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「諦める」ことが「前向き」な時もある

「諦める」という言葉を聞いて「前向き」と感じる人は少ないのではないでしょうか?

しかし、本当にそうでしょうか?

大切なことは「諦める」という言葉での判断ではなく「前向き」の定義を明確にすることです。

「前向き」とは「自分の影響が及ぶ範囲に注力すること」と私は定義しています。

だから「諦める」という言葉だけでは、後ろ向きとは限らないのです。

目次         

  • 諦めなければ夢は叶う
  • 雪国の話
  • 諦める対象

諦めなければ夢は叶う 

「夢」ってもの凄いエネルギーがあるし、人生のモチベーションになります。

だから持っていたほうがいいし、私も常に意識しています。

日々「夢」を意識してまっしぐらに向かっている時もあれば、昔あった「夢」は何処へと、その向かう先自体を見失ってしまう時もあります。

 

そんな「夢」ですが・・・

「諦めなければ夢は叶う」って本当でしょうか???

 

「諦めなければ夢は叶う」というテーマで話をされる人が多くいます。

そのような講演を私もよく聞きますが、とにかく元気をもらうことができます。

 

そこで話される人は、自分の経験を通して「諦めなければ夢は叶う」から「自分を信じて頑張ってください」というエールを送ってくれるから、相手に元気が届くのだと思います。

 

しかし「諦めなければ夢は叶う」ということは、全てにおいて当てはまるのでしょうか?

残念ながら、人生はそんなにうまくはいきません。

逆にうまくいかないから、人生は楽しいのです。

 

私も諦めずに夢を叶えたこともありますし、夢を諦めたこともあります。

私は、過去にプロゴルファーを目指していた時期がありました。

研修生として日々を送っていた5年間は、それはそれは自分でいうのもなんですが・・・、なかなかストイックに取り組みました。

ほどほどにやっていればよかったのに、痛みに堪えて練習をしたことで、手首の靭帯を痛めて人生初の手術も経験しました。

そんな直向きな日々を送っていましたが・・・

結果的にプロの道を「諦める」という選択をしました。

しかし諦めずに続けていたら、果たしてプロになれた(夢を叶えられた)のでしょうか?

もちろん練習の質や量、肉体的才能、コーチなど、様々な要因があるかと思いますが、諦めずにやってプロになれたという自信はありません(笑)

そのくらいレベルの差を痛感しました。

 

また「成功する秘訣は成功するまでやり続けること」という言葉もありますが、これも全てに当てはまることではありません。

大切なことは、そのような気概を持ちながら努力をすることです。

やり続けて頑張ることも大切ですが、時にはやっていることを見直して違うことをしてみたり、やり方を変えてみることが必要な時もあります。

きっと人生においては、何事もバランスが大切なのだと思います。

だから「諦めなければ夢は叶う」こともあるし、もし夢が叶わなかったとしても、決して悲観することはないのです。

大切なことは結果ではなく、捉え方であり考え方なのです。

夢自体が大切なのではなく、夢に向かう日常が尊いものであり、人生の喜びなのです。

雪国の話       

時には「諦める」ことが「前向き」なこともあります。

 

北海道に住んでいる知人から聞いた話を、ご紹介します。

北海道では誰もが知っているように、冬に雪が降ります。

それも、日常生活に支障をきたすような大雪が降ることも珍しくありません。

 

天気予報を見ていて、北海道で降る雪の映像が紹介された時に「綺麗だな〜」と感じる人は、そこで生活をしたことのない人であって、雪国にいる当の本人はそんなことは思っていません。

雪国に住んでいる人が、雪が降っているのを見て思うことは「どうやって雪かきをするかな〜」ということだそうです。

 

そんなことを電話で話している時に、私が「少しでも雪が降らないといいですね〜」と何気なく言ったら、次のような返事が返ってきました。

「雪は仕方がないんですよ。自然現象には勝てないんだから、諦めるしかないんですよ」

果たしてこのコメントは、前向きでしょうか?それとも後向きでしょうか?

諦める対象      

「自然現象だから、諦めるのは仕方がない」とほとんどの人が感じるのではないでしょうか?

つまり「諦める」こと自体は、前向きでも後ろ向きでもないのです。

大切なことは「諦める」対象が何(どんなこと)かということなのです。

自分にはどうしようもないことに対して「諦める」ということは、選択肢を絞ったという前向きな捉え方とも言えます。

雪が降らないようにするために、自分にできることは99%ないのです。

このように、諦める対象が何かによって前向きかどうかが決まってくるのです。

だから前向きとは「自分の影響が及ぶ範囲に注力すること」であり、自分の影響が及ぶ範囲のことを考えることなのです。

自分の影響が及ばない範囲のことをいくら考えても、残念ながら自分の力で未来は変えられませんので!!

さらに詳しく知りたい方は、こちら「前向きになれる言葉」もご覧下さい。