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交渉力, 営業の仕組み化

ルート営業におけるイメージマップの活用

ルート営業において、ノルマや目標をクリアしようと思うと、数字で計算をすることが大切になってきます。

とても簡単にいうと100万円の売上を上げるために、1万円の商品を100人に売ることが必要だというような計算です。

このような考え方はとても大切ですが、これを意識しすぎると、自分視点が強すぎる結果になってしまいますので、要注意です。

ここではルート営業という観点において、視点を変えるだけで、イメージも成果も変わったという事例をご紹介します。

目次       

  • コーヒーのルート営業
  • 置き薬のルート営業

コーヒーのルート営業 

オフィスコーヒーのルート営業をしていた時の事例です。

私は20代半ばまで、プロゴルファーを目指していた経緯もあり、一般社会人としてのデビューは普通の人よりも遅いものでした。

そこで最初に定職についたのが、ルート営業でした。

その最初の定職で、私は一般社会人の負の部分を知ることになりました。

それはいわゆる、仕事帰りに居酒屋で愚痴を言い合うような光景です。

一般社会ではやはりこういう光景があるのだという実感と、やりたくなければ辞めればいいのにという率直な思いがありました。

 

一方で、仕事を通じての学びもありました。

オフィスコーヒーのルート営業とは、コーヒーサーバーを契約している法人企業に対して、定期的なメンテナンスを行うと共に、コーヒーの在庫を確認し、補充する(販売する)というものです。

私が入社した時に前任者であるN先輩からの引き継ぎを受けていると、次のようなアドバイスをもらいました。

 

契約しているお客様が来客用に出すコーヒーの量なんてある程度決まっているから、普通にやっていたら売上を増やすことはあまりできない。

だから、敢えて薄いコーヒーをお勧めするんだよ。

そうすると消費が増えて、少しだけ売上が上がるんだよ。

 

これを聞いた時に「なるほど~」とは思いましたが、全く共感はしませんでした。

なぜならば、お客様が喜ばないからです。

その時のルート営業のイメージマップは、次のようなものになります。

一方で、お客様の立場に立ってルート営業をしている先輩もいました。

その先輩と同行させてもらうことで、ルート営業の楽しさを発見できました。

そこからは、全く視点が変わりました。

 

私は、問いかける技術を意識しながら、まずは人間関係づくりを進めていきます。

すると、次のような情報を収集できたのです。

 

それはコーヒーの使い道は、ほとんどが来客用ですが、許容範囲の中で社員さんも飲んでいるというものでした。

そこで各企業(お客様)の中で、仲の良い社員さんに色々と聞くと「そりゃ~私たちだってどうせなら美味しいコーヒーが飲みたいですよ~」という返事が返ってきました。

そしてお客様に対して、美味しいコーヒーや、人気のあるコーヒーなどの情報を提供していると、驚きの変化が起きました。

 

その驚きとは、社員さんが自分たちでお金を出し合って、自分たちで飲むコーヒーを別途頼もうというようになったことです。

個人で買うには少し割高のコーヒーだと思い、その理由を聞くと「コーヒーの色々な情報を見ながら飲み比べする楽しさがあるからいいんですよ~」という答えが返ってきました。

結果的に、ルート営業としての売上も伸び、お客様もとても喜んでくれ、仕事の楽しさを実感できた事例でした。

その時のルート営業をイメージマップにすると、次のようになります。

ルート営業において、お客様が望む「理想」は何なのかを、相手の立場に立って考えることで、自分のやるべきこともイメージも変わっていくのです。

置き薬のルート営業  

ルート営業の中で、置き薬営業というものを知っていますか?

これは、ご契約いただいている個人宅や法人企業にお薬箱を置かせてもらい、定期的に訪問する中で、お薬箱の在庫を確認し、ご使用いただいた薬を補充する(販売する)というルート営業です。

先程のオフィスコーヒーのルート営業と同じように、基本的に営業が行うことは、在庫の管理と商品の補充(販売)です。

 

ここでも、相手の立場に立った考え方が大切になります。

まずお客様が望んでいることは、本当に「薬を切らしたくない」ということなのでしょうか。

薬を切らしたくないと思う理由は、健康に不安があったり、万が一の時に安心できるようにしておくためです。

 

ちなみに、あってはならない話ですが、先程のオフィスコーヒーのルート営業の事例で「薄いコーヒーを補充する」という発想でいくと、薬を飲まざるを得ない状況をつくるということになります。

ということは・・・大変です!!

これでは、お客様の健康を害するという危険な提案になってしまいます。

当たり前ですが、こんな発想では天罰が当たりますし、その前に場合によっては犯罪です(笑)

 

では、どうすれば良いのでしょうか?

まずこのお客様の望んでいることは「薬を切らしたくない」ということではなく「健康の不安をなくしたい」ということです。

だから理想は、お薬箱にある薬を一切使わずに日々健康でいられることなのです。

でもそうなると、置き薬のルート営業としては、薬の売上が上がらないことになってしまいます。

さあ~どうしましょう???

 

ちなみに、この会社が預かっている商品は、薬だけではないのです。

日々の健康を促進したり、維持するための商品も扱っているのです。

ということは、そのルート営業をイメージマップにすると、次のようになります。

もしこんなことでお客様が喜んでくれたら、どんなことが起きるでしょうか?

あなたが、このお客様だったらどんな気持ちになって、どんな行動をとりますか?

 

・きっと今まで以上に、聞く耳を持って接してくれるでしょう。

 →この時点で、人間関係の距離は近くなっていますね!

 

・良いと思う商品を、友だちに紹介してくれるかもしれません。

 →薬は紹介できなくても、身体に良いジュースだったら友だちにも言いやすいかもしれません。

 →「お友だちで同じようにこれが欲しいって言いそうな方はいますか?」と訊いたら、誰かを紹介してくれるかもしれません。

 

・ルート営業の人に、何かお返ししたいと思うかもしれません。

 →定期的に来る時に「いつものを置いて行って~」と言って、無条件で定期的に購入してくれるかもしれません。

 →商品だけでなく「ぜひあなたに紹介したい人がいるの~」と言って、誰かを紹介してくれるかもしれません。

ルート営業においてイメージマップを活用し、お客様が望む「理想」は何かを相手の立場に立って考えることで、自分のやるべきことも変わってくるのです。

健康になる提案をする中で、おまけのような形で薬の補充(販売)ができると最高ですね!!

イメージマップの描き方については、こちら「営業におけるイメージの描き方と考える力」をご覧ください。

交渉について興味のある方は、ぜひこちらもご覧ください。


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