何かを伝えようとしている時に「ノッテきた~」という感覚ってありませんか?
そんな「ノッテきた~」という時は、不思議とスラスラと話せるし、楽しいと感じるものです。
いくら時間が長くても、あっという間に時間が過ぎてしまうような感覚になるでしょう。
一方で、何かをインプットしようと話を聞いている時に「引き込まれていく」という感覚ってありませんか?
そんな「引き込まれていく」時は、不思議と時間を長く感じないし「もっともっと」と興味津々になるものです。
そんな風に聞いてもらえるような話をしたいと思いますが、なかなかうまくはいかないものです(笑)
日々勉強です(笑)
そんな中で話し手と聞き手の温度差を確認することは、伝える力においてとても大切です。
目次
- あるインタビュー
- 温度差を知る
- 問いのジャブを入れる
あるインタビュー
あるプロゴルファーのインタビューで、次のようなやりとりがありました。
記者
若手の誰が出てきてもおかしくないような戦国時代ですが・・・それについては・・・。
選手(ちなみにこの選手は一時代を築いた素晴らしい選手です)
だから、それだけ層が厚いってことだろ!
それに昔と違って世界は完全にメジャーに・・・
この選手が今までの過去を振り返るように、記者とは反対のほうを向いて思いにふけりながら語り始め、顔の向きをもとに戻して、質問をしてきた記者のほうを振り返ると、なんとその記者が反対方向を見てカメラマンと打ち合わせをしていたのです。
これはとても失礼な態度です!!
そりゃ~そうですよね~(笑)
しかし、ユーモアのあるこの選手はそこで「おい、人の話を聞いているのかよ〜」と言って、記者に指摘すると共に、周りにいる他の記者の笑いをとってその場を和ませたのです。
この選手にユーモアがあったからよかったのですが、人によっては「人の話を聞いているのかよ〜」と不満に感じながらも、それを指摘することなく、もちろん笑いを取ることもなく、話を続ける人もいるかもしれません。
建前という言葉があるように、誰でも本音を表に出すわけではないのです。
先ほどの場面は「こちら(10分45秒経ってから30秒ほどの映像です)」をご覧ください。
だから相手との温度差を理解しながら、伝え方を考えるだけで、伝える力は変わってくるのです。
伝える力の基本は「相手の目線に合わせること」です。
詳しくはこちら「伝える技術の基本 【言葉遣い編】」をご覧ください。
温度差を知る
先程の話はある一例ですが、話し手と聞き手に温度差があることはよくあります。
この事例のように温度差が態度で見える時は良いですが、見えない時も多くあります。
話し手が「ノッテきた~」と思って、相手が「引き込まれてきた〜」と思っていても、実は聞き手が「話が長いな〜」と思って聞いているということがあります。
これでは残念ながら、話し手が伝えたいことは伝わらないのです。
問いのジャブを入れる
一対一であれ、人前で話す時であれ、何かを伝える時に温度差を確認しながら話をすることはとても大切です。
一対一の面接などでは、相手の表情を見ることや、目や手や口の動きで相手の温度を確認することもできますが、これはなかなか難易度が高い行為です。
だからこんな時には、もっと簡単に相手との温度差を確認できる方法があったらいいですよね!?
その簡単な方法とは「問いを投げる」ことなのです。
例えば、次のような問いです。
- ここまでで、分からないことはありませんか?
- ここまでで、何か質問はありませんか?
- ここまでの話は、どうですか?
- ここまでの話について、ちなみにあなたはどう思いますか?
- ここまでで、何かシェアしておきたいことはありますか?
この問いは、必ずしも返事が返ってこなくてもいいのです。
なぜならば、問いのジャブを入れることで、その場の空気が変わり、相手の表情が変わり、相手との温度差を知ることができるからです。
これはビジネスを例にした話ですが、何もビジネスに限ったことではありません。
例えば、友だちとの会話で・・・
・最近何かいいことあった?
⇒こうやって聞くと、いいことがあったかどうかは感じ取れます。
・今どのくらいエネルギー残ってる?
⇒こうやって聞くと、疲労困ぱいかそうでないかは感じ取れます。
例えば、子どもとの会話で・・・
・学校は順調か?
⇒こうやって聞くと、学校生活がとっても順調か、そこまでではないかは感じ取れます。
・最近は友だちと何して遊んでるの?
⇒こうやって聞くと、友だちと楽しくて仕方がないのか、そこまでではないかは感じ取れます。
コミュニケーションは相手がいて、はじめて成立する行為です。
だから何かを伝えたいと思う時には、伝えたい人がいるはずです。
一対一であれば分かりやすいかもしれませんが、それ以外でも伝えたい人はいるのです。
そんな時に、伝えたい相手との温度差を確認することが、伝える力の大切な技術の1つなのです。
「伝える力」にさらに興味のある方は、こちらもぜひご覧ください。
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