②「〇〇したくない」や「〇〇を失いたくない」という不安や恐怖の情報は、正しいものなのか?
相手の不安や恐怖を、正しく理解できているかの確認です。
③ 先ほどの①と②をなんとしても実現したい(もしくは改善したい)というエネルギーは、相手にあるのか?
「馬を水辺につれていけても水を飲ませることはできない」の諺の通りですね。
④こちらからの提案に対して、心から期待してくれているのか?
期待してくれていなければ、成約はありませんよね。
⑤費用に以上の効果を予測できているか?
「どれだけ費用をかけてでもやりたい」という強い感情がある場合は別ですが、多くの場合は成約の前に費用対効果を検証する場面があります。
ここで①〜③を確認する必要がある場合には、おそらくその商談はうまくいきません。
だから、セミクロージングをする前に、①〜③の内容は、正しく把握しておかなければいけません。
そして④と⑤を確認する必要がある場合には、その場でヒアリングし、次回に向けての宿題とするのか、すぐに再クロージングをするかの判断をします。
この繰り返しを行っていくことで、クロージングの先にある「成約」というゴールが見えてくるのです。
クロージングの価値
こうやって考えると、クロージングそのものハードルが下がってきませんか?
だからクロージングができる人は、クロージング自体の負荷が少ないのですが、反対にクロージングに躊躇する人は、クロージング自体の負荷が大きくのしかかっているのです。
一方でクロージングができる人は、クロージングの重要性を理解しているので、その前段階となる正しい情報収集や、相手の立場に立ったシミュレーションや、ストーリー設計などを深く濃く考えているのです。
では最後に、営業のクロージングにおいて最も大切なことをご紹介します。
それが、クロージングの価値です。
クロージングは、決して「成約」を取るための行為ではありません。
そうではなく、クロージングは「相手の決断を後押しする行為」です。
だから相手は「背中を押してほしいと思っているのか?」ということや、それと共に「どのように背中をしてほしいと思っているのか?」ということを理解することが大切です。
夢や願望、さらに不安や恐怖を感じていても、未来に向けて自分で何かを意思決定するということは勇気がいるものです。
自分ではやらなければいけないと分かっていても、なかなか意思決定ができないということもあります。
だから何か「決める」ということは、とってもエネルギーのいることなのです。
そんな時に「相手の決断を後押しする」というクロージングという行為が大切になってくるのです。
その結果「成約」というゴールに到達できるのです。
だからクロージングは、相手を応援する行為であり、その後の「成約」とは相手に喜ばれる行為なのです。
だから営業をしていくと、人として成長していくし、人生もハッピーになっていくのです。
少なくとも、私はそのように思っています。
クロージングの事例については、こちら「営業職とは 〜クロージングのポイント〜」をご覧ください。