プレゼンテーションの目的は、何でしょうか?
何事も、価値は目的によって決まります。
例えば、窓においても色々なものがあります。
一般的に窓の目的は、外部からの音や熱を遮断すると共に光を取り入れ、中にいる人にとっても景色を楽しむという目的があるのではないでしょうか。
その大前提を踏まえつつ、他にも様々な窓があります。
例えば、防犯を目的とした網入りのガラス窓や、防音を目的とした二重サッシの窓や、断熱を目的としたフィルムをはった窓や、照明の目的を持った天窓など、様々なものがあります。
このような様々な目的がある中で、価格以上の価値を感じてもらえると、その人は購入という決断をしてくれます。
プレゼンテーションにおいても同様で、話し方のコツとして、目的を常に意識しておくことが大切になります。
目次
- 2つの目的
- 目的の共有
2つの目的
プレゼンテーションにおいては、目的が2つあります。
1つ目は、プレゼンテーションをする側の目的になります。
これは状況に応じて、様々な目的があるでしょう。
「説明をする」こともあれば「提案をする」こともあるでしょうし、時にはその先に何かの「承諾をもらう」という場合もあるかもしれません。
その「承諾をもらう」ということが営業であれば、「成約をする」とか「契約を締結する」という目的もあるかもしれません。
そしてもう1つの目的は、プレゼンテーションを聞く側の視点です。
聞く側が良い取り組みを学び、話を聞いて参考にしたいと思っていても、話す側が自社のアピールだけをしていては目的がずれてしまうことになります。
そんな事例は、こちら「プレゼンは背景(目的)を正しく理解することが重要です」をご覧ください。
だから話す側としたら、聞く側と目的が連動するような視点が大切になります。
そして、プレゼンテーションの良し悪しは、常に聞く側に決定権があるということを忘れてはいけないのです。
目的の共有
先程の話す側と聞く側の2つの目的を考えることが大切なのですが、話す側としてはプレゼンテーションの冒頭でこの目的が一致していることを共有することで、聞く側の姿勢を整えることができるのです。
聞く側の姿勢がどのように変わっていくかというと、まずは聞く側の耳が開いていくことになります。
そして聞く側の耳が開いていくと、さらにその場に参加していることに価値を見出していくようになります。
だから、プレゼンテーションの冒頭でこの2つの目的が一致していることを話す側と聞く側で共有することが大切になります。
「じゃ〜それはどうやってやったらいいの?」という声が聞こえてきそうですが、そんなに難しいことではありません。
具体的には次のようなことを、プレゼンテーションの冒頭で話せば良いのです。
- 今日は販売促進のミーティングということですが、これからの時間では、新たな媒体を活用して、どれだけ売り上げをアップできるかという可能性をご紹介します。
- 先日の会議で、生産性が落ちているというデータがありましたが、これから生産性を上げていく課題を共有したいと思いますし、その上で新しいやり方を導入することによって、どれだけ業務効率が上がるかをご紹介します。
- 今日は「コミュニケーション能力アップ」というテーマでセミナーのご案内をさせていただきましたが、90分後には「なるほど。こういうことをすれば、コミュニケーション能力がアップするんだ」というイメージができるようになりますし、各自の課題が明確になりますので、ぜひご期待ください。
プレゼンテーションの冒頭で、ただ単に「それでは早速始めさせていただきます」とすぐに本題に入るのではなく、話す側と聞く側の目的を共有することが、話し方の大切なコツになります。
その共有ができていると、その場には安心感が生まれ、聞く側の耳が開き、その場にいる価値が増していくのです。
目的をお互いに共有するだけのことですが、プレゼンテーションの冒頭でそれを行うか否かで、伝わり方が全く変わっていくのです。
「伝える力」については、ぜひこちらをご覧ください。
あなたの・・・コミュニケーション能力の課題が分かる本2: 話が分かりやすい人になる 「伝える力」をグングン伸ばす5つのステップ