コミュニケーション能力を高めるにはたくさんの要素が必要です。経営コンサルタントとして学んだこと・経験したこと・日々の業務で感じることなど「コミュニケーション能力」に関する情報を中心に配信しています。皆さまの未来に少しでも貢献できれば幸いです!

コミュニケーションスキル, 交渉力, コミュニケーションの仕組み化, 営業の仕組み化

ファシリテーターとは 〜視点を変える大切さ〜

8月の猛暑で、屋外は35度を超えるような「暑い あつ〜い 暑い」ある日のお話です。

そんな「暑い あつ〜い 暑い」に42名の方をお招きしてセミナーを開催していました。

そしてそのセミナーが終了した一室で、反省会が開かれました。

ファシリテーターについての詳しい役割などはぜひこちらの「ファシリテーターとは 〜7つの役割と1つのスキルアップ方法」をご覧ください。

ここでは、ファシリテーターに大切な「視点を変える大切さ」についてご紹介します。

目次         

  • セミナーの振り返り
  • 視点の共有
  • 視点の影響力

セミナーの振り返り  

そのセミナーは次のような4部構成で行われました

  1. ゲスト講師による講話(毎回違う分野の方をお招きしています)
  2. 2社からの事例発表(いつでも事例は何よりも説得力があります)
  3. 工場見学(百聞は一見に如かずです)
  4. グループディスカッション(交流ができるオープンなセミナーを目指しています)

参加者の反応は上々で、主催者側のメンバーも暑かったけど、充実感を感じていました。

そんなセミナーを終えて、反省会を兼ねたミーティングが開かれていました。

そして、話の焦点はその日のセミナーで最後に行われた、グループディスカッションです。

このグループディスカッションが、果たして良かったかどうかという議論です。

ちなみにこういう議論は、セミナー直後に開催するとメリットがたくさんあります。

なぜならば・・・、

  • 感情が残っている。
  • 充実感や後悔など、自分で感じ取ったものが心に残っている。
  • 記憶が鮮明に残っている。
  • 気づいたことを忘れることなく覚えている。
  • 理屈ではなく、フィーリングが残っている。などなど。

だから、このセミナー直後のミーティングでも色々な意見が出ていました。

例えば・・・、

  • 良かったよ~。盛り上がってた!
  • テーマの絞り込みが良かった!
  • 会話に参加している人と参加していない人の差があったけど、時間としては、ちょうど良かったんじゃないかな〜。
  • メンバーはもう少し考えてもよかったけど、グループの人数は適正だったね。
  • 参加された方も楽しかったって言ってたよ。などなど。

このように、当事者の皆さんは手ごたえを感じて、各々が達成感に満ちた笑顔で感想を話していました。

視点の共有      

すると、ファシリテーターが声をかけました。

  • 「何が良かったんですか?」→「えっ?
  • 「何に対して良かったんですか?」→「えっ?
  • 「良かったという基準は何ですか?」→「えっ?

当事者の皆さんは、一様に「???」というリアクションです(笑)

そこで、ファシリテーターがもう一言。

つまり「目標に対して良かった」とか、「予想に対して良かった」とか、何か「共通の視点」を設けて話し合いをしたほうがいいですよ。

そこで「共通の視点」を次のように設定しました。

それは・・・、

次回のセミナーにこのグループディスカッションがあるから、ぜひ参加したい」と言われるようなものにするには、どうしたら良いかという視点です。

このような視点を共有すると、先程の意見は180度変わりました。

例えば・・・、

  • 全然ダメでしょ〜。
  • ただ意見交換してるだけだもんね〜。
  • もっと参加者が勉強になるようなテーマが必要だよね〜。
  • こっちから伝えるような統一したメッセージも必要だよね〜。
  • 話し合いの成果をシェアする時間もあったほうがいいよね〜。などなど。

最初の意見と全然違いますよね(笑)

それはなぜかというと、視点が変わったからです。

「グループディスカッションの位置づけ」が変わったからです。

視点の影響力     

ミーティング前半でのグループデスカッションの位置付けは「基調講演のおまけ」

基調講演のおまけ」という視点なので、合格ラインが低いのです。そしてその合格ラインもそれぞれの基準なので、曖昧なのです。

だから、各自が想像していたよりも手ごたえがあったら、「良かった」という感想になります。

ミーティング後半でのグループディスカッションの位置付けは「次回セミナーのメインイベント」

メインイベント」という視点で、さらに「このグループディスカッションがあるから、ぜひ参加したい」という位置づけです。

つまり、「このグループディスカッションがあるから、往復3万円の旅費をかけてでも参加したい」と思えるかどうかという視点です。

全然違いますよね!!

このように、どの視点で話し合いをするのかで、チームの方向性も変わってきます。

さらに、「次回のセミナーにこのグループディスカッションがあるから、ぜひ参加したいという人を、30人集めるためにはどうしたら良いか」というように、数字を活用した視点を設けるとさらに具体的な話になっていきます。

組織の仕組みづくりをしていく際に、「共通目的」や「共通目標」が重要であるように、プロジェクトやミーティングの運営をしていく上では、「共通の視点」が重要になってきます。

日常のミーティングでも「視点」を意識してみると、出てくる意見も話し合う内容も劇的に変わるかもしれませんよ♪

そんな役割をファシリテーターは担っているのです!