今回のテーマは、交渉力を高める簡単なコツです。
「交渉」や「商談」がうまい人とそうでない人がいます。しかし、これは天分ではなく技術です。
技術ということは、訓練すれば誰でも上達するということです。
目次
- はじめに
- 4人の事例
- 大切な関係づくり
- さいごに
はじめに
交渉力というとちょっとハードルが高いと感じる人もいるでしょうが、これはコミュニケーション能力の延長にある技術です。
「交渉力を高める」ことは誰にでもできて、誰にでも必要な技術です。
今回は1つだけお伝えします。
それは、「約束を守る(守らせる)関係をつくる」ということです。
4人の事例
先日、こんなことがありました。
あるプロジェクトの事務担当者から、各営業担当に次のような発信がありました。
「お客様から、5日以内に〇〇を回収ください」
すると4人の営業担当の結果は、次のようになりました。
Aさん:2日後に全顧客から回収。
Bさん:2日後に大半の顧客から回収。
未回収の顧客には既に連絡済み。
Cさん:3日後に一部の顧客から回収。
しかし未回収の顧客は把握できていない状況。
Dさん:5日後に一部の顧客から回収しただけ。
返事がなく連絡が取れない顧客もいる状況。
この結果は、何を物語っているのでしょうか?
これはズバリ、その顧客との関係を物語っています。
大切な関係づくり
さて、それはどのような関係でしょうか?
それが「約束を守る(守らせる)関係」です。この関係構築は、交渉力の差とも言えます。
では、そのような関係をつくるためにはどうしたらいいのでしょうか。
ポイントは、3つあります。
1つ目は・・・、
「約束をする」ことです。
何かを伝えるだけでは物足りないのです。こちらから約束をするのです。しかし決して難しいことではありません。
例えば、「いついつまでに送ってください」と、期限を伝えるだけでいいのです。例えば上記のAさんであれば「明後日中に送ってください」と約束をしているのです。
そして、CさんとDさんは、期限を伝えていないのです。これが、約束をしていないということです。
この習慣づくりは、日々の積み重ねです。
2つ目は・・・、
「約束を守る」ことです。
言葉にすると、とてもシンプルなことですが、交渉だけでなく、人間関係構築においても、最も大切なことです。
この習慣ができている人は、相手に関係なく小さな約束を大切にします。
特に自分よりも地位が低い人や、力の弱い人との約束を大切にしているかどうかで、その人の習慣が分かります。
些細な約束を、大切にするということです。
つまり、相手と約束をしていようがいまいが、自分で決めた約束を守るという習慣を持っているのです。
そしてそのような人は、もし相手との約束を守れそうにない時にでも、必ず事前に詫びを入れます。
そして3つ目は・・・、
「約束を守らせる」ことです。
約束を守らせるという言葉から「高圧的に接する」というイメージを持つ人がいるかもしれませんが、そうではありません。
もちろん高圧的に接することで、約束を守らせることもできますが、そうするといつも高圧的にならなければいけません。そして、高圧的な態度を取れない相手には、約束を守らせることができなくなってしまいます。
そうではなく、自ら「約束をして」、自ら「約束を守る」姿勢を相手に見せることで「約束を守る(守らせる)関係」を構築していきます。
その関係構築こそが、交渉力アップに繋がるのです。
そう考えると誰にでも、できることではないでしょうか?
なぜならば、それは自分の努力でできるからです。
①の「約束をする」と、②の「約束を守る」が、誰でもできる交渉力アップです。そして、そのご褒美が③の「約束を守らせる」であり、結果的に交渉がうまく進むのです。これはコミュニケーションにおいても同様のことです。
さいごに
①の「約束をする」について、よくある質問をご紹介します。
質問A:「自分から何かをする場合は、どうしたらいいですか?」
答えA:今回は、お客様から送ってもらうという事例でしたが、自分が送る時でも同じことが言えます。
具体的にいうと「かしこまりました」ではなく「本日の15時までに送ります」という約束をすればいいのです。
質問B:「相手に〇〇までに送ってください」という言い方がしにくい場合は、どうしたらいいですか?」
答えB:そんな時は「ちなみにいつまでに送れそうですか?」という問いを投げ、その答えに対して「それでは◯◯までによろしくお願いします」と復唱すればいいのです。
「交渉力を高める」簡単なコツは以上ですが、いかがでしょうか?
今回は「約束を守る(守らせる)関係づくり」というテーマをご紹介しましたが、交渉力を高めるコツとはもっともっと奥の深いものです。
交渉力を高める簡単なコツについて、さらに興味のある方はぜひこちらの書籍(ビジネスシーンで使える「相手に喜ばれる交渉術」の5ステップ)もご覧ください。