「ファシリテーター」という存在を知っていますか?
ファシリテーターとは、ミーティングなどを円滑に進めていく上で大切な存在です。
しかし、司会進行役とは少し違うのです。ここがよく混同されてしまうところなのですが、ファシリテーターとは、もっとスキルフルで魅力的な役割なのです。
ここではファシリテーターの7つの役割と、1つのスキルアップ方法をご紹介します。
目次
- ファシリテーターとは
- ①目的の明確化
- ②中立の立場
- ③雰囲気作り
- ④ストーリー設計
- ⑤タイムマネジメント
- ⑥意見のまとめ
- ⑦決定事項の確認
- スキルアップの方法
- さいごに
ファシリテーターとは
ファシリテーターの私の捉え方は「ミーティングを目的に沿ってコントロールし、成果をあげられるようにマネジメントする人」です。
ちなみにGoo辞書を見ると、このように書かれてあります。
1 物事を容易にできるようにする人や物。また、世話人。
2 集会・会議などで、テーマ・議題に沿って発言内容を整理し、発言者が偏らないよう、順調に進行するように口添えする役。議長と違い、決定権を持たない。
では司会進行とは少し違う、ミーティングにおけるファシリテーターの7つの役割をご紹介します。
①目的の明確化
目的を明確にすることがファシリテーターの役割であり、何事も目的が大切です。
何のためにミーティングをするのか?
いろいろな目的があると思いますが、例えば・・・。
- 〇〇を決める
- 〇〇についての意見を出す
- 〇〇の問題を見つける
- 〇〇の意見を検討する
- 〇〇の対策を決める
ちなみに「考える」と「決める」では目的が全く違います。
②中立の立場
ファシリテーターは、ミーティングを円滑に進めていく役割を担っています。
だから自分の主張をすることなく常に中立の立場を守り、客観的にミーティング運営を心がけます。
③雰囲気づくり
ミーティングの目的を考えたら、どのような雰囲気が必要かを考えます。
例えば・・・。
「重要なことを決める」という目的のミーティングであれば「ピリッとした雰囲気づくり」が必要です。
そのためには、どうしたらよいでしょうか?
雰囲気づくりは、ミーティングを開催する前からできることです。
例えば、ミーティングの目的を事前に伝え、どれだけ重要なミーティングであるかを伝えることができます。
例えば・・・。
「意見を出し合う」という目的であれば、意見が出しやすい「安心安全な雰囲気づくり」が必要です。
そのために、ミーティングの始まる前にリラックスできるような音楽を流したり、積極的に雑談をすることもできることの1つです。
④ストーリー設計
ファシリテーターは、ミーティングを目的に沿ったものにするために、事前にストーリーを考えます。
当然事前に設計したストーリー通りにいかないミーティングもありますし、その方が多いでしょう(笑)
しかし事前にストーリーを考えておくと、その都度修正することができますし、目的に沿ったミーティングを運営することができるのです。
事前のストーリー設計は、イメージトレーニングのような効果があります。
⑤タイムマネジメント
ミーティングは、長くやれば良いというものではありません。
決めた時間の中で、いかに目的に沿ったミーティングができるか、時間をコントロール(タイムマネジメント)することがファシリテーターの役割です。
事前のストーリー設計で、1時間を4つのパートに分けて考えていたとしても、最初のパートで時間を使いすぎることもあります。
その時には、進捗状況を踏まえて、時間配分を修正していき、全体のタイムマネジメントをする役割が、ファシリテーターにはあります。
⑥意見のまとめ
ミーティングでは色々な意見が出ます。
もし意見が出なければ、意見が出るような仕掛けが課題になります。
そして出された意見には、前向きなものもあればそうでないものもあります。
それらの意見を目的に沿ったゴールに向かうために、整理しまとめることがファシリテーターに求められる役割になります。
⑦決定事項の確認
よくあるミーティングとして、次のようなパターンがあります。
「〇〇を決める」という目的のミーティングにもかかわらず、様々な意見が出て、最終的に「たくさん意見が出て良かったね」と終わってしまうパターンです。
こんなことってありませんか?
ファシリテーターの役割は「ミーティングを目的に沿ってコントロールし、成果をあげられるようにマネジメントする」ことです。
「〇〇を決める」という目的のミーティングでは、決定事項がそのミーティングの質を物語ります。
スキルアップの方法
ではこのようなファシリテーターのスキルを、どうやって身につけたら良いのでしょうか?
ここでは1つの事例を、ご紹介します。
先日あるミーティングを開催する時に、ファシリテーターを分担することで次のような3つの役割を設けました。
司会進行担当
議題に沿ってミーティングを進行し、タイムマネジメントをします。
合いの手担当
もったいない無言の「間」をつくらないために、次のことをして「間」を埋めます。
①共感トーク
- 「あ~なるほど~」
- 「あ~そういうことですね~」
- 「あ~そういう考え方があるんですね~」
- 「あ~○○っていうことですね~」○○は相手の言ったことを復唱
- 「あ~面白い意見ですね~」
②バトンタッチ
- 「他の人はどう思いますか?」
- 「○○さんはどう思いますか?」
議事録担当
決まったことを確認します。
- 責任者を確認する
- 期日を確認する
- 報告ルールを確認する
結論からいうとこのミーティングは、とても有意義で面白いものとなりました。
特に「合いの手担当」は、スキルアップにお勧めです。
ミーティング中に「間」ができたら「司会進行担当」はすぐに「合いの手担当」に目配せをします。
すると・・・。
「合いの手担当」は、「共感トーク」もしくは誰かに「バトンタッチ」をする役目を果たさなければなりません。これがとても勉強になります。
そして最後に「司会進行担当」は「議事録担当」に決まったことをシェアしてくださいと話を振ります。
そうすると、決まったことがいかに少ないかを実感できます(笑)
さいごに
何事も当事者意識(自分ごととして捉える)を持つことが、スキルアップの大切な要素です。
これは、ファシリテーターに限ったことではありません。
そして「スキルアップをするために何をすれば良いか」という具体的な目標を意識することも大切なのです。
ファシリテーターのスキルは、どこの組織でも重宝されます。
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