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交渉術の仕組み化④ / 勝利の方程式

交渉において、「問い」が重要であり、そのために「問い」を発するトレーニングが必要であることを「交渉術の仕組み化③ / ロープレの導入」でご紹介しました。

その過程があって、初めて交渉の場に向かう条件が整ったといってもいいでしょう。

ここでは交渉を上手に進めるための、交渉術の勝利の方程式をご紹介します。

結論から言うと、それは自分自身の得意な「型」をつくることです。

ここでは3つご紹介します。

目次         

  • 勝利の方程式トーク
  • 交渉ロジック
  • 見せる技術
  • おさらい

①勝利の方程式トーク 

基本的に交渉の場において、2度目はありません。

1度目の席を成約、もしくは次のステージへ繋げることができなければ、交渉は成立しません。

交渉の最後に「一度検討させていただいて、何かありましたらこちらからご連絡します」と言われてしまったら、アウトです。

「問い」を与えられずに、交渉相手に主導権を握られて、終わってしまうパターンです。

そこで大切な勝利の方程式は、基本的に2つあります。

  • つかみの10秒トーク
  • 続けさまの10秒トーク

簡単にいうと、20秒のトークを身に付けるということです。

交渉のスタートでは、深い話になっていませんし、人間関係もできていません。

だから最初はアイスブレイクで雰囲気をつくる必要があります。

アイスブレイクとは、初対面の人同士が出会いその緊張をときほぐすことです。

そしてその後に出てくるのが、「つかみの10秒トーク」です。

これは、本題に切り替える際のトークです。

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例えば・・・

  • 今、助成金を活用すると教育費が実質タダで行えるってご存知ですか?
  • 10万円の広告が完全後払いで、成果が出なかったらお支払いしなくて良い商品をご存知ですか?
  • もし携帯電話を変えたら、10万円の商品券をもらえたら嬉しいですか?

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「つかみの10秒トーク」は「問い」であることが条件です。

そしてその答えを受けて登場するのが・・・

続けざまの10秒トーク」です。

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例えば・・・

  • 教育費といっても色々とありますが、現在御社で行なっている教育とはどのようなものがありますか?
  • 今回ご紹介する広告の商品は、インターネット広告なのですが、現在インターネット広告は何か活用されていますか?
  • 嘘のような本当の話を3分で説明できるのですが、お時間はありますか?

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「続けざまの10秒トーク」も「問い」であることが条件です。

交渉の内容にもよりますが、この「続けざまの10秒トーク」の後に、一度セミクロージングをする場合もあります。

②交渉ロジック    

簡単にいうと、交渉の目的にたどり着くまでに、どのような道があるかを絵で表すことです。

「文」ではなく「絵」で表すことに意味があります。

これを、交渉ロジックマップと私は呼んでいます。

この交渉ロジックマップを描けている人は、話ながらでも頭の中で課題が整理されています。

そして、次の一手の準備が整っています。

だからこそ、交渉相手の感情を読み取る余裕があります。

そして結果的に主導権を取ることができます。

この交渉ロジックマップを描く上達のコツは、ズバリ量です。つまり描きまくるということです(笑)

つまり技術を磨くということです。

③見せる技術     

ちなみに「見せる技術」が、必要ない人もたまにいます。

それはどんな人かというと、抜群の話術を持っている人です。

話術だけで交渉を思い通りに進められる人は、もう羨ましい限りです。

しかし私を含めて多くの人は、話術だけでは交渉を乗り切れないかと思います。

だから「見せる技術」が必要なのです。

「見せる技術」には2パターンあります。

頭に描くイメージをインプットして、交渉中にその場で真っ白な用紙に描き出すパターン。

これはなかなか効果的です。

例えば、次のようなものを事前に描いて、頭にインプットしておきます。

そして交渉中に「今おっしゃっていることはつまりこのようなイメージですか?」と言って、さらさらとあたかもその場で考えたかのように描き出すのです。

このイメージが共感を得られると一気に交渉は加速します。

事前に、用紙として用意するパターン。

いわゆる営業資料であったり、提案資料です。

おさらい       

交渉がうまくいくかどうかは、事前準備段階にかかっています。

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まずは「勝利の方程式トーク」をつくりましょう。

  • つかみの10秒トーク
  • 続けざまの10秒トーク

そして、交渉の全体像である「交渉ロジック」を事前に描きましょう。

そしてもう1つ、「見せる技術」を身につけましょう。

  • 頭に描くイメージをして、交渉中に描き出すパターン。
  • 事前に用意するパターン。(営業資料や提案資料)

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交渉において、事前準備を組織的に取り組むことで、交渉術の仕組み化が実現できます。

そしてその仕組み化によって、いつの間にか各自のコミュニケーション能力は向上し、組織風土も変化していきます。

交渉に関して興味のある方は、こちら「コミュニケーション能力の課題が分かる本3 〜相手に喜ばれる交渉術の5ステップ〜」もぜひご覧ください。