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色々なスキル, コミュニケーションの仕組み化

ミーティングにおいてファシリテーターがやってはいけないこと 〜反対意見を○○〜

ファシリテーターがミーティング中に流れを変えたい時には、自ら意見を言うよりも、その場にいる人に話をしてもらうことが大切です。

だから、ファシリテーターにとって大切なスキルの1つは「問いかける力」なのです。

そして、その「問いかける力」をつける前に「問いかける」ことが大切であるという認識が、ファシリテーターにとっては大切なのです。

目次       

  • 問いかけ方
  • 人の見極め
  • してはいけないこと

問いかけ方      

「問いかける」ことが大切といっても、ただ問いかければ良いというわけではありません。

ファシリテーターとしては、とにかく「問いかける力」をつけていくことが大切なのです。

これは奥深いテーマですが、大切なポイントを1つご紹介します。

それは「2つの問いかけ方がある」ということを、理解することです。

 

まず1つ目がこちらのクローズドクエスチョン」です。

これは問いかけた時に、相手が「YES」もしくは「 NO」のどちらかで、答えられるような質問のことです。

 

例えば、次のような質問になります。

  • あなたは、これが好きですか?
  • あなたは、18時に家にいますか?
  • あなたは、レポートをもう仕上げましたか?

 

このような質問は、相手が「YES」もしくは「 NO」のどちらかで答えられるかと思います。

このクローズドクエスチョンは、相手が答えやすく会話にリズムが生まれるという利点がありますが、一方で話が広がりにくく、使いすぎると質問攻めのようなことになってしまう危険性があります。

 

そして、もう1つがこちらの「オープンクエスチョン」です。

これは問いかけた時に、相手が「YES」もしくは「 NO」のどちらかで、答えられないような質問のことです。

 

例えば、次のような質問になります。

  • あなたは、何色が好きですか?
  • あなたは、何時に家に帰りますか?
  • あなたは、どんなレポートを書いていますか?

 

このオープンクエスチョンは、話題が広がり会話が発展していくという利点がありますが、一方で相手が答えにくく会話のリズムが止まってしまう危険性があります。

このように、問いかけ方には大きく2通りあることを理解しておくことが大切であり、このことは、ファシリテーターにとって、とても大切な要素になります。

人の見極め      

では、このような「2通りの問いかけ方」を理解した上で、ファシリテーターとして大切なことは何でしょうか?

それは、その場にいる人を「見極める」ということです。

何を見極めるのかというと、それは「その人がどんな意見を持っているのか」を把握するということです。

あなたが、ファシリテーターとして「流れを変えたい」と思い、問いかけを意識したとします。

そして「こうやって流れを変えたい」と思って、その場にいるある人に問いかけたら「いや〜私は違う意見なんですけど」と言われてしまったら、どうでしょうか?

時には、こういうこともあるかもしれません。

しかし、このようなことが頻繁に起こってしまったら、ファシリテーターとしては、ミーティング全体をコントロールできなくなってしまいます。

だからファシリテーターとしては「2通りの問いかけ方」を意識しつつも、誰に問いかけるかを見極めることが大切なのです。

そして、コミュニケーションおいても、ファシリテーターとしても、相手の立場に立って考えることが大切なのです。

してはいけないこと  

ファシリテーターとしての大切なポイントは理解できたと思いますが、やってはいけないことはないのでしょうか?

ミーティングにおいて「2通りの問いかけ方」を意識して、その場にいる人を見極めて、誰かに問いかける時に、ファシリテーターとしてやってはいけないことがあります。

それは、反対意見を持っている人がいた時に、その意見を封印して進めてしまうことです。

これをしてしまうと、反対意見を持っている人のミーティングに対する参加意欲が薄れてしまいます。

人によっては、不貞腐れる人もいるかもしれませんし、人によっては、ミーティング後に決定したことを受けても、行動に移さない人がいるかもしれません。

要は納得しないまま、ミーティングを終えてしまう可能性があるということです。

 

すべてのミーティングにおいて、満場一致という結果はあり得ません。

しかしミーティングにおいて、反対意見を持っている人に対して、ファシリテーターは問いかけをして、意見を言う機会を与えることが大切なのです。

そしてその機会を与えた上で、その人がもし反対意見を言わない時には、それは「賛同した」という意思表示にもなるのです。

仮に心の中で「私は反対だ」と思っていても、意見を言わなかったことで、その本人には「賛同するしかない」という必然の納得感が生まれてくるのです。

このようにファシリテーターとしては、常に「問いかける力」が必要であることを理解しておくだけでも、スキルアップに繋がっていくのです。

ファシリテーターの役割については、こちら「ファシリテーターとは」をご覧ください。

コミュニケーションの基本については、こちら「課題が分かるシリーズ」をご覧ください。